2008年08月28日

気概好日


逍遥雑記「来田猛,白子勝之,写真&漆.展覧会,線という形 闇という色,西行庵,皆如庵」

「線という形 闇という色」展

夕刻、家での仕事を一区切りつけ、予て招待されていた友人の展覧会に出掛けた。

友人は写真家の来田猛(ころだ・たける)君。今日28日と明日29日の2日間、漆芸家の白子勝之氏と共に「線という形 闇という色」というコラボレート展を開催したのである。場所は東山区円山公園南隣にある西行庵。その建屋に内包されている「皆如庵」という古い茶室にて行われた。


線と漆黒で数百年の伝統に対峙

通常の白箱式ギャラリーとは異なり、内装そのもの、建屋全てが強い存在感を持つ茶室。そのような「圧力」に満ちた空間に、果敢に挑んだ2人の力作があった。

彼らがその圧力に抗する為に用いた手段は、茶室のそれを上回る簡素さや重み。即ち、自然さを保ちながら同時に力も有した「線」と、同じく何物をも凌ぐ深い重みを有した黒漆の「闇」であった。それは恰も、「線という剣」、「漆黒という盾」を以て数百年の伝統文化に対峙した趣さえ感じられたのである。

いや、中々いいものを見せてもらった。予報により天候不順も想定されたが、それが覆ったのも、気概あるこの展示のお蔭かと思われるほどであった。もはや29日、1日しかないが、是非皆さんにもお勧めしたい。


上掲写真 西行庵東角にある「皆如庵」入口。かの戦国武将、宇喜多秀家の息女が輿入れの際に持参したものを移築改修したとの伝承をもつ。普段公開されていない、この茶室を見るだけでも価値がある。


逍遥雑記「来田猛,白子勝之,写真&漆.展覧会,線という形 闇という色,西行庵,皆如庵」

西行庵夜景。左側の障子部屋が「皆如庵」。

電灯のあかりで見る作品も、また自然光とは違う趣があっていい。来田君の勧めもあり、日没までの1時間程居て、光の具合や周辺雰囲気の変化を楽しんだのである。
posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 22:59 | TrackBack(0) | 逍遥雑記

2008年08月16日

お盆東西


逍遥雑記「洛西,大原野,勝持寺,大原野神社,百日紅,鞍馬石,大文字,五山送り火,お盆」

市街を横断、洛西大原野へ

お盆真っ盛りというか、その最終日である8月16日、京都市西郊は大原野を訪れた。先日、同北郊で行った取材の続きである。朝、家がある東郊より車輌にて出発し、市街を横断し洛西丘陵を上って西山山麓に至る。そして、取材当該地区であるそこにて遭遇したのが写真の景であった。

市内ではもはや珍しくなった一面の水田地帯―。遠出という程の距離ではないが、どこか旅情を誘う、心洗われる眺めである。そういえば、遠く市街を見下ろす土地柄故か、暑さも幾分穏やかに感じられたりもする。「実は取材と称して涼みに行っているのではないか」との疑いを受けそうだが、まあ、ここはひとつ御手柔らかに…(笑)。


逍遥雑記「洛西,大原野,勝持寺,大原野神社,百日紅,鞍馬石,大文字,五山送り火,お盆」

「百日紅」床しい勝持寺

田園を越え、更に上って、もはや道が途絶える場所に取材対象地「勝持寺(しょうじじ)」はあった。写真はその門前際の参道である。折しも満開に達した、美しい百日紅(さるすべり)の薄紅が床しく迎えてくれた。因みに、この花木の裏に、間近に開(はだか)る西山の姿がある。

勝持寺は、白鳳期(7世紀後半)に役小角(えんのおづの。役行者)が開いたとされる古刹。後に伝教大師最澄が再建し、かの西行法師が得度した場所としても知られる。


逍遥雑記「洛西,大原野,勝持寺,大原野神社,百日紅,鞍馬石,大文字,五山送り火,お盆」

西郊で知る盂蘭盆クライマックス

重厚で力強い姿の茅葺き屋根を持つ勝持寺の庫裡。山里である大原野の原初の姿を想わせる。

取材物は収蔵庫にあったのだが、そこに行くには本堂である阿弥陀堂を通らねばならない。折しもその堂内では、僧俗満ちて盆行事の最中であった。ここにきて、初めて今日が盂蘭盆会(うらぼんえ)クライマックスたる16日であったことを実感する。

熱心に経を聞く大勢の地元信者の姿に、また市街との違いを感じる。こんな特別な日に物見に現れた、他所人に対する訝しげな様にも…。


逍遥雑記「洛西,大原野,勝持寺,大原野神社,百日紅,鞍馬石,大文字,五山送り火,お盆」

巨大鞍馬石

意外と広い庭の、奥にあった建屋前にて見事な鞍馬石を発見。長さは子供の背丈程もある。人工と天然の際にあるような造形がいい。地味物ながら、これも稀少なものであろう。

さて、午前中には取材を終え、大原野をあとにした。午後からは家で色々とすることがあったのだが、どうした訳か進まない。体の倦怠感が酷いのである。どうやら連日の暑さによる疲れが極みに達したようである。夕方からは夜の来訪者の為に色々準備もしなくてはならないのだが…。仕方なく諸々を諦め、暫し身体を休めることにした。しかし、そうしていても暑いのだが…。


逍遥雑記「洛西,大原野,勝持寺,大原野神社,百日紅,鞍馬石,大文字,五山送り火,お盆」

西から東で盆終る

昼間休んだお蔭でなんとか夕方には動けるようになった。そして、夜8時丁度。来訪者達と共に16日恒例の、五山送り火「大文字」を見物した。今年もまた盆が終った。あとは、のちに合流した人達も含め、うちで酒食のもてなし。

こうして、朝西郊で始まった私の盆最終日は、深夜の東郊自宅にて終ったのであった。
posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 23:44 | TrackBack(0) | 逍遥雑記

2008年08月14日

京郊涼気


逍遥雑記「高山寺,漆喰,鳥獣戯画,明恵,茶,周山街道」

久々に北方の郊外へ

記事用取材の為、久々に京都市街北方の郊外へと出掛けた。場所は右京区山中を貫く清滝川中流にある古刹「高山寺」。鎌倉期の中興開山、明恵上人による日本最古の茶園や、かの「鳥獣人物戯画」で著名な寺である。

市と丹波京北地方を結ぶ山間路、周山街道沿いの駐車場から続く「裏参道」より境内入りする。そして、細く急な石段を上りきったところに現れたのが、目も覚めるばかりの写真の白壁であった。まだ補修されてから日が浅いものであろう。不備なく立つ角の様も、その新色と相俟って実に清々しい。

気になる始末

面白いのは、石垣の窪みに構わず壁の面位置が保たれていること。その為、窪み部分は、恰も白壁が迫り出すような姿となっている。これは、かなりの技量が要求されるところではなかろうか。よく見れば、作業が難しそうな迫出し下部も、抜かりなく巧みに始末されている。詳細は解らないが、今日最も気になったところである。

因みに、この壁は中興期建造の唯一の現存施設「石水院」外周の守り。写真にも見える、そこからの排水管に対する漆喰始末の仕様も面白い。


逍遥雑記「高山寺,漆喰,鳥獣戯画,明恵,茶,周山街道」

裏参道沿いの境内にある東屋(あずまや)。

市街よりひと峠離れた山中なので、さすがに涼感を得られた。先月よりの高温に音を上げていた身としては実に有難く、羨ましい限り。昨今続く夏毎の異常な暑さに対しては、そろそろ何か対策を講じなくてはなるまい。


逍遥雑記「高山寺,漆喰,鳥獣戯画,明恵,茶,周山街道」

国宝石水院の縁側に腰掛け、涼気にまた一息。庭越しに見える北山うえの夏空も幾分穏やかに感じられる。縁側そばに咲く花と共に撮ってみた。空の青をおさめる為、敢えて花の明度は犠牲にしてある。

例によって植物の名は詳しくないので、ご存知の方がおられれば、ご一報頂けると幸いである。
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2008年08月05日

個展観覧&撤収支援


逍遥雑記「林雅彦,masahiko hayashi deka,.la galerie,百花,cafe moka」

趣あるギャラリー。個展の主催者は彼……

夜、友人の個展観覧と、その撤収支援に出掛けることとなった。場所は大阪府北部、茨木にある「la galerie(ラ・ガルリ)」というギャラリー。丁寧に改装された重厚な古民家内に、デザイン事務所・カフェと共に併設されている実に趣あるところ。

友人である個展作家は、画家・イラストレーターの林雅彦氏。春から続けている私のイベント「胡羌鬲絶展」のライブで、エレクトリック・ベースを担当してもらった人である。即ち、特別ユニット「吉田エアプレイン」の一員でもあったのである。

そんな、芸達者で気心の知れた彼の仕事の観覧とその援助に向かったのである。つまり今日は林個展の最終日。本来は、別に日をとってゆっくりと観覧したかったが、自分のイベントとも重なっていた為、叶わなかった。林氏と「ラ・ガルリ」のKさんにはこの場を借りてお詫びしたい。

展示に感銘。暑くも充実した1日の終り

さて、林氏と共に撤収用の車輌にてギャラリー入りし、作業前のひと時に観覧させて頂いた。搬入時にも一部手伝ったので、出展作自体については知っていたのだが、やはり展示として完成された姿を見るのはまた迫力が違う。今回は特に大型絵画や林風の描き味を存分に活かした切絵作品が導入された、個人的に注目していた展示だったので、加えて深い感銘を頂けたのであった。来年予定されているという、京都での個展が一層楽しみとなった次第である。

そして、感銘の余韻に浸りつつ約2時間の撤収作業を終えて帰路についた。断続的に降っていた激しい雷雨は知らぬ間にあがり、また眠り浅い夏の夜が辺りを覆う……。

実に、暑くも充実した1日の終りとなった。


上掲写真:ギャラリー「la galerie」の入口部に飾られた林作品と、その個展案内状。


逍遥雑記「林雅彦,masahiko hayashi deka,.la galerie,百花,cafe moka」

個展撤去前に作品に見入る作家、林雅彦氏。お疲れ様…。
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2008年08月04日

メール不達について


当サイト右上「奥付」内に設置されております連絡用メールフォーム(Secure Mail)に不達が確認されました。現在原因や不達連絡の内容等について調査中です。

つきましては、これまでフォームをご利用頂いたにも拘わらず、返信が得られなかった等の方は、お手数ですがこちらの別フォームよりご連絡頂けると幸いです。

何卒ご協力の程、お願い申し上げます。
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2008年08月03日

夏季イベント補足

先日は夏季イベントへのご参加、並びにご協力有難うございました。期間中(7月20日)行われた「会期中イベントU」、“吉田エアプレイン・ライブ”に関する詳細補足を記します。


演奏

「吉田エアプレイン」

歌&エレクトリック・ギター   : Seiran
エレクトリック・ベース他     : Hayashi deka
スレイベル(神楽鈴)&独鈷鈴 : Yukie komachi


制作

作詞・作曲  : Seiran
編曲      : 吉田エアプレイン
音響・照明他 : art ehoh


演目

1. 理 ― kotowari ―
インストルメンタル(歌なし)

2. 神泉
歌い出し: 生きては再び出られぬ砂の海、寄せては返す砂丘の向こう。何人(なんびと)の目にも晒されず、冷えた、翡翠の溶けた水を静かに湛える。……

3. 予兆 (きざし。副題「四季の歌」)
歌い出し: ―秋は千里(ちさと)の空に実り波打つ黄金(こがね)の季節。光る波頭の群れのさざめく彼方、夕日の祝詞(のりと)―。……

4. 白拍子 (鈴木文化会館「吉田之森」特別追加曲)
歌い出し: 錦の扉そっと閉じれば、すべて瓦礫の彼方砕け飛ぶ。うだる雑踏、祭囃子に、遠い御伽話を思い出す。……

5. 弥生行
歌い出し: 春霞む始まりの朝に、遥かなる空に向け旅立とう。―微温(ぬる)む風は野辺を渡り花を撫づ、樹々の匂いたて……―。……


なお、終演後お問合わせ頂きました、「予兆」の第2番サビで歌われていた都市名は、「テノチティトラン」です。メヒコ、即ち現在のメキシコシティーの16世紀(アステカ期)以前の古名です。少々表記と異なる発音となりましたことをお詫び致します。



お知らせ「論文刊行記念巡回展,胡羌鬲絶U,匈奴vs漢,中国古代,長城,烽燧,烽火,のろし,旧ソ連製地形図,衛星画像,航空地形図,吉田エアプレイン」


お知らせ「論文刊行記念巡回展,胡羌鬲絶U,匈奴vs漢,中国古代,長城,烽燧,烽火,のろし,旧ソ連製地形図,衛星画像,航空地形図,吉田エアプレイン」


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posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 15:01 | TrackBack(0) | お知らせ