
五条坂の稀少窯元再訪
去る6月19日に行った、京の都を代表する焼物「京焼(きょうやき)」及び「清水焼(きよみずやき)」の学習会。
その後半予定していた清水焼産地「五条坂」の窯元見学が先方の急用で中止となったが、今日はその再訪を行った。
平日開催ということもあり、参加は呱々さん他、コアメンバーに限られ、申し訳ない気もしたが、代表して見聞させてもらうこととした。
もし、どうしても希望される人があれば、また相談してもらいたいと思う。
さて、見学は2時間近くに及び、昔ながらの板床の作業場で行われる、型や転写を使わない轆轤(ろくろ)成型や手書き絵付けを実見でき、作業方法や窯道具、そして明治から続く窯元の今昔の話等を聞くことが出来た。
実に貴重な経験。特に、今や稀少な、都市部における手作業による量産作業は中々実見し難いものかと思われた。
そしてその終盤には、これまた窯元さんの好意により、工房価格での在庫品購入をさせてもらう機会を頂いた。皆、成型した人、絵付けした人らと語らいながら、各自気になる器を買わせてもらった。勿論、私も……。
最後は突然現れた夕立強雨の中の撤収となったが、充実したひと時を過ごすことが出来たのである。
急速に変わりゆく現場に立ち会った価値
嗜好や消費の変化、そしてグローバリゼーション等の世界情勢により、急速に変わりゆく京都と伝統的焼物産地・五条坂――。
そうした状況下、短時ながらも伝統の現場に立ち会い、その産品を預かることが出来た。少々オーバーな言い様かもしれないが、皆、次代への語り部、産品の伝承者の一人になれたのではないかと思う。
それは、この会を企画・主宰した私の望むことでもあった。
皆さん、ご協力有難う、暑い中お疲れ様でした!
上掲写真 今回の購入品ではないが、訪問先窯元さん手作りの麦藁手(むぎわらで)陶器。手前から蕎麦猪口、スープカップ、マグカップの、青赤各一対である。類似の他窯製品を凌駕する成型・絵付の冴えを誇る。私が店先でその製品を知ってから20年以上コツコツと買い集めたものの一部。