
まさか、未明の大風
野営会初日の昨晩、夜の飲食と語らいを楽しんで就寝したが、夜中から大風が吹き始めた。
就寝前も若干風があったが、予想外の出来事で、樹々のざわめきが大きく、眠り難い。何か、荒れた波涛を思わせるもので、落ち着かないというか、本能的に危険すら感じさせるものであった。
一応、炉は鎮火を見届け、石で風を遮断していたが、とにかく山全体が乾燥しており心配なので、確認に出た。
野営地は高所にあるが四囲を稜線で囲まれている。その為、稜線辺りの樹々が最も騒いでいた。ただ、後には風は低く吹き降ろし始め、テントをも揺らし始めたのである。
新機材のテストとはいえ、昨夜抜かりなく張り綱を施して良かった――。
大荒れ予報により撤収決定
そんな状態で朝を迎える。皆睡眠不足となったことは同じであった。そして、朝になっても風は強く、時折危険を感じさせるほどのものも襲来した。
雨は今晩まで降らないとのことだが、これでは火が使えない。今後どうするか……。電波が届く場所まで移動して最新の予報を確認する。
結果は、大風注意報が出ており、それが長時続き、更に暴風雨の注意も出されていた。よって、協議の結果、本日夕方までに撤収することとしたのである。
残念だが、致し方あるまい。
朝食は火を使わない非常用のパンを食す提案が出たが、炉を組み換え、慎重に小火を起こして最小限の炊事を行うこととした。
これにより、暖かい飲み物と食材の最低限の整理が出来たのであった。
上掲写真: 動きは捉えられなかったが、不穏な雰囲気漂う稜線の樹々。

白飯と色々煮とトンテキ。食材整理のため豪華な朝食に
中途参加&撤収手伝いさん合流
炉は森側片方を塞ぎ、最小限の火で調理を行う。傍に砂山と水を備えて、である。
その後の観察で、これ以上の風の悪化は見られなかった為、撤収までゆっくり過ごすこととした。そして、午後遅くに再度の食材整理を兼ねた食事をとって撤収準備を開始。
途中、中途参加兼撤収手伝いの人が合流し、片しつつ語らう。彼の情報でも、今晩は大雨が降り危険という。

中途参加氏の差入れ「鰌鮨(どじょうずし)」。湖国名物「鮒鮨」同様の珍味
早まった雨をすんでに避け下山
野営地を撤収し、下山すると同時に雨も降り始めた。予報が早まったようである。とまれ、セーフ。
登山口からは有難くも中途参加氏の車両に乗せてもらって駅まで。バスとは違い、素早い帰京が叶ったのであった。
因みに、列車を待つホームに東海道線を通らない筈の北陸方面からの特急が通過。どうやら、湖西線が風で不通となり、迂回しているようであった。
とまれ、皆さんお疲れ様、今回は残念となったが、また次回!