2021年07月22日

疫祭半開

祇園祭の山鉾の一つ「鯉山」の閉ざされた会所入口と、そこに貼られた、席飾り非公開の貼紙

2年ぶりの半開催へ

先日17日に長い梅雨が明けたが、その日は彼の祇園祭の巡行日であった。

その数日前から各鉾町の路上に設置された山鉾が、街を巡ったのち解体され、また仕舞われるという祭の山場である。以前から「梅雨は巡行まで」と地元で言い習わされてきたが、今年は正にその通りとなった。

ただ、梅雨入りが5月16日という、驚くべき早さだったため、その期間が2カ月以上も続くという記録的長さとなった。

今年もコロナ禍継続の時世により巡行は取り止めとなったが、囃子や造作等の技術伝承のため幾つかの保存会が山鉾を建てていた。様子を見に行きたかったが、感染防止の参観自粛が報じられていたため断念した。

しかし、17日で片付けられたのは前祭(さきまつり)であり、24日を巡行日とした後祭(あとまつり)が残っていた。後祭には玄関に飾った除災粽(ちまき)の授与元の山が建てられており、2年ぶりの粽交換を行うため今日出掛けることとなった。

参観自粛中ながら、地元向けに、粽や護符等の授与は行われていたのである。ただ、それはあくまでも最小限の規模であり、各山鉾の根拠施設「会所(かいしょ)」での御神体・宝物等の参拝・観覧は中止されていた。

つまり、巡行中止の件も含め、全てが中止された去年とは異なり、今年の祇園祭は「半開」的開催となっていたのである。


上掲写真 技術伝承等の事情により山建てを行った山鉾の一つ「鯉山(こいやま)」の閉ざされた会所入口と、そこに貼られた、神像や宝物の参拝・観覧の中止を知らせる「席飾り」非公開の貼紙。左上部には山特製の厄除粽が飾られている。


午前中からかなりの暑さに見舞われる、夏空下の京都市街と賀茂川(鴨川)
午前中からかなりの暑さに見舞われる夏空下の京都市街と賀茂川(鴨川)

予想通り梅雨明け直後から気温が上昇し、連日猛暑日の暑さとなっていたので、比較的涼しい午前に鉾町へと出掛けた。しかし、授与所の開所時間の関係上、あまり早く出られなかったため、かなりの暑さに見舞われる。

ただ、日陰はまだ涼しさがあったので、午後よりは、かなりマシな状況ではあった。


京都市街中心部の御池通から室町通を南下して現れた祇園祭後祭の山鉾「役行者山」

祝日の所為もあるのか、市街中心部の御池通や烏丸(からすま)通等は少なからぬ人出でざわついている観があった。そして、やがて見えてきたのが、写真の如く、小路只中に建てられた山鉾(役行者山)であった。

自分で見るまでは半信半疑であったが、現場を目にして少々安堵。人出が比較的少なめな後祭の、宵々山(よいよいやま。巡行2日前)午前なので、混雑はなかったが、地元以外の遊山客の姿も少なからず見られた。

なお、市街中心のここまでは、山行用等の歩行・耐暑鍛錬を兼ね歩いて行ったが、寄り道しつつも、1時間程で着いた。


令和3年、室町通に設置された祇園祭後祭の山鉾「役行者山」
室町通に設置された役行者山(えんのぎょうじゃやま)


令和3年、室町通上に建てられた祇園祭後祭の山鉾「鯉山」
役行者山の南にあり、同じく室町通上に建てられた鯉山


入口が閉ざされた祇園祭後祭の山鉾「鯉山」の会所付近
室町通に面した鯉山の会所付近。土塀に縦穴が並ぶ、古い「虫籠(むしこ)」窓の下に、上掲の閉ざされた扉と非公開の貼紙が見える


新町通に建てられた令和3年の南観音山

そして目的の会所にて、古い粽を回収箱に入れ、新たな粽を購入。

いつもは仕事関係のお客さんから頂くので自分で買ったことはなく、今回も進呈の申し出があったが、コロナに因り何時会えるか判らず、また、ささやかな応援がてら買わせてもらうことにした。

帰路参観

こうして粽の用も終り、早速帰ることとなったが、折角なので、帰路通るその他の鉾町も見ながら戻ることにした。

写真は、室町通一本西の新町通に建てられていた南観音山。囃子方等が搭乗可能な高い櫓と屋根を持つ、「鉾」に準じる大型の「曳山」で、軍艦に例えると、戦艦の次に大きな巡洋艦のような存在か。


巡行は中止ながら華やかな懸装品で飾られた令和3年の南観音山
南観音山には例年同様、華やかな懸装品が飾られていた。会所の二階から伸びる搭乗用の構造も見え、一般参観も行われていた。正に艦船の如し


新町通に建てられた令和3年の北観音山
こちらは南観音山の北隣、同じく新町通に建てられた北観音山。同様に大型の曳山である


巡行は中止ながら華やかな懸装品で飾られた令和3年の北観音山
豪華絢爛な北観音山の懸装品。正に「動く美術館」


巡行は中止ながら道上に設置された令和3年の八幡山
最後は北観音山の北隣で、同じく新町通に建てられた八幡山(はちまんやま)。懸装品は仕舞われたままのようである。しかし、ほぼ全ての山鉾画像に高層建築が写り込んでいる。伝統景観の崩壊か。困ったものである

ついでの短時参観に思う

さて八幡山を最後に鉾町を後にした。また1時間かけて帰宅したが、気温上昇のため暑さに身を焼かれることに。飲料持参を忘れたことも辛かった。

ただ、風雨日射等で傷んでいた粽を交換することが出来て良かった。また短時間ながら山鉾の健在を見ることが出来、嬉しく思われた。

今回は比較的空いていたが、夜、市街中心をバスで通った知人によると、いつにない混雑ぶりに驚いたという。またもコロナ再拡大が懸念される昨今、大丈夫なのであろうか。

実は、個人的には、変異株拡大とワクチン供給の遅れ(接種3回化等の影響)により、コロナ禍は今年で終らず来年も継続するとみている。

世の中の正常化と共に、完全な祭への早い復帰も望みたいが、一体どうなるのやら……。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記