2019年01月23日

雲取巡峰

京都市街北部の山上集落「芹生」北奥の、雲取山西直下の三ノ谷の倒木に生じた氷柱(つらら)

雪山鍛錬行再び
900m超支峰巡る


今日は先週末までの急ぎの案件が一段落ための代休。半ば急に生じた休みなので、前回同様、単独で雪山鍛錬を行うことにした。

向ったのも前回同様、京都市街北郊の雲取山(911m)。ただ、今回は前回触れた通り、主峰とその付近に存在する900m超の支峰を巡ることにした。


上掲写真 雲取山山頂直下の「三ノ谷」の倒木に生じた氷柱(つらら)。ここ暫く比較的温暖な気候が続いていたが、山中の厳しさが窺えた。


京都市街北部の出町柳付近の賀茂川(鴨川)から見た京都盆地北縁の山々

雲取山何処?

さて、前回は文字だけで雲取山を説明したので、今日は写真と図で少し説明したいと思う。

上の写真(2019年1月14日撮影)は、京都市街北部の出町柳(でまちやなぎ)付近の賀茂川(鴨川)から見た北縁の山々。即ち「京都北山(きたやま)」の一部であるが、雲取山もこの山中にある。手前の谷なかには著名な貴船と鞍馬があるので、その奥山と言えば解り易いであろうか。

ただ、市街から近い(出町から直線16.5km)わりに、盆地北縁の城丹尾根(旧山城・丹波国界)の後方に在るため、その姿は市街からは見えない。写真中央奥の幽かに雪を含むなだらかな峰が、雲取山南東に在り、同山にも続く標高860m超の尾根峰で、雲取山はそこから更に1.8km奥にある。

また、山中にある四方の諸集落からも奥山に当たり、姿を見ることは難しい。この姿なき存在が、京都盆地北縁山群の最高峰ながら、地元でもあまり知られていない所以であった。

因みに、写真右奥の、良く雪が見える峰が「天狗杉(837m)」と呼ばれる山で、その左鞍部(窪み)に鞍馬から花脊(はなせ)・丹波方面に抜ける旧花脊峠(750m)、右鞍部に現在の花脊峠(759m)がある。


1/25000地形図での京都・雲取山付近
1/25000地形図での雲取山付近。出典「国土地理院」。地名加筆は筆者

次は図での説明。上の図は2万5千分の1地形図上の雲取山部分。前掲の写真に見える、京都盆地北縁中央の城丹尾根裏側に広がる地形である。芹生(せりう・せりょう)集落から続く灰屋川水系の源流部分に雲取山とその山塊があるのが判る。

今日探索する4座の900m超の頂は、主峰雲取山の南西から北西にかけて並んでいる。即ち、同じ尾根線上。前回に続き今日も芹生集落から沢筋を遡上して三ノ谷に入り、その支流谷から雲取山主峰に上る。そして最後部の頂(図上名「雲取山後峰」)から順に未踏3座を探索することとした。


凍結する京都市街北部山間の芹生峠南下の道

雪は減ったが……

今日の市街気温は最高12度の温暖が予想されていたが、朝が1度程だったので、道の凍結を勘案し、また少し遅出の二輪行で出かけることにした。

既に観光客が散在する貴船を超え、芹生峠(標高約700m)へと向う。山肌の雪は前回より減じていが、何故かアイスバーンの区間が増していて、写真の如く、峠に着く前での下車を余儀なくされた。


雪に覆われる、京都市街北部山中の芹生峠
雪に覆われる芹生峠。アイスバーン区間が増えたのは、融解した雪の再凍結に因るものか


10日前に比べ積雪が減った、京都市街北部の山上集落「芹生」

そして、また延々と雪の舗装路や林道を歩き雲取山麓を目指す。導入した雪靴の調子が良く、圧雪や凍結面での雪杖(ストック)は不要であった。

写真は途中また過ぎた芹生集落の景。やはり前回に比して雪は減っている。


京都市街北部の山上集落「芹生」北の、三ノ谷の倒木に積った多量の雪

芹生集落からは前回同様、林道に入る。当初ワカン装着は不要かと思ったが、奥地は違った。特に三ノ谷からは前回と変わらぬ積雪に感じられた。

写真は三ノ谷に入って暫くした地点にある倒木。未だ大量の雪が残っている。標高や地形、高所気温の所為か。


京都・雲取山山頂下の深雪に沈む足

それでも、ワカン装着を引き延ばし、このまま一気に登頂することも考えた。しかし、山頂直下の支流谷の分岐辺りで、写真の如く30cm以上足が沈んで動き難くなったので、装着することとした。


京都・雲取山山頂へと続く支流谷の深雪と急登

そして支流谷の深雪と急登を行く。ここら辺の状況も、然程変わらず。ただ、新雪直後的な前回より雪崩の危険は少なそうであった。


京都・雲取山頂部から北へ続く尾根上の踏み跡

雲取山塊、雪の諸峰巡り

経験か雪崩への警戒減少の所為か、心身共に前回より楽に頂上に着き、すぐさま最遠の後峰へと向かった。

写真は主峰頂部から北へ続く尾根上の踏み跡。前回と異なり、今日は花脊方面から一ノ谷か二ノ谷を経て山頂を踏んだ先行者2、3のの痕跡を見た。

しかし、誰もかんじきを使用しておらず、かなり足をとられて苦労した様子が見てとれた。途中、峠道等もあるので、相当苦労したのではないか。


京都・雲取山北峰と後峰の鞍部から見た、後峰と京都府立大学山岳部の山小屋

前の図で判る通り、雲取山主峰と後峰の間には北峰があるが、一先ず最遠の場所からの踏査を優先。

主峰頂部より雪が深まる尾根筋を通り、北峰を回避(トラバース)するように続く図上の登山路から後峰直下に出た。写真は北峰と後峰の鞍部であるそこから見た後峰の姿。北山の峰らしい、なだらかな山容であった。

左下には京都府立大学山岳部所有という山小屋が見える。


雪中に灌木繁る、京都・雲取山後峰
雲取山後峰の頂部。主峰から約700mの距離にある

鞍部中心から一ノ谷へと向かう足跡と別れ、少々登坂をラッセルして後峰頂部に至る。写真がその景だが、冬枯れした灌木があるのみ。眺望もなく、足跡のない理由の一つを知らされたような気分にさせられた。


雲取山後峰から見た、京都・雲取山北峰

雲取山後峰頂部の次は、また来た道を戻り、北峰へと向かう。写真は後峰から見た南方の北峰。往路はこの山体右側を巻いてきたので、今回は直登する。


京都・雲取山北峰頂部
雲取山北峰頂部。主峰からの距離は約400m

そして雲取山北峰着。その頂部は写真の通り。ここには「雲取山北峰」と記された札が掛けられていたが、それが正式の名か、また古くから呼ばれていた名かどうかは不明である。

北峰のピークは地形図にある通り、南北に長い舟形であるが、最も高い場所は南寄りにあった。等高線によると、その標高は主峰同様910mから920mの間にあったが、最高所の形状から、主峰より高いように感じられた。


京都・雲取山北峰からの北方の眺め
雲取山北峰からの北方の眺め

雲取山北峰にも踏み跡はなかったが、眺望と雪山風情の良さに特筆すべきものがあった。特に北方が開けており、眼下・近傍の山谷はおろか、遠く滋賀湖西の比良山脈や京都府最高所の皆子山(971m)や峰床山(969m)が望めた。


京都・雲取山北峰から見た峰床山(左奥)と比良山脈最高峰・武奈ヶ岳(1214m。右奥)
雲取山北峰の北方に見えた、峰床山(左奥)と比良山脈最高峰・武奈ヶ岳(1214m。右奥)


枯木のたうつ、京都・雲取山北峰頂部
枯木のたうつ雲取山北峰頂部。北峰山頂は広々とした雪原があり眺望も良いが、一旦荒れると厳しい状況となるのであろう

この様に北山屈指の眺望があり、主峰同等かそれ以上の標高や山頂規模を持つ雲取山北峰だが、あまり人気がないことを残念に感じた。

地理的には、ここが主峰でも良い筈なのに三角点が現主峰にあるのは、それが置かれた明治期はそちらの方が見通しが良かった為であろうか……。


京都・雲取山主峰から見た、南方の未踏の雪尾根

雲取山北峰探索の後は主峰南にある前峰に向かう。主峰への戻り行程となるが、今度は北峰の道なき南面を下った。途中の植林地では倒木が多かったが、何とか通過して先程通った主峰下の登山路に出た。

写真は、主峰頂部に戻り、そこから南方の未踏尾根を見た景。こちらも踏み跡がなく、ちょっとした探検気分。雪の量は主峰同様であったが、風の影響か、ムラが多く歩き辛かった。


雪中灌木が繁る、京都・雲取山前峰の頂
雲取山前峰。主峰からの距離は約200m

そして程なくして雲取山前峰の山頂に達した。写真がその景だが、後峰と同じく灌木が繁るのみで眺望はなかった。


残雪ある、京都市街北部・芹生集落に接する府道361号線

予定終了

前峰を最後に全ての予定を終えたので、主峰に戻り元来た道を下山した。写真は芹生集落端部の府道361号。標高はまだ600m以上あるが、午後を大きく回った今は寒さは感じられず、路面の氷雪の融解も進んでいた。

そして、芹生峠を越え、無事二輪を回収して帰宅した。今日の山行は、山上での距離や高低差はあまりなかったが、興味深い地理的観察や雪中訓練が叶い、前回に劣らぬ有意義なものとなった。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山会
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