2025年05月05日

山而蜘蛛

新緑や花が鮮やかな春山への道

またしても山、そして……

昨日野営会を終えたばかりだったが、今朝また山に行くこととなった。それは、初心者の知人に以前から頼まれていた裏山への同行であった。

野営道具の片付けがあったため遅くなったが、一先ず出発。


上掲写真 新緑や花が鮮やかな春山へと続く道。

注意!下段に小動物画像あり。

この時期らしい爽やかな、京都東山山中の森なかの滝
山中の滝。この時期らしい、乾燥した爽やかな森をゆく。初心者に合わせ、ゆるりと進んで先に頂を踏んでから、更に奥にも縦走し、下山した。


夜分、突如居間に現れた絶滅危惧動物・ヒトエグモ
夜分、突如居間に現れた謎の動体

不意の出現に奥深さ感じる

下山後は野営会の片付けをまた再開しつつ山中で採取した野生茶の新芽処理も行った。即ち、手揉み新茶作りである。

ところが、その途中、畳上に動くものが……。

最初はうちによくいるアシダカグモの子かと思ったが、何か違う。身体が異様に平たく、足が長いのである。

平たいといえば、昔大陸の砂漠でたかられた踏んでも死なないマダニを思い出し、一気に警戒し早急な退治を思ったが、やはり蜘蛛的な個体のため一先ず止めた(蜘蛛は害虫駆除の同盟者として普段から保護している)。

因って、一先ず気を落ち着かせ調べてみると、なんど、京都府のレッドデータブックに記載されている絶滅危惧種のヒトエグモという蜘蛛であることが判明した。

しかも、京都市東部(正に此処)を中心として生息する貴重種ともあった。なんでも、古い家や大木などに巣くうらしく、捕獲例が極めて少ないという。

退治しなくてよかった。うちの環境でどう生き永らえてきたか解らないが、変哲ない郊外町家の価値が増したように感じられた。

なお、山に住むという報告はないので、当初想像した茶葉に紛れてやってきた可能性はないと思われた。

とまれ、塵取りに移動してもらい、またの再会を期待して庭口近くに放した。たとえ見慣れた家のなかと雖も、油断していると色々なものと遭遇するものである。

出来上がったばかりの新茶を味わいつつ世の奥深さを感じたのであった。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山会