2007年09月21日

So 残暑


逍遥雑記「滋賀,志賀,琵琶湖,湖西,近江舞子,小松,湖水浴,バーべキュー」

予想最高気温34度!

しかし暑い。直に10月だというのに、いつまでこんな日が続くのであろうか。初旬に涼しくなった際、その落差故か体調を崩したが、これではまた2度目の不調に見舞われそうである。しかし、毎年この様な事態に遭遇し、そしてその都度この様な不平を言っている気がしないわけでもない。

まあ、愚痴ばかり放っていても仕方がないので、泳ぎにでも行くことにした。場所は前々回の「残暑水浴」で御馴染の、滋賀湖西は近江舞子である。胸内に、今年最後の水浴であろうとの「惜夏の情」と、そうあって欲しいとの「迎秋の希望」の、両方を抱いてである。

「痩せ我慢」と、その崩壊

さすがに前回に比して、浜に見る人はめっきり少なくなった。学生の休みが終ったこともあるだろうが、その差はあまりにも大きい。確かに日付は大きく進んだ。しかし気温や水温は変わらないどころか、却って高くなった観がある。だが、水浴客は殆どおらず、代って多勢を占めるようになったのは、「世は秋」と言わんばかりに、確り服を着込んだバーベキュー組であった。

人の娯楽や装いに意見するつもりはない。しかし、この暑さで炭火を囲むのは、やはり辛かろう。しかも、心身共に秋としたいのか、ノースリーブの人すら稀の、気の毒ぶりである。こっちとらは、盛夏と変わらずパンツ一枚のゴロ寝で、西海岸宜しく細瓶ビールなんぞくわえて陽気を成している。恐らく、皆も内心そうしたいと思っているはずである。

食事時が一段落した頃、この推察は実証される。暑さに堪り兼ねたある女子の一団が服のまま水浴を始めると、他のグループも次々に同様を成し始めたからである。本来は陸(おか)上で行う予定であったろう球戯なぞも始めて、皆実に楽しげである。そりゃそうであろう。「秋」なぞは全くの字面ごとであって、現況は「猛暑」だからである。

暑さは今日始まったものではない。十分予測可能で、そして承知だった筈である。しかも、朝、天気予報にて散々注意を受けていたであろう。にも拘わらず、多くの人は暦の呪縛を解こうとはしない。皆少々痩せ我慢が過ぎるのではなかろうか。暦の進行に、季節の推移を映して生活を変えるのは悪いことではない。しかし、もう少し融通を利かせた方が楽しいのではなかろうか(そういえばこの状況、盛夏に背広で海外出張し、感心されるどころか笑われた話に通じるものがある)。

ここで、表題を読んで欲しい。「とても暑い」という安直な意味もあるが、今回はこの「痩せ我慢」に対する疑問への同調要請でもある。その古臭いセンスにお怒りの先賢と、元より意味が判らない後賢には、切に諒を願う次第である。

斜に見る世に、また謎一つ

さて、バーベキュー組が水に入って暫くの後、何処からともなく、爆音を吐く1台の水上バイクが現れた。こればかりは、逆にその季節外れに呆れたが、そうこうする内にエンジンを切って、静かに汀(みぎわ)の女子に近づく。有害物質を出す2サイクル式が規制されたからか、最近のそれはやたら大きい為、女子らに近づく様は、浜のアザラシを狙うシャチの様である。実際はまさに女子の略取、否、それとの交流が目的なのだが……。

よく浜で水浴をする人は存知だと思うが、禁止されているにも拘わらず浜で水上バイクを走らせるのは、十中八九、女子の誘惑が目的である。しかしこの方法、取り敢えず同乗を楽しむまでは容易いが、その後の発展は乏しそうである。にも拘わらず、その取得や維持、そしてここまで持ち込む費用や労力は相当なものと思われる。しかも、更に確率低い、こんな時季にも拘わらずである。どうやら、これにもどこか「痩せ我慢」の匂いがしてならない。

とかく目につく日本人の痩せ我慢。それは四季の明確な国、そして島国の所産なのであろうか。まあ、当人に不満がなければ、それでもいいとは思うのだが……。

猛暑延長の長月下澣―。ゴロ寝で斜に見る世に、また謎一つ転がる、という処である。


上掲写真 松間より眺めた舞子の浜。左の松林中に、多くのバーベキュー組が「夏炉」ならぬ、猛暑の炭焼を行っている。
posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記

2007年09月20日

木屋町謀議


逍遥雑記「中華料理,木屋町,山会打合せ」

何やら「御用改め」に斬り込まれそうな表題であるが、何のことはない、秋の山会打合せを木屋町にて行ったのである。

参加者は7月の山会にも参加したY氏とM氏と私。存知ない人の為に説明しておくが、「木屋町」とは京都三条・四条の繁華街に隣接する市内一の飲食店街のこと。伏見や大坂(阪)と、京を結んだ高瀬川舟運の端末地として古くから賑わい、幕末には志士が潜伏し、多くの謀議が重ねられた場所でもある。正に「御用改め」の実地、冗談にも確かな裏打ちがある場所なのであった。まあ、そんな場所なので、飲み会を兼ねて集まった訳である。


妙案か、それとも妨害か!?

先ずは腹ごしらえの為、Y氏行きつけの中華屋を訪ねた。私も面識ある東北華人の大将が経営する店の一つで、若い華人女将が切り盛りをしていた。

日本在住者としては珍しい、東北土着民「満州族」出身という女将の給仕の隙に、Y氏は彼女との漢語会話に勤しむ。釣られて私も話すが、久方振りがたたって中々出てこない。結果、出鱈目の連発となったが、良い鍛錬にはなった。外でもない、Y氏は正にこうしてここで華人と話し倒すことで漢語を実習したという。なるほど、妙案である。これなら費用も掛からず、地元で、そして普段の暮しの中で外語の鍛錬が出来る。

しかし、店側からすると、営業妨害スレスレの行為とも言えなくはない(笑)。

写真は注文した料理の一部。左下が夏らしい「凉拌黄瓜」(胡瓜の和え物)、その隣が健康的な「宮爆洋白菜」(キャベツ炒め)、左上が特注の「糖醋魚」(酢豚の魚版)、そして右が定番華人家庭料理の「西紅柿鶏蛋」(トマト&鶏卵炒め。メニュー掲載なし)である。


やはり妨害謀議ありか!?

食後、これまたY氏行きつけである近くのバーに場を移すこととなった。本来は、そこに行く事、そしてそこで打ち合わせる事が目的であった。ところが、そこへの途上、中華屋で火が付いた漢語連発状況に想を得たY氏が、M氏と私がそこに於いて外人に成り済ます冗談の実行を提案した。M氏が韓人、私が華人となって漢語や英語のみを話し、ママや客を欺くのである。

何やら妙な話が出てきたが、店に入るなりY氏がそれとして紹介してしまったので、先程からの流れのまま華人を演じる羽目となった。結果は、殆ど出鱈目でありながら、大学教員等のインテリ客の全てを欺く成功を収めた。しかし、M氏に次の予定が迫っていたので、欺きを解く間もなく短時間で店を出た。店人への最後の挨拶では、漢語と英語に、露語や土語まで持ち出し悪乗りに上塗りをした。

高瀬川の橋上でY氏中心に笑い合ったが、肝心の打合せが出来なかったので、解散前に慌てて話を詰めた。そういえば、Y氏お気に入りの「ママ」とも結局話が出来なかった。もしや、この演技実行は、M氏と私をお気に入りママから遠ざける為の、Y氏の謀略だったのではないか……。

明日は仕事で早いと言いながら、寄る場所があると言って、更に先斗町の提灯闇に消えゆくY氏への疑念は尽きない。ここは尾行して「御用改め」宜しく、その正邪を究明すべきであろう。

しかし、時は既に23時。昼の猛暑疲れも手伝って、致し方なく断念するに至ったのである。

古から謀(はかりごと)渦巻く木屋町界隈―。建屋間の彼方には華やかさに潜むそれと似た、賀茂河岸の黒滔々たる闇が広がるばかりであった。Y氏の行方は誰も知らない……(笑)。
posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記

2007年09月03日

残暑水浴


逍遥雑記「滋賀,志賀,琵琶湖,湖西,近江舞子,小松,湖水浴」

9月ながら、今年初めての水浴(遊泳)をおこなった。新聞等に発表していた文章等に因り、よく老人と間違えられるような私ではあるが、実はこの様な若らかごとも毎年おこなっている。

平成の若年寄、藤氏 in グアム(!?)

本来なら盆辺りの盛夏日に行きたかったのだが、大きな改変を要する急ぎの原稿等があったため叶わなかった。よって、朝こそ秋涼だが昼の気温は35度との予報が発せられた今日を最終好機とみて、昼で仕事を切上げ、急遽行くことにしたのである。向かったのは、ご存知南洋の楽園グアム。最寄の関西空港から約4時間で辿り着く別天地である……。

さて、上掲の写真と共に上述を信じた人はどれ程であろうか。実はグアムには行っていない。そもそも諸般の都合上行けるわけなく、仮に行けたとしても日が暮れて泳げまい。行ったのは琵琶湖岸で、写真もその代表的水泳場「近江舞子」のものである。京滋在住者ならともかく、淡水湖琵琶湖に存在する白砂青松の浜や、そこでの遊泳の楽しみを知る人は案外少ない。わざわざグアムなぞ持ち出して惑わしたのは、そんな、琵琶湖の魅力を知らない人達に強く訴える為であった。何卒諒とされたい。



逍遥雑記「滋賀,志賀,琵琶湖,湖西,近江舞子,小松,湖水浴」

こちらの写真の方が、グアムとするには良かったかもしれない…。


知ってもらいたい、琵琶湖の魅力と価値

その汚染が叫ばれて随分久しい琵琶湖であるが、遊泳叶うこの様な場所がまだ少し残されている。温帯域にあって水面標高が85メートル程しかなく、しかも人口密集地に接する湖で遊泳が叶う場所は世界的にも珍しいとみられる。これは大陸各地を実見した私の経験からも言える。つまり、ここでの遊泳や浜遊びは大変贅沢なことなのである。そういった意味では、グアムより価値ある所といえよう。

以前関東に住んでいた時、「少時の夏は専ら琵琶湖で泳いで過ごした」と人に話すと、随分奇異な眼で見られたことが多かった。その時の人々の様に、琵琶湖に馴染ない人にも、少しでもその魅力と価値を知って頂きたいと思う。そして、琵琶湖の健やかな存続と、そこでの楽しい余暇実施の継続を切に願う次第である。


逍遥雑記「滋賀,志賀,琵琶湖,湖西,近江舞子,小松,湖水浴」

毎年多くの湖水浴客で賑わう白砂青松の景勝地「舞子浜」。背後に見える山並はこのサイトでは御馴染の比良連峰(釈迦岳付近)。実はこの辺りの水質保持に大きな役割を果している。今年の水は平年に比して水温が高い割に良質であった。例年なら夕方頃少々水草臭い浮塵ある水が寄せられるのだが今回は見られなかった。意外にもここ数年で最良のコンディションであった。


琵琶湖の健やかな存続と、そこでの楽しみの継続を願う

数値上では汚染は改善方向にあるとされる琵琶湖であるが、臭いや色といった個人的な体感判定では悪化の一途を辿っている。以前良く言われた、「北部に行くほど水がいい」との話も、宅地造成や河川改修、圃場整理等の進展により幻想となった。もはや体感的に納得出来る水質域は、清水を供する山岳近くのみとなってしまった観がある。比良からの伏流等を受ける舞子も、まさにその一部である。

しかし、この様な状況と化しても人間社会による自然損壊の動きは止まない。比良と浜の間に湖西道路が通った「蓬莱」や「松ノ浦」において如実に水質が低下したのはその代表例である。無論、道路だけが原因ではなかろう。しかし、重要な因子であることには違いない。

もうそろそろ、何とかしてもらえないだろうか。将来にわたって在るべき良地と、そこでの楽しみを次代に伝えず壊すことは、「犯罪」以外の何ものでもなかろう。


逍遥雑記「滋賀,志賀,琵琶湖,湖西,近江舞子,小松,湖水浴」

舞子(比良)夕景。

帰路、浜の後方にある比良をねらってみた。淡く色づく夕雲と共に、内湖(小松沼。潟湖)に映る「逆さ比良」が実に美麗かつ優雅である。左側にある鈍角のピークが以前山会でいった打見山(1110メートル)、右側にある鋭角のピークは堂満岳(1057m)である。太古から続いたであろうこの様な景色も、末永く存続してほしいところである。
posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記