
今夏初の網と湖
色んな蝉の初鳴きも過ぎたので、梅雨という語に少々違和感も感じるが、一応梅雨明け前なので、表題にその語が入った。
7月になってから梅雨本番となり、天候が安定しないが、今日は珍しく一日晴れ予報となった。そんな今朝、友人の稚鮎(小鮎)獲りに付き添い、滋賀・琵琶湖に出かけることとなった。
場所は湖西湖岸と安曇川下流の遊漁可能域。まあ魚も気になるが、気温も高温となったので、水辺が恋しくなっていた。その為、友人に頼みこみ、仕事が一段落したこの日に連れて行ってもらうことにしていた。
今年は、琵琶湖や周辺河川の稚鮎は春から不漁気味らしいが、どうなることやら。まあ、水辺の憩いと涼みが叶うので、不漁でも悔いなし、という心積もりはあった。
なお、今回は特に告知なしの少人数だったが、一応臨時の「鮎会」という記事分類とした。
上掲写真: 河口付近の遠浅の湖岸を湖水に浸かりながらみる。京都より数度気温が低めの湖西だが、今日は陽射しが強く暑かった。しかし、水のお蔭で随分マシである。これだけでも、来た甲斐があった。

待ち合わせ場所の湖西線蓬莱駅と湖岸後背に連なる比良山脈(左)
友人が前夜夜勤だった為、今朝は遅めの11時に湖西沿いの蓬莱駅で待ち合わせとなった。私も前夜遅くまで友人と飲み語らっており、帰宅が午前1時半過ぎだったので、都合良い時間となった。
しかし、今日は一日晴天予報。為に気温上昇も報じられていたので、暑さには注意が必要であった。

美麗な水辺広がる遠浅の浜での投網漁
意外に空く3連休の湖岸
蓬莱駅から友人の車に同乗して、更に北の湖岸を進む。漁場としては蓬莱も有名な場所であったが、今日は折角なので、普段行き難い遠方、初めての場所を目指すこととした。
そして、北上暫くして琵琶湖岸の美麗の浜に到着。ここは周囲に家がなく、水泳場からも外れた場所なので、普段から人が少なく格好の網場となっていた。
それにしても、意外な空きぶり。連休初日で列車の人出や車の量も多かったが、3連休なので、皆帰省等の遠出に向かっているのか。
とまれ、早速着替え等の準備をして「日曜漁労」ならぬ土曜漁労の開始。とはいえ、久々の湖岸に喜ぶ私は、暫し漁を友に任せて水遊び……。

砂州で塞がれた湖岸の河口。山の水が湖に流れ込み浜と遠浅の砂場を形成
鮎は川を遡る習性がある為、河口があることが湖岸での漁場条件である。それは小さな流れ込み程度でも構わない。幸いここは大小の河口を選べた。
また、投網漁では浅い浜となっていることも条件。深いと網が底に達するまでに魚に逃げられ、湖底に網が引っかかった際も回収が難くなる。

偶然の産物ならぬ、漁獲のブラックバス
存分に初泳ぎが叶い、漸く投網漁に参戦。
2年前に行った際(6月と7月)は友人任せだったので、最初に教えてもらった投げ方等が出来なくなっており、2011年以来の手ほどきを受けてからとなった。
当然、上手く投げられる筈もなく、暫くは練習を繰り返し、漸く数匹ずつ獲れだすといった有様であった。そもそも、時間の所為か、魚も少なくなってきており、その間にまた泳いだりもした。
泳いでいると、少なくなった魚影を追って少し深みに網を投じていた友人から何か獲れたとの声があがる。近寄ると、何と大きなブラックバスであった。
後で測ったところ、全長は29センチ。ほぼ尺物か。ルアー釣りの対象としては大きくはないのであろうが、稚鮎を追う目には十分大物に感じられた。再放流は禁止されているので、友人はこれを今夜食用すると発言。
鯰会以来外道系の食用に興味をなくしていた私は、ただ聞き流すのみ(笑)。

安曇川での漁獲。弱って浮いた鮎が目立つが、その下には黒い背を向けた元気な鮎も
人影ない安曇川での初挑戦
湖岸での漁獲に区切りをつけ、更に北上し、湖西最大河川である安曇川(あどがわ)へ向かう。
漁場に詳しい友人も今回初めての場所である。ただ、友釣りに利用される河川は有料や禁漁箇所が多いので注意が必要であった。勿論、事前の下調べは十分なされていたので問題はない。
比較的早く遊漁自由で川遊びにも便利な場所を見つけたが、不思議な程人影がなかった。川辺のグランドで球技等をする人は見えたが、暑中格好の川遊びの姿は遠く上下流を見渡しても見られなかった。
とまれ、湖岸とはまた違った広景ある河原にて2時間程投網を行う。今度は泳ぐ場所はないので、私も本腰入れても漁労である。湖岸での練習の甲斐もあり、なんとか網を広げて投げることが可能となり、一度に数匹以上獲れるようになった。
稚鮎は湖岸より少し大きめか。量も時間の割には多く獲れたように思われた(湖岸では私の漁獲が殆どなかった為の推測量)。

「バスフライ」にも初挑戦。その味は?
16時半頃現地を後にしたが、その後渋滞に巻き込まれた。本来は往路と同じく最寄り駅から帰宅する予定であったが、友人宅に寄る段取りになっていることを知り、急遽湖東のそこへ向かう。
渋滞で結構時間がかかったが、何とか到着し、手分けして夕食の準備、獲れた魚の下準備を行った。そして出来たのが、写真の料理。手前がブラックバスのフライ料理「バスフライ」、奥が稚鮎の天麩羅である。
獲れたて揚げたての稚鮎が美味であるのは言うまでもないが、なんと恐るおそる口にしたブラックバスも想定外の美味であった。臭みはなく、身の弾力や厚みにも優れた馳走と化したのである。
友人曰く、水が綺麗な場所に生息していた結果かもしれないとのこと。水質に劣る南湖なら同様ではないのではないかと。まあ、本来は鱸(スズキ)と同類なので、塩焼き以外は結構食べられるものなのかもしれない。
しかし、悪名高きブラックバスの名で食材化するのは困難か。それは、数十年来県が食用消費を呼び掛け、料理として供する店もありながら定着しない一因とも思われた。バスフライではなく、「川鱸(かわすずき)」の天麩羅やフライとした方が人気が高まるかもしれないが如何であろうか。
とまれ、今日は初泳ぎに久々の投網も楽しめ、馳走と友人一家の歓待も受けられた。大いに感謝したい。しかし、夜祇園祭の宵々山観覧に誘われていた別の友人との合流が時間の関係で果たせなくなった。こちらは申し訳ない限り。
また後祭か何かの機会で埋め合わせしたいと思う。