2017年04月23日

愛宕西登

京都・愛宕山の西方ルートの起点「水尾」集落の学校前の桜下より見た愛宕山稜線

今回の愛宕は西裏から

今日は春の山会(やまかい)日。いつもなら3月終りか梅雨前となるので、臨時的な開催であった。行先は、参加者の要望に応えて、京都市西方は愛宕山(924m)。

個人的にも、山会でも、お馴染みの場所だったので、今回は少し趣向を変えて、西方ルートを試すこととした。しかし、今日は折よく朝から素晴らしい天気。正に絶好の山日和である。


上掲写真: 愛宕山西方ルートの起点となる水尾(みずお)集落にて。昔、親から聞いた「村の小学校」的な学校前の桜下より愛宕稜線を見る。山並み中央の樹々の凹凸がわかるところが、稜線参道の神木並木。


左は保津峡の奈落、右は愛宕山塊の絶壁がある、京都・愛宕山登山の西方起点「水尾」集落へと向かう途中の車窓景

険路越え愛宕裏へ

愛宕山の西ルートは幾つかあるが、最も一般的で、京都市街からも近いのが「水尾道」であった。古より丹波亀山(亀岡)方面からの参道であったが、市街からは山向こうとなるので我々には馴染みが薄く、意外にも今回が初踏査となった。

西方ルートのなかでは京都市街から近いものとはいえ、水尾への道は府下名立たる険しさを誇る。写真は水尾への途上の車窓景。左は保津峡の奈落、右は愛宕山塊の絶壁であった。

今日は人数の関係から、2組に分かれて四輪分乗で向かうこととした。


京都・愛宕山西裏の集落「水尾」と背後の愛宕山
愛宕裏の集落・水尾

市街から約1時間にて愛宕山塊西南部にある水尾集落(中心部標高約250m)に到着した。

平地少ない谷あいの小集落だが、清和天皇縁の里で、柚の産地としても高名な場所であった。


京都・愛宕山西裏の集落「水尾」の道路際に立つ、江戸後期の愛宕山「水尾道」の道標

地区が運営する駐車場に車を停め、登山口へと向かう。

途中、主道の際に古い道標を見つけた。写真がそれで、愛宕山への案内柱であった。側面の紀年には「享和二年」の文字。200年以上前のものである。


京都・愛宕山西裏の集落「水尾」の学校前の枝垂桜を楽しむ参加者
水尾の学校前の桜を楽しむ参加者

愛宕山への道は集落の中心路ともなっていた。途中には懐かしい風情の小学校もあり、校門やその傍には美麗な枝垂桜も。山間で標高も高いので、市街より季節の進みが遅いようである。

時を逆巻きしてまた桜花を得た思い――。少々得した気分に。


京都・愛宕山西裏の集落「水尾」の登山口から愛宕山を目指して登山道を登り始める山会参加者

間もなくして家並が途切れ、登山口が現れた。写真はそこから登り始める山会一行。著名路とあって道は良く、結構な登坂ながらも足の負担等は少ないものであった。


京都・愛宕山西裏の集落「水尾」から続く登山道で参詣路の「水尾道」が表参道と合する「水尾別れ」で小休止する山会一行
水尾別れの三叉路

登坂1時間強にて「水尾別れ」に到着。水尾道と愛宕表参道との合流点である。それまで殆ど他人を見なかったが、ここからは所謂「銀座」状態で、実に多くの人と会した。


京都・愛宕山山頂にある愛宕神社参道の神木として残された、水尾別れ上方・表参道沿いの大木並木

水尾別れで暫し休息してから、表参道登坂を開始。写真の如く、参道の神木として残された大木の並木をひたに進む。


京都・愛宕山山頂にある愛宕神社直下の神宮寺跡平坦地で昼食休憩する山会一行
愛宕山上での昼食休憩

そして、山上着。駐車場を出て2時間強くらいであろうか。初心者や小さな子供がいたわりには、先ずまずのペースであった。

とまれ、山頂直下の神宮寺跡平坦地にて、昼食休憩をとることとした。


京都・愛宕山山頂にある愛宕神社直下の神宮寺跡平坦地から見えた、嵯峨野「広沢池」や京都市街
昼食休憩地より見えた下界の景。中央の池は嵯峨野・広沢池


京都・愛宕山山頂にある愛宕神社へ続く石段参道

ゆっくり昼食や珈琲を楽しんだ後、山頂の愛宕社に参詣する。写真は山頂社殿への階段。京都市街から愛宕山を観察すると、なだらかな稜線上に突き出た頭のような山容が見られるが、その山頂突き出しへの登路がこの階段であった。


京都・愛宕山山頂にある愛宕神社の本殿内
愛宕山頂上にある愛宕社本殿内

石段を登り、やがて社殿に。皆で参拝したり、お札を買ったりする。今日の下界気温は25度の夏日予想であったが、社殿の温度計は7度しかなかった。


京都・愛宕山の山上北からみた、京都市街や比叡山等の山並み

参拝後、再度石段を下り、山頂北方へと進んだ。木立の間から京都市街や周辺の山の景色が広がる。写真は市街東方、比叡山方面の眺め。


京都・愛宕山の山上東北からみた、京都北山と、雪残る滋賀県の比良山脈
こちらは北東方向、京都北山と滋賀比良山方面。比良山には残雪も見えた


京都・愛宕山の山上北方にある、砥石場の跡

途中、砥石場に立ち寄る。以前にも立ち寄ったことがあるが、今回は砥石の質の再確認。

やはり、原石はあるが、噂通り良いものはなく、掘り尽された観があった。


京都・愛宕山の山上北方にある、旧愛宕山スキー場跡の灌木林
山上にある愛宕スキー場跡

砥石場から更に進んで旧愛宕スキー場に。戦前開発されて戦中廃された幻のスキー場跡である。

標高900m弱、灰色の灌木枝が広がるばかりの、未だ冬山風情であった。


京都・愛宕山山上の表参道から見た、京都市街西部と蛇行する桂川(大堰川)
下山途上に見えた、蛇行する桂川

さて、行きつ止まりつしながら思いおもいに山上を楽しんだが、時刻は早16時に。

今日はこれにてお仕舞い――。為に、スキー場から折り返し、下山行程をとることとなった。


京都・愛宕山西裏「水尾」集落の登山口付近に建設されていた新堰堤
水尾登山口傍の新堰堤

水尾道お試し成功!

元来た道を辿り、17時半に無事水尾集落に帰着した。

今回の水尾道は、目論見通り良いルートであった。登山口の標高が高めということもあるが、それ以上に道が良く、登坂も一定している為、歩き易かった。表参道の急登石段は初心者や足腰の弱い人には辛いので、その代替路としても使えそうである。

まあ、一先ずお試しは成功。

さて、その後市街に戻り、露天風呂がある銭湯にて入浴後、打ち上げ食事会に。仕事で来れなかった友人も合流し、楽しい締めくくりを過ごすことが出来た。

皆さん有難う!お疲れ様でした。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山会
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