2025年05月30日

晦日蛍火

疏水分線の暗い水面上に、彗星の如く光線を曳き飛ぶ、ゲンジボタル

人出に気づかされる風物詩

5月もはや晦日(みそか。月末)前日に。

日の入り後、暫しして辺りが暗くなってきた頃、偶々歩いていた疏水分線沿いの「哲学の道」に、他所人らしき男女や、何やら橋上にて待つような人々を見た。

そうである――。

5月下旬といえば、ここの天然記念物・ゲンジボタルが舞い始める時期であった。何処かそわそわとした他所人たちは、その見物客に違いない。

一旦帰宅し、夜に再度出かけると、暗い水面(みなも)に光の筋が……。

場所は限られており、その数も多くはなかったが、確実に蛍の飛翔を見ることが出来た。


上掲写真 琵琶湖疏水分線の暗い水面上に、彗星の如く光線を曳き飛ぶ、ゲンジボタル(左下)。


京都哲学の道の橋上の見物客・撮影者の前を飛び舞う蛍
橋上の見物客・撮影者の前を飛び舞う蛍

今年もまたそんな時期になったのか……。奇しくも、その見物客に教えられたのであった。

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2025年05月16日

晩餐時事

硝子装飾が舞う、京都市内の老舗ホテルの吹き抜けロビー二階部分

珍しき場所へ

煌びやかなガラスオブジェが無数に舞う華やかな空間――。

写真に見るそこは、京都市内のとある老舗ホテルの吹き抜けロビーであった。最近特に行くことがないような場所だったが、今日は一食馳走になる関係で出向いた。

誘われたのは館内レストランでの夕食。所謂ディナーである。罹災以来、余所行き衣装の復旧が果たせぬままだったので当初戸惑ったが、自選・自取方式の所謂ビュッフェ・スタイルだったので気安い参加がかなった。


京都市内の老舗ホテルのビュッフェディナーで選び取ったホテルオリジナルブレンドの白飯と白ワイン等

脇役の存在感に時事思う

レストランでは、正に目移りが止まらぬなか、様々な料理を頂いたが、一番感銘を受けたのは、なんと写真の白飯であった。

なんでも、有名卸店によるホテル専用のオリジナルブレンド米を使ったものらしく、実際美味であった。本来晩餐では脇役的存在ながら、米穀稀少・高騰の折なので、特に有難く感じられたのは言うまでもない。

日頃米を食すが、個人的にさしたる拘りはなく、これまで品質妥当で安価なものを都度調達していた。しかし、存知の通り昨今はそんな普通だったものでも入手が難しく、仮に見かけたとしても数倍の高値になっていた。

原因は様々あろうが、政府が初動対応に失敗したのは明らかで、更に備蓄米も価格や販売時期に条件を付けないという、とんでもない方法で放出した所為で、更に市場の焦燥を煽る事態と化している。

当初は買い占めが原因との見解を政府も出しており、その後「調査したが結局解らなかった」とお茶を濁した。全て解明できなくともある程度の傾向は掴める筈と思うので何かに忖度しているのかと疑わざるを得ない。

実際、備蓄米放出が具体化した先月、一時値の下がった米が出回り、自分でも確保が叶った(まあ、それでも去年の倍額だが)。つまり、売り惜しみが行われており、その筋が一時動揺して放出したと思われるのである。

報道では既に今年の新米買い付けが加熱しており、かなりの高値になっているという。今後政府の無策が続き、事態が改善されないのであれば、今の蓄えが尽きた時点で、不買行動に入りたいと思う。なに、麺類を活用するか、饅頭(マントウ)でも作って凌げばよいのである。

単独でそんなことをするのは無意味な行為と思われるかもしれないが、これも国民の意思表示であり、抵抗の一歩。同じく、政を疎かにしてきた者、何かとの癒着が疑われる者共の落選を選挙で示さなければならない。

いつまでも庶民をなめるんじゃない。

馳走御礼
来月以降の世相や如何


さて、美味しい白飯の登場で大いに話が脱線したが、諸々有難く味わい、ホテルをあとにした。

5月半ばというのに既に夏日が続き、今晩も上着なしの陽気。来月からの梅雨入り・夏入りを案じるが、果たして世の状況もどうなるのか。

米価及びその他の物価・関税・戦争等の諸々のことである。

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2025年05月05日

山而蜘蛛

新緑や花が鮮やかな春山への道

またしても山、そして……

昨日野営会を終えたばかりだったが、今朝また山に行くこととなった。それは、初心者の知人に以前から頼まれていた裏山への同行であった。

野営道具の片付けがあったため遅くなったが、一先ず出発。


上掲写真 新緑や花が鮮やかな春山へと続く道。

注意!下段に小動物画像あり。

この時期らしい爽やかな、京都東山山中の森なかの滝
山中の滝。この時期らしい、乾燥した爽やかな森をゆく。初心者に合わせ、ゆるりと進んで先に頂を踏んでから、更に奥にも縦走し、下山した。


夜分、突如居間に現れた絶滅危惧動物・ヒトエグモ
夜分、突如居間に現れた謎の動体

不意の出現に奥深さ感じる

下山後は野営会の片付けをまた再開しつつ山中で採取した野生茶の新芽処理も行った。即ち、手揉み新茶作りである。

ところが、その途中、畳上に動くものが……。

最初はうちによくいるアシダカグモの子かと思ったが、何か違う。身体が異様に平たく、足が長いのである。

平たいといえば、昔大陸の砂漠でたかられた踏んでも死なないマダニを思い出し、一気に警戒し早急な退治を思ったが、やはり蜘蛛的な個体のため一先ず止めた(蜘蛛は害虫駆除の同盟者として普段から保護している)。

因って、一先ず気を落ち着かせ調べてみると、なんど、京都府のレッドデータブックに記載されている絶滅危惧種のヒトエグモという蜘蛛であることが判明した。

しかも、京都市東部(正に此処)を中心として生息する貴重種ともあった。なんでも、古い家や大木などに巣くうらしく、捕獲例が極めて少ないという。

退治しなくてよかった。うちの環境でどう生き永らえてきたか解らないが、変哲ない郊外町家の価値が増したように感じられた。

なお、山に住むという報告はないので、当初想像した茶葉に紛れてやってきた可能性はないと思われた。

とまれ、塵取りに移動してもらい、またの再会を期待して庭口近くに放した。たとえ見慣れた家のなかと雖も、油断していると色々なものと遭遇するものである。

出来上がったばかりの新茶を味わいつつ世の奥深さを感じたのであった。

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2025年05月04日

続2025春季野営会

雑木と砂地からなる、滋賀湖南山中の野営地の朝と雲ある空

二日目は暑い朝から

令和7年春季野営会2日目。

昨晩、予報通り低気圧が来たが、パラパラと降っただけの軽微なものに終った。そのため、問題なく焚火を囲み遅くまで語らうことが出来た。差入れの、美味しい洋酒と共に……。

今朝は比較的遅くまで寝たが、それでも陽の暑さにより途中で目を覚まさせられた。昨晩は温暖な気温予報だったが、夜半寒くなり、上着を足したのとは対照的な朝であった。


上掲写真 雑木と砂地からなる野営地の朝。明け方から快晴になる予報だったが、実際は昨日より雲が多い日となった。


砂上を緩やかに水が流れる、滋賀湖南山中の沢
砂上を緩やかに水が流れる山中の沢

朝食は参加者の意見を採り入れ、バゲット(仏蘭西麺麭)に腸詰や目玉焼・野菜等を挟む方式に。

残念ながら、食べ難いものになったが、味は良いので、更なる工夫に期待したいと思った。

怪しい野営者

ところで、午前遅く成人女子二人組と、そのあとから彼女らの両親と思われる初老二人組が現れ、野営地すぐ後ろで滞留を始めた。

居場所は幾らでもある広い地だったので怪訝に思うと、今度は我々の天幕や竃傍等を徘徊し始めた。挨拶も語りかけも何もなく……。

道筋ではない私的な場所をジロジロ見廻る様に、不気味さというか、無神経さを覚え怒りさえ感じた。皆の貴重品等もあった為である。

コロナ禍期に一時おかしな入山者が増え、その後いなくなったので、安堵していたが、まだいたのか。

便所紙や汚物を巻き散らされた往時を思い出し嫌な気分になったが、こちらの警戒を察したのか、その後来なくなったので構わないことにした。

その後、我々の昼食中に荷を纏めて彼方に去り、そこで野営準備をするのが見えた。どうやら近接と徘徊で圧力をかけつつ我々が退くのを待っていたようだが、諦めたらしい。

こんな無礼者に山や自然への配慮出来る訳がないので、事後を案じたが、今は仕方なし。


野営地を撤収して下山する野営会一行
野営地を撤収して下山する野営会一行。荷を一部前付けして足下が見えずに難儀する初心者がいるが、途中で後方への装着を手伝い、解決

朝昼ゆったり過ごし撤収

朝食後は参加者各々ゆったりと過ごし、その後、昼食に。昨日の鍋や白飯の残りを主として、食材の余りを減らす具材豊富な食事となった。

そして、その後もまたゆったり過ごしたのちに撤収作業を始め、夕方無事下山したのである。

皆さん、お疲れ様でした。今春も楽しい場を有難う!


2025年春野営会1日目はこちら

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2025年05月03日

2025春季野営会

滋賀・湖南山中の岩々の先に覗く清冽な沢水

人減るも天気好転

黄金週間後半初日の今日、また恒例の野営会を開催。

希望していた東京組やちびっ子組が来られなくなり残念だったが、微妙だった天気予報も直前に好転し、良い開催日となった。

場所は、いつもの隣県滋賀南部。当地は、夜遅く低気圧が通過するとの予報があったが、対策すれば問題ないと思われた。


上掲写真 湖南山中の岩々の先に覗く清冽な沢水。


滋賀湖南山中の野営地に並ぶテント
駅や麓で合流し、食材を調達して野営地着。先ずは天幕を張った。一つ張れていないものがあるが、これは支柱忘れのため。以前も別の参加者で同様があったが、まあこれも経験。この絶望を次に活かしてもらいた(笑)。


滋賀南部山中での野営用、竃開きと祝杯用ビール
天幕張りの次は手分けしてインフラ整備。そして、ほぼ最後に竃が整うと、設営完了を独りビールで祝った(私個人の儀式的なもののため)


滋賀南部山中の野営地の日暮れ
その後、色々語り合ったりしていると日没に。焚火での食事と語らいの時間の始まりであった


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