2015年02月03日

節分無火

2015年の節分、夕闇迫る曇天に聳える京都市街東部・吉田神社大元宮の千木(鰹木)

吉田火炉祭
注連飾り処分に


今日は節分。近所の吉田社で恒例の火炉祭が開かれる日でもある。

この祭、別名「古札焼納祭」とも言われている通り、古い札や注連縄などを焼却処分する催しとなっている。全土的に言うところの、「左義長」や「どんど(焼)」に近いものといえば解り易いか。

それらとの違いは、餅を焼かないことや小正月とは無関係ということ。大寒と立春を隔てる節分は、どちらかというと旧暦正月(役割的には大晦日)と関連があり、そこで行われる火炉祭は、一新の気風ある神道における、年度切替え的な意味を持つと推測される。

共通するのは、通常の処分がし難い、神札等の形而上的価値を有するものの処分が可能な場ということか。どんどがなくなった、または出来なくなった我々都市住民にとっては、それらを正式に(?)処分できる貴重な機会であった。

為か、どんどがなく、火炉祭に持込み可能な吉田社周辺の住民は、その状況に合わせて(引きずられて?)か、注連飾りを節分まで飾る家も少なくない。

かくいう私も、正月飾りの処分という実用的機会として例年祭を利用させてもらっていた。そして、今日も仕事の合間に、それを持込みに出かけたのである。


上掲写真: 夕闇迫る曇天に聳える吉田社大元宮の千木(鰹木)。地域の一大行事開催日だが、残念ながら小雨降りかかる冷たい一日に。


恒例の節分行事「火炉祭」用の火炉の代りに紅白幕が巡らされた舞台状の設えある、京都市街東部・吉田神社境内

やはり火炉なし

平時には見られない露天が続く、賑やかな参道を過ぎ、吉田社に至る。

本殿前にある筈の火炉はやはりなく、紅白幕巡る舞台の如きものが設えられていた。写真の左手のものがそれである。実は、直前に火炉祭における火炉点火中止がアナウンスされていた。

報道等によると、京都市から環境問題(焼却灰の処理)に関する是正勧告があったらしい。しかし、費用等の問題で対応出来ず、急遽中止となったようである。

事前に知らされてはいたが、我々一般にとっての祭の主体を欠くこととなり、改めて残念に感じた。一応今年だけの処置とのことらしいが、来年以降も火炉復活は未定だという。

ただ、火炉はなくとも祭事は行われるらしく、注連飾りはいつも通りに受け取ってもらえた。一先ず、感謝。


京都・吉田神社境内で、火炉代りの舞台横に掲げられた、焼き納め中止を告げる看板
火炉の代りに設置された舞台横に掲げられた、焼き納め中止を告げる看板

冬日の華やぎ。復活を

午後11時から点火され、盛大な炎を観ることが出来る火炉祭。市街で行われる行事としては珍しいものであるが、注連飾りの処分場以外に、地元にとってはまた違う価値を有している。

宵の寒を払う強力な残り火で暖をとりつつ、近所同士で交流したり、年越し行事宜しく若者らが宴を開いたり……。

露店もこれが為に遅くまで開いている感があり、閉じこもりがちな冬日に於ける、華やぎ創出に一役も二役も買っている。

社家筋から聞いた話によると、そもそも火炉祭自体はさほど古い行事ではないらしいが、こんな事情もあって、復活が望まれる。色々な事情・情勢変化があって当然だと思うが、そこを何とか……。


2015年節分夕方、京都市街東部・吉田神社の祭露店が並ぶ参道を練り歩く鬼と稚児の行列
本殿からの帰途、参道にて境内を練り歩く鬼の行列と遭遇。後ろに控える御稚児さんらの唄声が清涼かつ可愛い


節分祭により特別に拝観できた京都・吉田神社の根本殿堂「大元宮」
吉田神道の根元殿堂「大元宮」(だいげんぐう。本来は濁らず読む)。紫禁城の前身やモンゴル語でいうダヤン・オルダのことではない(笑)

注連飾りを預けた後、諸殿に詣で、退散。

夜は用があり、代替の火炉祭を見ることは出来なかったが、参観した原住民(私はただの現地人)に訊いたところ、やはり暖がとれずに早々のお開きとなる、残念で寂しい状況だったらしい。

例年社殿で祈祷受付もこなす市議のSさん、何とかなりませんかね……。


節分祭により特別に拝観できた京都・吉田神社大元宮の飾り金具輝く赤い塗階段
飾り金具輝く大元宮の塗階段。のっけから暗い画が多かったので、口直しとして

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記
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