2016年09月06日

初秋華展

京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で始まった来田猛写真展「光の輪郭」の壁面作品を下から撮影

秋一番の華やぎへ

8月の終り。

透明な樹脂封筒で仕立てられた瀟洒な郵便物を受け取った。中身は、丁寧に製された写真入りポストカードが数枚。

差出人は、友人で若手写真家の来田猛(ころだ・たける)君。ポストカードの写真は彼の作品であり、即ち個展の案内状であった。

封筒の中には、これまた丁寧な、和紙に手書きの手紙が同封されていた。

花見の招待状でさえ、丁寧かつ完成度が高い、彼らしい配慮。手にした我々もまた、秋一番に開催されるその気概を受け、華やかな気持ちさせられる。

何でも、個展としては実に12年ぶりの開催だという。きっと慎重・抜かりない彼のこと、満を持しての開催なのであろう。

今日は、その開催初日。楽しみにしていた参観の日となったのである。


上掲写真: ギャラリー・アートスペース虹にて本日から始まった、来田猛個展「光の輪郭」一景。写真家本人から、「随分変わった位置から撮りますね」と、呆れられた、ひねくれショット(笑)。


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」の前に置かれた、来田猛写真展「光の輪郭」の案内板
「アートスペース虹」前に置かれた来田展の案内板

本当は、もう少し早い時間、空いている頃に行きたかったのだが、暑さ等のため断念。

月初に一瞬涼しくなったが、結局34度前後の高温と熱帯夜気候が続いている。一体いつまで続くのやら……。

さて、会場のギャラリーは、京都市街東部の蹴上(けあげ)近く。三条通南縁にある、美術関係者には知られた店であった。

そして、漸く西日が衰えた夕方に、そこを訪問。初めてではないが、こうして知人の主催だと、気持ちもまた改まるのであった。


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で開かれた来田猛写真展「光の輪郭」の、「順路の始め」とされた扉付近の展示
一応の「順路の始め」という、扉付近の展示

華麗な前展とは違う「自身の表現」

平日だから空いているかと思えば、既に来田君は接客中であった。

扉を開ける前に目が合い(笑)、挨拶して入場。実は、差入れを買う前に通向こうから様子を見た際も既に複数の先客がいた。どうやら、切れ目なく接客しているようであった。

それでも、その合間に丁寧な応対をしてもらえた。

展示スペースは1室で、さほど広くないものであったが、本人曰く「それも計算の上」とのこと。前回のコラボ展の大作・華麗さと売って変わった様子だが、これが、ここでそして今すべき自分の表現・展示なのだという。

展示される写真作品も、比較的小さなものが多かったが、これも「必要な大きさを突きつめた上」とのことであった。


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で開かれた来田猛個展「光の輪郭」の、額装や板敷で関連配置された写真作品
必要に応じて額装・板敷にされ、また関連配置された来田作品

具象と抽象の境界で光知覚

今回のテーマは「写された断片的なイメージを通して、そこはかとない光の姿を見出す」ことという。

以前感銘を受けた、黒の漆芸作品を光の反射で表した「線という形 闇という色」展に通じるように感じられたが、今回は水辺や植物等をそのまま捉えた、より具象的なもの。

とはいえ「断片的」なので、ともすれば、その実体に対する知覚すら危うく感じられるものもあった。ただ、作家曰く、鑑賞者の視座を完全に失わせないよう、必ず他の具象体が入れられているという。

実体が持つ具象と抽象の境界で、普段意識し難い光を知覚させる、ということであろうか――。

光の姿を明示しないようにも見える一連の作品は、どこか模糊として心象的にも感じられるが、厳しさや軽妙さ等といった、様々なものが含まれていた。

つまりは、心象を超越した、純粋美の追求がその本質か……。


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で開かれた来田猛個展「光の輪郭」で、お客さんの問いに応じる来田君
新たに訪れたお客さんの問いに応じる来田君


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で開かれた来田猛個展「光の輪郭」に展示された、モノクロ写真作品
モノクロ作品の展示

写真家の作品を撮影することは、どこか気がひけるので、近づいて撮ることが出来なかった。結果、魅力が伝わらない小さな画像ばかりとなり、申し訳ない限り。

是非、現場に行って様々な作品を体感してもらいたい。来田猛個展「光の輪郭」は、東山区蹴上のアートスペース虹にて、9月11日までの開催である。


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で開かれた来田猛個展「光の輪郭」で撮った、案内状作品と男前作家の記念撮影
最近のお約束?案内状作品と男前作家の記念撮影(笑)


9月10日追記

画廊がうちの近所であることをいいことに、明るい昼間に再訪。

特に気になった2つの展示作品を撮影させてもらい、以下に改めて紹介する。共に、強く印象に残った作品。


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で開かれた来田猛個展「光の輪郭」で展示された、琵琶湖内湖の水面に群集する蓮茎ある作品
光る内湖の水面(みなも)に群集する蓮茎

直線的な茎の姿・影が、淡い光を際立たせる。奇しくも、今年起こった琵琶湖での蓮枯れ現象をとらえた、記録的な作品。


京都蹴上のギャラリー「アートスペース虹」で開かれた来田猛個展「光の輪郭」で展示された、滝壺に注ぐ水塊を写した作品
強い陽射しを反す滝壺に注ぐ水塊

作家曰く、躍動する流水の姿を止めてみたかったことがそもそもの動機という。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 催事(友人其他)
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