
「初冠雪」のタイトルをつけたが、毎日山を観察している訳ではないので、正確なところは判らない。だが、京都市街に於ける初降雪は、自身の目と報道にて確認しているので間違いない。
写真は、その初冠雪らしきものを発見した時のもの。所用の折に渡った、賀茂川は荒神橋より撮ったものである。画像では判じ難いが、重なる北山景の最奥の稜線にそれがある。雲ではない、薄く白霞む連山が見えると思うのだが……。

画像を切り出して拡大すれば見易いであろう。中央奥の、最も高く最も白い嶺が「雲取山(911m)」辺りである。その稜線を辿った右端に薄く見える紅白の塔辺りが、鞍馬から上る車道の峠、「花背峠」である。
山の積雪はその様が肉眼視出来なくとも相当あることが多い。となれば、今この北山奥には初冠雪ながら、かなりの積雪に見舞われている可能性が高い。左京区奥地と市街を繋ぐ動脈、花背峠の通行は大丈夫なのであろうか。

所用というのは、今日が最終日である知人の写真展観覧である。その会場があったのが、写真のビルである。京都在住者にはもはや説明の必要はないと思われるが、元大阪毎日新聞社京都支局を文化施設に転用したもの。設計はかの武田五一で、1928(昭和3)年に建てられたものであるという。「なんだ、うちの古家と同い歳くらいか」と不遜な考えも過ったが、ともかく、その趣と三条寺町の繁華街という立地を活かして、文化交流の拠点・古建築有効利用の鑑として確固たる存在感を放っている。

しかし、見ればみるほど不思議な仕立てのビルである。その「極め」とも思われるものが、社章をあしらったという星型の窓つく前面最上部分であった。「星窓」は無論、女墻(ひめがき)と思しきレリーフを巡らせ、望楼の如き塔を頂く実に特異な造りとなっている。欧州の古城をイメージしたと思われるが、全体とのかかわりを思う時、実に不可思議な感触を与えられずにはいられない。
写真はその部分を側面から撮影したもの。拡大により陰影が強調された様は、壁面の色と相俟って、回教建築の趣さえ見せる。しかし、側にある無粋な筈の電線類が、不思議と協調している様には、更なる驚きを与えられた。電気の世紀、20世紀生れたる何物かが共鳴しているのであろうか。
展覧会場を出たのち、空からはほんの少しばかり雪が舞い始めた。今月は漸くの秋風情から始まって、終盤での厳冬到来にて終るようである。それと共に、はや今年も終りであった。皆さんの良き年の瀬を願いたい……。
posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 23:49
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逍遥雑記