2020年01月26日

皆子探雪

葛川平集落外れにある皆子山東尾根登山口

雪求め北山奥峰へ

厳冬期でありながら、未だ京都市街に初雪がないままの異常が続く。

先週、京都盆地北縁奥(北山山地・丹波高地)で雪を探ったが、いつもは多い山上にも全くなし。その為、今日は別所を視察することにした。

場所は先週山上からの観察で冠雪が確認出来た皆子山(標高971m)。同じ北山山地の北東にある京都府最高峰である。

先週同様、車輌にて現地に向かう。かの大原を越え滋賀県内に入り、更に北上して安曇川(あどがわ)水系上流の葛川平(かつらがわ・だいら)集落に達した。

今日も朝から気温が高く、難なく峠道を通過。そして、平集落外れにある、写真の東尾根登山口から皆子山山上を目指した。


皆子山東尾根で最初に現れる急登の道
先ずは皆子山東尾根で最初に現れる高低差300m弱の急登の道を進む。雪は全くないが、まあこの辺りについては想定内であった


雪が全くない厳冬期の皆子山東尾根南部
次に東尾根の上部に達するも、やはり雪は無し。まだ標高的に見えないだけかもしれない


皆子山東尾根から見た、厳冬期にもかかわらず全く雪がない比良山脈南部
ところが、対面に現れた比良山塊の姿に驚く。皆子より標高が高く、付近名立たる多雪地の比良山上にも全く雪が見えないのである


厳冬期にもかかわらず全く雪がない比良山脈の蓬莱山
比良山脈南部の雄峰・蓬莱山(中央。標高1172m)もこの通り。先週雲取山から見えた雪は溶けたのか。これでは山上にあるスキー場も営業出来まい。これまで数十年見てきたが、こんなことは初めてのような気がする


厳冬期にもかかわらず全く雪がない京都北山の峰床山
皆子山の更に北にある北山の著名峰・峰床山(標高969m)もこの通り


厳冬期にもかかわらず僅かしかない皆子山東尾根上の雪
東尾根上の道を進み徐々に高度を上げるが、見かけた雪はこの様に微々たるもののみ


厳冬期にもかかわらず山上に雪が見えない、比良山脈南端向こうに浮かぶ鈴鹿山脈
比良山脈南端の向こうに浮かぶ、1000m級の多雪地・鈴鹿山脈(中央奥)にも雪は見えず


厳冬期にもかかわらず全く雪がない皆子山山頂
そして、やがて到達した皆子山山頂にも全く雪がなかった。比良でさえ雪が無ければ当たり前ともいえたが、残念に思われた


皆子山からみた、厳冬期にもかかわらず冬枯れの姿のみで、全く雪がない比良山脈最高峰・武奈ヶ岳
比良山脈最高峰の武奈ヶ岳(1214m)も冬枯れのみの姿。あまりの異様ぶりに、少々恐ろしくさえ感じられた


厳冬期にもかかわらず、皆子山山頂付近に僅かしかない雪
皆子山山頂付近に僅かに残る雪


皆子山山上から見えた、唯一冠雪する三重嶽
ただ、唯一滋賀県北西の三重嶽(さんじょうだけ。標高973m)のみ冠雪が見られた。しかし、彼の山地は訓練地とするには少々遠い


皆子山山上からみた、滋賀県南部の琵琶湖や平野
皆子山山上からみた、滋賀県南部の琵琶湖や平野

残念無念、山の温暖無雪
だがこれは温暖化の証か?


皆子山上にて昼食を摂り、その後元来た道を下り京都市街へと帰還した。

さて、近場に雪がなく、雪上鍛錬の場所がないことに困らされた。このまま春となってしまうのか……。

ところで、最近こうした状況を以て温暖化増悪説を唱えることが世を席捲しているが、少々危惧を感じざるを得ない。勿論、温室効果ガスの物理特性は事実であろうし、元より自然変動に相乗する危険があるその削減をすべきなのは言うまでもない。

ただ、一つの現象で何かを言い切る安易な風潮を案じているのである。例えば、雪といえば今年は無いが、一昨年には北近畿や北陸で記録的大雪になったこともあった。

最近の豪雨や暖冬などで体感的・感情的に流されることも理解できるが、もう少し冷静になった方がいいのでないかと、雪のない山を見て改めて思った。

大雨やその反対の日照りは昔からあったのである。要は両方に備えることこそ肝要と思われる。

ただ、やはり雪上鍛錬が出来ない、雪山風情が楽しめないことは残念無念である。さて、如何(いかが)はせむ……。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山会
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