2023年03月25日

霾下早桜

京都・銀閣寺道付近の琵琶湖疏水分線・哲学の道に植えられた満開の関雪桜と、黄砂に煙る大文字山

最早満開翌日

存知の通り、今年は3月の第1週を過ぎてから全国的に気温が急上昇した。

ここ京都市街でも同じ傾向どころか、25度程に達する日が2度も現れるなど、氷雪の冬から唐突に春もしくは初夏が来たような急変に見舞われた。

お蔭で、3月上旬に予定していた北陸の奥山行も、雪の状態悪化の危険に因り、中止せざるを得なくなった。

そして、その気候急変は、そのまま桜の開花記録の更新にも繋がった。

去る3月17日に、京都地方気象台が観測史上2番目に早い開花宣言を出して以来、市内各所で一気に咲き進み、昨24日に観測史上最早の満開が宣言されたのである。

春が来るのは悪いことではなく、多くの人が待ちわびることだが、これ程の急転回は、何やら気ぜわしく思われたのは私だけではあるまい。

しかし、とまれ花は咲き季節は進んだ。締めを欠いた冬山行への諦めと、その道具の仕舞いを想いつつ、近所の花具合でも観察することにした。

写真は、その際観歩いた銀閣寺参道下は琵琶湖疏水分線沿いの桜。所謂「哲学の道」とも呼ばれる土手沿いに植えられた、近代京都画壇の重鎮、橋本関雪が寄贈したとされる「関雪桜」の花並木である。

確かに、ここに限らず「哲学の道」の桜は満開といってよい咲き具合。しかし、曇天並びに濃い黄砂により、生憎の光線具合に。花の背後に霞む大文字山の姿にも、その異様が窺えるだろう。

降雨予報のない単なる曇天かと思い今朝洗濯をしたが、失敗であった。最近は黄砂より花粉ばかり報道されるので、確り報せて欲しいと思った。

内陸乾燥地で濃縮・堆積した農薬や化学肥料等を含む可能性がある黄砂も、花粉以上に、人体に影響を与える恐れがあるからである。


銀閣寺西橋から見た琵琶湖疏水分線・哲学の道の関雪桜
前掲とは逆側から撮った写真。3日前の夕方には大して花は無かったのに、今朝は驚きのこの咲きぶりであった。満開時期だけでなく、この急進捗も観測史上最早の事態かと思われた


京都・北野天満宮紅梅殿横の枝垂桜
さて、今日は週末ながら25日だったので、午後から毎月恒例の北野の天神市へと向かう。しかし気づいたのが遅く、出遅れた為、既に店じまいの露店も多く、目ぼしい物も見られなかった。仕方なく、天満宮の参拝ついでに境内の花等を観覧した


いつもより花見の集団が少ない、京都賀茂川(鴨川)・出町柳付近の桜並木
天満宮のあとは、また市街東の左京区方面に戻り、各所の桜を観る。これは出町柳(でまちやなぎ)駅付近の賀茂川(鴨川)の様子。対岸(西岸)に桜並木があるが、ここは市内屈指の花見繁盛地。しかし、今日は週末にもかかわらず、花見客らの集団が少ない。あまりに開花が早すぎて、新歓等を兼ねた学生や社会人たちが集まりにくいためか


京都賀茂川傍の川端通から見た、琵琶湖疏水と冷泉通の桜並木
出町柳からは賀茂河畔を南下し、川と琵琶湖疏水が接する場所へ。殆ど観光客が来ないここには、見応えあるこの長大な桜並木があった。例年見事な姿が見られるが、今日はまだ満開に届いていない雰囲気である。そういえば、賀茂河畔の桜もそうで、本来山際で開花が遅い「哲学の道」の方が早いという、珍しい逆転が生じていた


黄砂にけむる東山を背にして京都・岡崎地区を流れる琵琶湖疏水と桜並木
賀茂川を離れ疏水沿いをひたに東行し、やがて図書館や美術館等が連なる岡崎地区に達した。ここの桜もまだ満開に届かず。やはり今年の哲学の道辺りは特別なのか。それにしても黄砂が酷い。午後から益々濃くなったように感じられた。喉等の身体影響を案じつつ、一先ず帰宅することにした

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記