2020年03月01日

好機参観

京都祇園のギャラリー「eN arts(エンアーツ)」の玄関石畳と緑鮮やかな苔

冬終盤初日の参観好機

日曜という区切り難い時機ではあるが、今日から3月に入った。3月といえば、花の4月を目前にした冬の終りの時季である。

それは二十四節気の「啓蟄」が示すように、諸々の生物が活動を始める頃ではあるが、未だ雪さえ降りかねない油断ならぬ厳しい時期でもあった。

事実、数年前の同日には京都市街でも積雪が見られた――。

そんな3月の初日。今年は、今季の暖冬傾向との関連か、朝こそ冷えたが昼には15度を超すような温暖となった。

本来は、また山へ鍛錬に行きたかったが、雪が無いのと、昨日の雨で足下が悪いため中止し、代わりに午後から出向く知己の個展会場に徒歩で出掛けることにした。

色々と番狂わせな気候であったが、本来ならまだ厳しい時季。因って街歩きや催事参観には良い事機となった。


上掲写真 本日夕方訪れた、知己の個展会場「eN arts(エンアーツ。画廊)」の玄関石畳と、その一部を彩る緑鮮やかな苔。ここにも春の先取りが感じられる。そういえば、そろそろ柳が芽吹く時期でもあった。


閑散とする京都・円山公園(2020年3月1日)

さて、鍛錬代わりに家から数十分歩いて京都市街東部の祇園・円山公園に着く。目指すギャラリーはその園内にあった。

写真は老舗料理屋が軒を連ねる園内の様子であるが、休日にもかかわらず、春の如き陽気にもかかわらず、人気(ひとけ)が無かった。

2年前に来た時は、白タクワゴン車乗りの中国人観光客等で賑わっていたが、取締りや肺炎の影響か、一掃の観となっていた。

これも、一種、諸行無常の有様か……。


京都祇園のギャラリー「eN arts(エンアーツ)」の外観
そして、園内の道路と苔むす石畳で接する、画廊「eN arts(エンアーツ)」に到着。ここも古い料亭を改装して設けられたギャラリーであった


京都祇園のギャラリー、eN artsの壁際に飾られた白子勝之の木片作品
ギャラリー「eN arts」に入り、その壁際で出会った白子作品。小木片を加工したもので、前回の展示でも同様を見たが、今回のものはさて如何……

白子勝之個展「exhibition 9」

知己である個展の主は白子勝之君。漆芸を基盤とする造形作家で、2年前もここで開かれた個展「exhibition 8」を参観させてもらったが、今回は「exhibition 9」という名で開かれていた。

展示は2月半ばから行われており、実は今日が最終日。本来はもっと早くに来たかったのだが、所用や本人の在廊と合わず、最後となってしまった。

画廊奥で接客していた白子君と挨拶を交わし、遅延を詫びる。彼は快く歓迎と感謝を示し、そして接客等をこなしつつ、また丁寧に案内してくれることとなった。


京都祇園のギャラリー「eN arts」で開かれていた白子勝之個展「exhibition 9」の様子
ギャラリーeN artsで開かれていた白子勝之個展「exhibition 9」の様子。木片作品と、ある状態の作品を瞬時かつ意図的に記録した写真作品があった


漆芸作品と生花を併せて撮影した写真を額装した白子勝之の作品
写真作品のなかで、個人的に主要作かと思われたもの。広い壁面に1点のみ展示されていた。因みに額も白子君の製作という。また、マットを二重にして奥行を得るというユニークな見せ方も彼の創作であった


漆芸作品と生花を併せて撮影した写真を額装した白子勝之の作品
前掲の作品を拡大

艶やかな漆芸作品と妖艶な生花を併せて、その一瞬・一視点を写真で固定し作品化したものという。

その他の写真作品も今回この意図により作られていた。いわば、人為作品と自然造形の競演と融合を捉えたライブ的作品であった。

生花類は撮影時に入手可能なものの様々から取捨選択されたという労作。人為作品には漆の他、胡粉のものもあった。


白子展のもう一つの作品種、木片作品
今回の白子展のもう一つの作品種、木片作品

シンプルな角柱の一部に虫食いや洞(うろ)を想わせる欠損加工を施し、「失われた形」に思いを馳せるようにした作品という。

その為、樹種は主に木目が穏やかな朴(ほお)が使われ、塗装も省かれているとのこと。木目や表面の艶やかさを魅せる前回出展の木片作品とは、全く異なる意図で作られたものであった。

しかし、その「失われた形」は、やはり艶やかさ、滑らかさを想わせ、漆芸を根源とする白子君らしい表現となっていた。


漆芸作品と生花を競演させる白子勝之の写真作品
漆芸作品と生花の競演作品。天然美に負けない、白子君の麗しい黒漆の出来栄え、技量に改めて感心

内容濃い鑑賞に感謝

作品はこの他、茶室と地下の暗室に飾られた、漆や胡粉の作品と生花(葉)を併せた実体作品があったが、記録しないこの場限りの作品という説明を受けたため、撮影は止めた。

今回も良い作品を見せてもらった。会期が今日までのため、参観の仲介が出来なかったのは悔やまれるが、個人的には内容濃い良き鑑賞となった。

白子君、有難う。お疲れ様でした!


※作品作者・関係者より、撮影・WEB公開承認済。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 催事(友人其他)