
ついでながらの
近寺・近山 紅葉観察
今日は祝日・勤労感謝の日。
そうとは知らず、朝、受診の予定を入れていたが、準備中に気づき、取り止めた。そういえば、週末は寒気で荒れそうなので、代わりに、近山で少々また登山靴の慣らしをすることにしたのである。
そして、そのついでに、ついに盛期と化した麓や山の紅葉具合も観察。写真は、その最初の楓。京都市街東縁を流れる琵琶湖疏水分線に沿う、所謂「哲学の道」の一樹であった。
内外数多(あまた)の観光客が行き交う哲学の道では、大半の樹がまだ盛りに達していなかったが、なかには、この様に、真紅のものも見られた。

天下の名所・永観堂
哲学の道の次は、その南隣の永観堂へ。言わずと知れた天下の紅葉名所である。写真は、その門前の様子。まだ色づきが浅い樹も多いが、全体的にはかなり赤らんできた。
それにしても、寺の内外人が多い。まあ、この時期は仕方ないが……。

同じく永観堂の紅葉。南門内から苑池(放生池)方面を見る。かなり鮮やかだが、残念ながら曇天で光は良からず

絶景!東山高の厚情
永観堂を過ぎ、寺に隣接する東山高の門前を通れば、何やらその教員や生徒らが集い、道行く人を誘っている。
どうやら、今日のみ屋上を一般公開しているようである。折角なので見せてもらったが、最初に通されたのが、写真の屋上。誘い口上通り、京都市街が一望できる好眺望所であった。

そして、次に通されたのは、校舎窓から見えた圧巻のこの眺め。なんと、永観堂境内の紅葉がほぼ全て見えるという贅沢さであった。しかも無料(永観堂境内は大半が有料)。永観堂との関係を少々心配したが、休日返上の関係者皆さんの厚情を、対面で、または胸で謝し、退出した

人を避けつつ南禅寺
東山高校の次は、これまたそれに隣接する著名大寺・南禅寺。写真はその境内端の紅葉だが、全体的に永観堂より進みが早く感じられた。標高等の環境立地は同様の筈だが、背後の山谷の冷風の所為か。
とまれ、ここも観光客で溢れているため、人が写り込まぬようにするのが大変であった。

これも同じく南禅寺境内の黄葉。最奥にある最勝院への案内が立つ場所である。それより、かの「水路閣」入口と言った方が解りやすいだろうか

山道から北山科へ
水路閣を潜り、境内最奥の最勝院を抜けて山に入る。最勝院の奥之院で行場である「駒ヶ滝」を越えると、道は写真の様に完全なる山道と化した。
但し、古くから京・山科を結ぶルートのため、確りした古道が随所に残る場所でもあった。

意外の一番・山科聖天
山道はやがて東山の鞍部を越え、京盆地東隣りの山科へと下る道と化した。そして、また尾根を越す小さな切通し峠を越え、谷の森を下ると舗装路と出合い、突如写真の如き、光輝く場所が現れた。

北山科山中で光を放っていたのは、鳥居に歓喜天の扁額かかる、山寺・山科聖天(双林院)であった。ちょうど紅葉盛期で、意外にも今季一番の素晴らしさであった。しかも、境内に人は数人のみの、空きぶり

陽当たりの関係?
毘沙門堂門跡
感動的な山科聖天の紅葉を堪能した後、すぐ下方にある毘沙門堂へ。東山(大文字山地)への出入口に当る山科毘沙門堂も近年著名な紅葉名所で、静かな双林院とは別世界の賑わいぶりであった。
ただ、よく報道等で紹介される勅使門坂の紅葉具合は写真の如く、少し精彩を欠くように感じられた。

同じく山科・毘沙門堂門跡にて。今回は、本殿・仁王門下のこの紅葉の方が鮮やかに思われた。陽の当たり具合の関係もあるかもしれないが……

京都・北山科の谷奥に続く大文字山への道
大文字山の天然林紅葉
今日の折り返し地点としていた毘沙門堂からまた山中に入る。山域の主峰・大文字山山頂(標高465m)を経て京都市街に戻るためである。

北は大文字山方向に続く谷上に覗く、大文字山・如意ケ嶽山上の天然林紅葉も美麗

そして、谷道を詰め、東山稜線に上り、大文字山頂着。然程遅い時間ではないが、晩秋なので既に夕方の光線具合。思えば、山科に入った頃から、予報に反し陽が出てきた。ただ、山頂からの眺めは霞多くして、良からず

大文字山頂からの眺めとは対照的だったのは、山頂から下った中腹にある「五山送り火」の火床部分。その脇や周辺の山々の紅葉が美しい

大文字中腹でのもう一つの意外は、火床面に繁茂する、このススキ。黄金色に揺れ、実に美麗であった。ススキといえば、9月末の印象が強いが、紅葉とセットになったので、より、感慨深いものとなった

市街帰還
今年は山中が当り?
火床から更に下った山中の紅葉も写真の如く美麗であった。今年は街の紅葉は猛暑等の影響か今一つに見えたが、山のものは当りのように感じた。
そして、麓の銀閣寺に下り、山を出た。肝心の靴の具合は悪しからず。前回靴擦れが起こった場所も今回は問題なかった。
不具合発生を機に皮膚が厚くなったのか。まあ、距離や高低差、荷物負荷が少なかったことも関係しているのかもしれないが。
とまれ、今日はこれまで。そして、以上、一先ず京都市街東部の紅葉具合の参考まで……。