2016年10月09日
久観巡行
大津祭巡行へ
何かと慌ただしく動いた前夜の終盤に観賞した大津祭「宵宮」。
今日は、その曳山の巡行、つまり祭の山場があった為、その参観に出かけることとなった。
宵宮見学は数年ぶりであったが、巡行はかなり久しい。今回は友人らの案内役を兼ねて楽しみに臨んだ。
上掲写真: 大津祭の中核的存在で、巡行の先頭も務める「西行桜狸山(さいぎょうざくら・たぬきやま)」の絡繰(からくり)人形。西行と問答する桜の仙人らしく、桜花の枝先に進み出て、くるりと背を向けてまた奥へと隠れる。
囃子方の演奏と共に巡行する大津祭の曳山
友人らと11時に大津駅で待ち合わせて、一先ず旧市街の中心・天孫神社へ向かう。祭礼の主体はこの神社の為である。
露店ひしめく境内で、また別の友人と遭い、暫し同伴。巡行は9時半から始まっているが、先ずは湖岸の屋台会場で昼食を摂る予定だった為、中心大路を下り、そこを目指す。
しかし、途中昼休憩の為に曳山が大路に集まってきたので、暫し見学。写真は先陣を切って現れた西行桜狸山。前夜とは異なり、囃子方の衣装は紋付の正装風で、演奏も落ち着いた雅なものであった。
埋立地も湖岸も祭風情に包まれる
湖岸へ向かう途中、写真のような神事の列が現れた。天孫神社の獅子頭(写真右端)等の祭列で、氏子域を清める神輿の一種であろうか。
興味深いのが、曳山が巡る旧市街から昭和に造成された埋立地まで巡行していたこと。拡張された氏子域を新たに巡るようになったのか。
湖岸ではこの時期珍しい曇天の所為か、風も強く、肌寒さが感じられたが、様々な露店料理を楽しむ。人出も多く、大津の町全体が祭り風情に包まれているようであった。
中心大路に集結した大津祭曳山
混んでも見易い大津祭
食後、中心大路に戻り、午後の巡行を始めた曳山の見学を開始。巡行路を先回りして、一台ずつ絡繰や装飾品を観賞する算段であった。
大津祭の曳山は全13台。その全てに絡繰が備えられており、これを観るのも大きな楽しみであった。以前と比べて人出が多かったが、幾つも実演場所がある為、空いている場所を選ぶことが出来る至便性も、この祭の特徴。
変貌する旧市街を進む修繕・新調懸装された西行桜狸山
新調・修繕進み少々寂し
再出発地点である中心大路近くは混んでいた為、実演場所を特定して待ち構えることにした。それでも混雑はしていたが、何とか全曳山とその絡繰を観賞することが出来た。
久々に観た印象としては、祇園祭と同じく、急速に装飾の新調や曳山の修復が進んでいたことが挙げられる。悪いことではないが、期待していた昔風情が薄まり、少々寂しく感じられた。
初めて大津祭を観た20年前は、全曳山200年前そのままのような姿だったからである。
また、木造町家が多かった街の姿が変貌していることも残念に思われた。
西行桜狸山頂に飾られた狸飾り。狸は大津祭発祥に関る神聖なものだが、何処か剽軽さも
祭文化に浸る有意義な休日に
全山参観後、祭を後にして再度湖岸へ向かう。休息を兼ねて喫茶店にでも行くつもりであったが、既に陽も傾いてきたので、打上げ会に変更となった。
店を探しながら湖岸を散策し、やがて隣町の膳所(ぜぜ)に達し、そこで腰を落ち着ける。その後は遅くまで、皆で酒食や話を楽しんだのであった。
久々の参観で色々と思うことはあったが、濃厚な祭文化に浸った、有意義な休日を過ごすことが出来た。
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