2018年03月29日

讃岐桜行

金刀比羅宮の銅鳥居と桜

四国・香川への小旅行

今日は日帰りで四国に出かけることにしていた日。

これまで行ったことがない香川県内の、こんぴらさんや城郭、うどん店等を巡る予定であった。交通手段は列車で、新幹線や特急を使わない旅程ながら、快速や瀬戸大橋等のお蔭で、比較的時間に余裕も得られた。

逆に言うと、宿や列車の手配が不要で、気軽に行けるために企画した小旅行であった。ただ、時間節約のため、早朝から動かなければならず、予想外の混雑にも遭遇し、2時間程座れないことなどもあった。

とまれ小時より列車に乗ること自体が好みであり、知らない地に行けるのも楽しみであった。折よく快晴と温暖な気候に恵まれたのも、また幸い。


上掲写真: 「こんぴらさん」こと金刀比羅(ことひら)宮の銅鳥居と桜。京都市では昨日満開宣言が出されたが、四国北部も花盛りであった。


瀬戸大橋線の車窓からみた瀬戸内海と島々
児島(岡山)発、琴平(香川)行の列車から見えた瀬戸大橋と瀬戸内海

乗り換えは大阪と姫路、岡山で行い、岡山からの瀬戸大橋線では本州最後の児島でまた乗り換えた。こんぴらんさんの最寄駅・琴平(ことひら)行きの列車と連絡していたからである。

朝6時過ぎの出発にもかかわらず、意外にも長い区間混雑しており、驚く。早朝から長距離通勤する人が多いのである。特に大阪方面から姫路へと向かう人が多いことに驚いた。帰りは早く退社出来るのであろうか。

また、姫路からの列車も混んだが、これは都市圏際の不便であり、観光客等の集中によるものであった。そして岡山からは比較的穏やかなものとなり、琴平行の列車も何処か長閑な感じで瀬戸大橋を渡り始めたのである。


瀬戸大橋と瀬戸内海の島を連絡する車道
同じく瀬戸大橋上から。途中にある島の家屋や、そこと橋の車道を繋ぐ連絡橋が見える。開通から今年で30年。島の暮しはどう変わったのであろうか


瀬戸大橋線からみた四国坂出のコンビナート「番の州臨海工業団地」
そして、間もなく四国側の坂出(さかいで)にコンビナートが見えてきた。「番の州臨海工業団地」と呼ばれる香川随一の工業団地である。瀬戸大橋線もそこに接するが、瀬戸内横断は意外にも短時間であった。距離は10km程なので、そこに達するまでの岡山・児島間の方が数倍距離がある


土讃線の金蔵寺駅(香川県)
四国に入り、宇多津、丸亀、多度津等の沿岸主要駅を過ぎると、列車は讃岐平野内陸へと進み始めた。やがて現れたのが、この金蔵寺駅。棕櫚生える南国風情に溢れた地方駅だが、傍らに智証大師円珍の生誕地を示す石碑があり注目する。天台座主であり、寺門派の祖となった円珍は、なんと競合一派ともいえる真言宗祖で同じく讃岐出身の空海の甥であった


児島からの列車が到着した琴平駅

金刀比羅宮

そして10時40分、琴平駅着。快速・普通のみの利用としては、京都から4時間半という、まずまずの早さ。古い駅舎を改装した真新しい琴平駅には少々古めかしい色合いの電車から、観光客と思しき多くの人が降り立つ。


桜咲く琴平駅前
琴平駅前と金刀比羅神社がある象頭山(ぞうずさん)。駅前にも寄進された石灯籠が並び、金比羅信仰の厚さが感じられる


金刀比羅宮の石段開始箇所

駅前通りと商店街を経て神社直下の表参道に至る。

そう、ここからは山の中腹にある本殿まで続く彼の有名な石段が始まるのである。写真のここは表参道最初の石段。両側には参拝者向けの土産や飲食の店が続く。


金刀比羅宮の石段参道と桜
聞きしに勝る立派な石段が続く金刀比羅宮表参道。傾斜も徐々に強くなってきた。参道脇の方々で桜をみたが、開花状況は意外と満開手前で、京都と同様に感じられた。土産店の奥から聞こえた店と客の会話によると、今年は当地もかなり寒かったらしく、若干遅れ気味となったのかもしれない


金刀比羅宮の石段参道脇の屋根付石塀
金刀比羅宮参道脇にあった石塀。「布積(ぬのづみ)」と呼ばれる一般的な工法ながら、長い石材を傾斜地に積み、大きな笠石を設けているのが珍しい。崩れやすい工法・条件なので見えない場所に何らかの対策が施されている筈である。なお、笠石は継ぎ目のない一枚板という豪勢な仕様


金刀比羅宮の旭社社殿
金刀比羅神社本宮下にあった旭社(あさひしゃ)。幕末築の豪壮な建築で、重要文化財に指定されている


金刀比羅神社本宮前の最後の急段
旭社の横には本宮へ至る最後の急段があった


金刀比羅神社本宮
金刀比羅神社本宮

最後の急段を上がりきると金刀比羅宮中核の本宮前に到着した。石段総数は785段とのことだが、個人的には疲労を感じることはなかった。この先最後の奥宮まで進むと、その倍近い石段数になるというが、昨年の台風被害により道が閉ざされており、行くことは叶わなかった。


金刀比羅神社本宮と南渡殿
金刀比羅神社本宮(右)と、そこから隣地の三穂津姫社まで続く南渡殿(左)。本宮の左横を見た格好だが、かなり凝った造りとなっている


金刀比羅神社本宮南側壁の蒔絵
金刀比羅神社本宮の南側壁(正面向かって左側)には豪華な蒔絵がみられた。樹幹に金、花弁に銀を使った桜で、これほど大きく、高く盛った高蒔絵は見たことがない。但し、残念ながら花弁の銀は黒化している


金刀比羅神社本宮横より見た讃岐平野や讃岐富士
高所にある金刀比羅神社本宮横の広場からは、讃岐平野や讃岐富士(左奥)が一望できた。讃岐平野は南の山脈が吐き出した砂礫により瀬戸内が埋まって出来たらしく、象頭山と似た小山が無数に点在する特徴を有している。小山はサヌカイト等の火成岩で出来た残丘で、元は島だったという


旧金毘羅大芝居
旧金毘羅大芝居正面

大きな平坦地に社殿が並ぶ本宮区域を参観後、元来た道を下る。麓近くでは参道を逸れ、有名な「旧金毘羅大芝居」を見学した。幕末に建造されたという現存最古の芝居小屋である。但し、興行準備のため、中の見学は叶わなかった。

そういえば、帰途寄るつもりでいた金刀比羅宮の書院見学を失念してしまった。神社の案内にも「帰りにどうぞ」みたいなことが記されていたが、下山者の目に付きやすい案内がなく見過ごした。対策すれば参観者が激増するように思われるが、如何であろう


桜と琴平町公会堂
未だ現役の文化財級建築「琴平町公会堂」

旧金毘羅大芝居への途上に興味深い古建築があったので帰路寄ってみた。「琴平町公会堂」という昭和初年築の大型和様建築で、現役の公会堂という。これも文化財級の存在


大手から見た桜咲く丸亀城
丸亀市街中心に聳える石垣の名城、丸亀城

丸亀へ

金刀比羅宮の表参道を下り、繁華街の外れでうどん店を見つけ、本場讃岐うどんを初体験したあと、列車で沿岸部の丸亀に入った。

時間を有効に使うため、駅前で自転車を借り、先ずは市街中心に聳える丸亀城に向かう。丸亀城は17世紀初期に築城の名手・山崎家治が再建し、その後、元近江北半守護家の京極氏が長く治した城として知られる。

特に総高日本一とされる高石垣が有名で、駅前から見ても、その威容が目を惹く。本来は亀山という天然の小山を利用したものらしいが、その気配はなく、全てが人造的に感じられるという、特異な平山城である。


丸亀城大手一の門の櫓内
丸亀城「一の門」の櫓内

丸亀城では大手門にある「一の門」の櫓が公開されていたため、参観した。17世紀後半の建造とされ、江戸初期の城郭建築の実態を今に伝える。


丸亀城の高石垣
美しい丸亀城の石垣。この部分だけで20m以上の高さがあるという


丸亀城天守閣
古格遺す丸亀城天守閣

各郭を経由する登城路を登りきると天守閣が見えた。四国最古の現存天守で、17世紀半ばの築という。高さは15m、標高66mの本丸上に聳える。


丸亀城本丸よりみた讃岐平野と象頭山
丸亀城本丸からみた西方の讃岐平野と象頭山(左奥)。即ち、先程登った金刀比羅宮の所在地


丸亀城本丸より見た丸亀港と瀬戸内海
こちらは北方、丸亀城本丸より見た丸亀港と瀬戸内海


丸亀城本丸からみた坂出方面
続いて東北、丸亀城本丸からみた坂出方面


丸亀城本丸からみた瀬戸大橋
前掲画の拡大。瀬戸大橋が見える


丸亀で食べた讃岐うどん
丸亀で食した本場讃岐うどん

丸亀城址見学後、丸亀市街にてまた讃岐うどんを食す。予備知識無しで目についた店に入ったが、麺・つゆともに美味であった。しかも安い!

うどん目当ての場合は、本来なら朝郊外を巡らないといけないようだが、欲張った旅程なので、まあご諒解あれ……。


丸亀港の太助灯籠
旧丸亀港にあった、幕末の豪勢な銅製寄進灯籠「太助灯籠」。丸亀での滞在時間は少なかったが、自転車の機動力を活かして城や海辺を巡った


高松城址の石垣と琴電
高松城址の石垣と私鉄「琴電」の車輌

最後は高松から帰路に

最後は、また列車で香川の中心都市・高松まで移動。県庁所在地らしい、垢抜けた市街を巡り、また讃岐うどんを楽しむなどする。

食後、高松城址の傍を通るなどして市街を見、その後、岡山行の列車に乗り帰路に就いた。山陽線の事故で20分近く列車が遅れるなどしたが、2度の乗り換えを経て無事京都に帰着した。

列車の時間に気を取られた旅ではあったが、色々と堪能出来たとは思う。何より、旅費が全て込みで3000円程となったことも愉快であった。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 紀行
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