2019年08月03日

熱害棄巣

38度超の猛暑日にウィンドエアコンの排熱と西日の挟撃を受け蜂がいなくなった、京都の町家窓柵にあるヤマトアシナガバチの巣

閲覧注意!下段に蜂画像あり

猛暑日の空調傍で起った異変

先月下旬から猛暑日の連続が始まり、今年も遂に夏本番となった。

昨年より遅く、比較的当初は身体的にマシだったとはいえ、さすがに方々熱が回ってきたのか、耐え難いものとなった。

殆ど出番がなかった書斎の小エアコンも遂に稼働することとなったが、陽が陰る夕方に停め、外の水撒きをしようとして、ある異変に気づいた。

それは、エアコン対面の窓柵にあった蜂の巣である。5月末頃から存在を確認していたもので、小規模ながら数匹のアシナガバチが活動し、この時間には帰巣する筈が、皆外を飛び回っていたのである。

異変に気づき、柵横から巣を覗くと、やはり1匹もおらず、下のコンクリ床に幼虫が落ちていた。ここで漸く事を悟る。エアコンの排熱が巣に影響したのである。

空調の稼働は最も暑い時の2時間程であったが、西日も加わり相当な温度となったため、たまらず逃げ出し、幼虫も落ちたのであろう。

実は事前にその危険を想い、エアコンの移動か、蜂の留守中に巣を移動することを考えていたが、あまりの暑さに失念していた。


上掲写真: 38度超の猛暑日に小エアコンの排熱と西日の挟撃を受け蜂がいなくなった、アシナガバチの巣。


たった1匹で柵裏の巣作りを続ける、ヤマトアシナガバチの女王(2019年6月2日撮影)
たった1匹で柵裏の巣作りを続けるアシナガバチの女王(2019年6月2日撮影)

水撒きを終え、暫くして巣を観察すると蜂が数匹戻っていることを確認し少々安堵したが、外が暗くなった頃、バリバリと噛み砕く音が聞こえた。

それは、アシナガバチの天敵・ヒメスズメバチによる巣の破壊音に似ていたが、暗いため、また危険なため確認出来なかった。


猛暑日に西日とエアコンの排熱を浴び異変が起きた蜂の巣の下に落ちていたヤマトアシナガバチの死骸
猛暑日に西日とエアコンの排熱を浴び異変が起きた巣の下に落ちていたヤマトアシナガバチの死骸。ただ、背中(腹部)の縦2線模様の上部片側に「外払え」がないので、類似種キアシナガバチとの折衷的な様子も伺える

そして、翌朝である今日確認すると、巣に蜂は1匹も居らず、地上の死骸も増えていた。なかには成虫や羽化直前の蜂も……。

初めはヒメスズメバチの攻撃を疑ったが、死骸に食痕がなく、巣も大きく壊された跡がないので、アシナガバチ自身による所業かと思われた。調べてみると、生きる見込のない幼虫等を自ら捨てる習性があるという。

そしてこれを境に蜂は戻ることはなかった。やはり、高温により幼虫等が弱り、またその立地の危険を悟り、巣を放棄したようである。

うーん残念、申し訳ない限り。春に女王蜂1匹が健気に巣作りを始め、小さい巣ながらも順調に仲間が増えていたのに……。

絶滅危惧種?

ただ巣のみが残された残念なこの出来事のあと、以前から気になっていた、この巣の特異性に改めて思い至った。それはこの巣が比較的小型なことやその形状、そして巣穴の蓋が美麗な黄緑色をしていることであった。

調べてみると、そうして特徴のある巣を作る蜂は、キボシアシナガバチとヤマトアシナガバチらしく、その内、写真の死骸の如く、背中(腹部)に縦2線の模様があるものは後者となる。

縦2線模様はキアシナガバチにもあるが、棒上部に外払いがないこと、つまり逆「八」の字にならないことで区別可能という。元より、キアシナガバチの巣に黄緑の蓋はないので、この巣はヤマトアシナガバチのものに違いないと思われた。

しかし、このヤマトアシナガバチ。その名の通り、日本に馴染み深い蜂ではあるが、全国的に数が減っており、絶滅が危惧されているという。ただでさえ、各種アシナガバチの減少が危惧されている昨今、改めて残念なこと、申し訳ないことをしてしまったと感じた。

ただ、活動期間的に、これまで何匹かの成虫がここで育ったことはせめてもの救いであった。稀少な存在であると共に、菜園の害虫駆除に活躍する大事な共存者なので、これからも見守っていきたいと思う。


猛暑日に西日とエアコンの排熱を浴びて異変が起きた巣の下に落ちていた羽化直前のヤマトアシナガバチの死骸
猛暑日に西日とエアコン排熱を浴びて異変が起きた巣の下に落ちていたヤマトアシナガバチの死骸。羽化直前のものとみられ、こちらは上掲の成虫とは異なり、縦2線模様の両方上部に「外払え」の特徴を完備している

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記
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