
意外に奥深い夜半の炒め物
夕食を終えたにもかかわらず、夜遅くに長時間の炒め物を始める。
果物の皮を使ったピール(糖果)作りである。材料は先月紹介した好物の日向夏みかんから出たもの。近年、自分の食用や人に進呈するため恒例的に行っている手工である。
手工といっても、砂糖を加えてひたすら炒めるだけ。料理をする人からすれば、調理の内に入らないものともいえるが、これが中々奥深い。
砂糖の分量や種類は勿論、渋味抜きや炒め(乾燥)等の具合や方法についてのことが、である。
写真は、1晩以上替え水に浸けた刻み皮を炒めているところ。いつもは渋味抜きに茹でこぼしを行うのであるが、今回は香りを保持する為に湯通ししない方がいいとの説を知り、従ってみた。

完成。香りは良いが……
そして1時間近く炒め、写真の如く水分を飛ばし完成させる。
色や香りは中々。しかし、やはり渋味というか若干エグミが残った。水さらし時間を増やした方がいいのであろうか。また、グラニュー糖を使ったが、甘味に角が立つ感じもした。諸本を参考にした、「さらし後の重量比で半量」という量が多すぎたのか。
なお、これを楽しみにしている甥らに送付後感想を訊くと、問題なしとの返答も。何度も作っているので、作り手の感覚が細かくなっているということもあるのか。
実は、これは先月の結果。作業は変わらないが、今日はそれをふまえて準備を変えてみた。即ち、一度茹でこぼしを入れたのである。
結果は、やはり香りは大幅に減じ、色も赤黒くなってしまった。完成度としては先月が上か。今日の画像をそれにしたのはその為である。ただ、今回は砂糖を三温糖にして量を3分の1にしてみたが、グラニュー糖であればこれくらいでいいのではないか、との経験則の如きも得た。
やはり、簡単に思えて、やるほどに難しいものである。
なお、これまでの実験により、乾燥は最後まで炒めきることが最短・最良ということだけは判明させている。諸本には天日干しやオーブン入れ等も紹介されるが、基本的にそれらでは無理であった。
以上、興味ある人はご参考あれ……。