
社家庭での花見&野点会
日曜の今日。東京在住の友人2人の上洛に合わせて、軽い花見と野点茶会を行う予定があった。
本来なら、桜もそろそろ終りの時期であるが、今年は開花が遅れた為、何とか体裁が整いそうである。
場所は、友の1人が京都に借りている市街北寄りの上賀茂の家。旧上賀茂神社神職住居である「社家(しゃけ)」の庭内にある元茶室の家で、花見はその屋外樹下で行う恒例的なものであった。
昨日と変わり、朝から好天に恵まれたので、早めにその風情に浸りたかったが(無論久方振りの友らとの語らいも)、ここ数日所用で時間を費やしたこともあり、13時過ぎまで仕事を進めることとなった。
その後、宴席用の買出しに行き、そのついでに前日知らされていた友人の出張骨董店に顔を出した。店を覗かせてもらうのは初めてだったが、素晴らしい品揃えで、小品を少々購入し、またお土産を貰った。その友人とも久しぶりだったので、お茶を頂き、骨董その他諸々の話を楽しんだ。
しかし花見が……。
我に返ってその場を辞し、一旦帰宅後、荷を持ち替え自転車にて上賀茂へと急ぐ。結局、着いたのは15時。まあ、野点人が15時半着予定だったので、遅刻ではないのだが……。
上掲写真: 桜の花弁に満ちた庭上にて、美味しい薄茶を点てる野点人。多忙にも拘わらず、わざわざの着物姿で登場。有難う!

花見・野点開催地の社家庭と枝垂桜
頃良い枝垂の花と共に
開始時間は決めていなかったが、集まりが遅かったので先着組は上賀茂神社へ散策に。よって、それに合流し、暫し参観を。時季の所為か、楼門等が修理中にも拘わらず、普段より多めの参拝者で賑わっていた。
その後、神社前で友人の知人らと合流し、皆で会場へ戻る。間もなく野点人も到着し、16時過ぎに宴席が開始された。
懸念された桜は、一般的な染井吉野(ソメイヨシノ)が既に散っていたが、写真の如く、枝垂桜が丁度良い具合であった。一先ず、有難い。これも、少しでも長く花を楽しむための古人の知恵、設えなのであろうか。

手際よく野点をこなす野点人(茶道歴10年以上)
茶会の導入は私の発案だが、今回の協力はコンロと鉄瓶の火力支援のみ(笑)。まあ、これも去年行った実験茶会の一環であった。

次の予定の為、薄茶賞味で花見仕舞いをする写真家氏ら
その後も友人親子が来てくれたりしたが、やがて次の用事のため帰る人達も。神社前で合流した写真家氏とその催事関係者氏らで、折角なので最後に薄茶でしめてもらった。
全市的な写真催事「京都国際写真祭(KYOTOGRAPHIE)」の参加者で、このあと打上げ的なものがあるとのこと。お疲れ様でした。

偶然適った友の差入れ茶菓子
最後は屋内で茶や菓子を
人が抜けたあと、暫し語らい、やがて日没に。暗くなる前に屋内に撤収し、片付けをしつつ、濃茶・薄茶を頂くことになった。
ここの借主の友人も今晩東京へ帰らねばならぬので、列車の時間を気にしつつ、手分けして片付け、また最後の茶や語らいを楽しんだ。
写真はその際食べた和菓子。昨日もう一人の東京の友人が市内で偶然求めたものであった。これからの季節らしい小豆菓子で、見た目もよく、実に美味であった。茶の心得が無いにも拘わらず、絶妙の差し入れである。
これは好物になるかもしれない。また自分でも買いに行こうかと思う。でかしたY一郎!(野点人持参の独自の手作り菓子も大変な美味であった)

これからの時季らしい、水もの風茶菓子「かも川」
心配するも無事終了
そして、予定時間丁度の20時前で片付けを終え、全員で退室。その後、帰る方向も近いので、皆で駅まで向かい、そこで東京組と別れて解散した。
当初、日時違いや連絡不良もあり心配したが、無事終えることが出来た。また、遅くからの開始となったが、内容濃い催しとすることも叶った。
ただ、連絡が遅れ、希望していたのに来られない人が出たことは申し訳ない限り。次の教訓とします。
それでは、皆さんお疲れ様でした……。