2020年08月16日

盆末涼漁

滋賀県北西部の山間を流れる、近年漁業権がなくなった清流河川

猛暑盆末に漁と涼を求めて

連日38度前後の猛烈な暑さが続く。

梅雨の長雨で降り尽したかのようにその後殆ど雨もなく方々熱せられたまま。その所為か夜もあまり気温が下がらず逃げ場のない暑さに苛まれる。

先日の8月11日には京都市街で最低気温が29.4度までしか下がらないという、観測史上最も暑い熱帯夜にも見舞われた。

元より昼間は殺人的とさえ形容される暑さと日射があり、普段空調機器を使わないよう心掛けている、または使わないでいられる備えのある私でさえ、それが無いと倒れるのではないか危惧される程であった。

最近、よく耳目に触れるようになった、「実は温暖化で一番被害を受けているのは、いつか沈むかもしれない南の島ではなく、風水害や猛暑等の気象災害が多発している日本ではないか」との話。

氷河期の仕組みすら未解明の状況で、温室効果ガスによる全球的温暖化進行という説には俄に与することは出来ないが、近年の高温化傾向は否めず、この先の状況を心配せざるを得ない。

「涼しい朝の内に夏休みの宿題を」と、その昔よく言われたものだが、昨今の夏は、もはや朝から何事もし難い危険な状況と化している。

さて、盆も最終日となったが、今日も京都市街は38度の炎暑予報であった。既に朝から高温であり、墓参等々で早々に疲労することとなった。

このまま市街にいても、更に暑くなるだけなので、実はこのあと友人の魚獲りに同行することとなっていた。写真は列車や車を乗り継いで到着したその現場。滋賀県北西部の山間河川である。

友人の話によると、最近この区間の漁業権が消失し、全県的な禁漁期間を除き、自由な遊漁活動が可能になったという。今日は、初めてとなるその場所で投網遊漁を試すことにしたのである。

ただ、この猛暑中、今季まだ水浴をしていない私には、山間清流での納涼という、別の期待もあった。


川のなかで投網を投げようとする瞬間。滋賀県西北部・石田川中流にて

コロナ影響で水辺に集まる人々

途中、意外の渋滞や交通量の多さもあり、昼を少々過ぎてからの現地入りとなった。車の車種や鑑札の府県名から、帰省より、ドライブや琵琶湖でのレジャー目的が多いように思われた。

新型肺炎再流行により遠出を控えた家族連れ等が水辺に集中している懸念を伝えるニュース内容は、ここ滋賀にも当てはまっていたようであった。

また、琵琶湖に限らず、途中通過した山間水辺の河原や野営場も満員御礼的大盛況であった。確かにこうなると、屋外でも密集等の危険が生じる。

そういえば、英国等の海外でもキャンプ場に人が集中するという問題が生じ、実際アメリカでは大規模なクラスターも発生したという。ただ、我々が行った場所は、琵琶湖から遠く離れた山間の小河川なので、その影響は殆ど見られぬ、実に長閑なものであった。

現地で漁場を探し、やがて前掲の河原に定めることに。今日狙う鮎が好む適度な流れと深からぬ水深に苔つく石が多い、中々良さげな場所である。

実は、今日は、自由遊漁が解禁されたこの河川区間での初めての投網漁という名目のほか、いつも湖岸や河口・大きな川で獲れていた稚鮎とは異なる、大型の成魚が獲れるかどうか、という試験的目的もあった。

写真は、川に入り、第一投の準備を整える友人。果たして、その結果や如何……。


川のなかで投網を投げた瞬間。滋賀県西北部・石田川中流にて
身体を捩じり、後方から前方へと網を射出


川のなかで投網を投げ、それが着水した瞬間。滋賀県西北部・石田川中流にて
空中で見事網が広がり、狙い通りの場所・範囲に着水。そして、その第一投から漁獲があり、手応えを得たが、残念ながら期待した大物は入らず


投網漁の漁獲。滋賀県西北部・石田川中流にて

大物狙いの結果は

その後も場所を変えつつ色々と試す。網は2つ用意されていたが、今回私は殆ど行わず、専ら魚影探査や網から魚籠(ビク)への魚の移し替え等の補佐を務めた。

山間とはいえ高気温であったが、程よい冷たさを持つ水質の良い川水や水面を渡る風が涼しかった。また、水着を着ていたので、時折深みに身を浸すなどして日頃の暑熱を冷ましたりもした。

肝心の漁獲としては、残念ながら期待した良い型のものは殆ど獲れないという結果に終った。

鮎の魚影は見込通り濃い場所であったが、大きなものが多い訳ではなかったのである。また、全体的に体の細い、つまり痩せたものが目についた。

長さとしては12cm前後が多く、一番大きなもので16cm。つまり、これまでの漁場との違いは見られないものとなったのである。流れや栄養等の関係で身が痩せ、また、先行の釣り人等に獲られてしまったのであろうか。

まあ、自然のこと故致し方あるまい。友人は大変残念そうであったが、私は綺麗な川で涼めたので満足であった。

写真は、クーラーボックスに入れるため袋に移し替えられた今日の漁獲。少ないように見えるが、今日は時間も短く、また数を獲ることが目的ではない試験漁のため、善し悪し計れず。

クーラーに魚を仕舞い、今日の遊漁を終了。離れがたい冷涼の川辺を去り、家路に就いたのである。

なお、友人は、別れ際、特に大きな鮎を選んで魚を分けてくれた。彼の最終目的である鮎の塩焼き(大きな鮎こそ塩焼きに最適で食べがいがある)は、私だけが頂くこととなったのである。感謝!その他色々と有難う。

そして、最後――。

目論み通り、京の炎暑を避け日没後帰宅したら、部屋がとんでもなく暑くて堪らない!(陽射しや外気の遮断対策はしたが空調は入れず)

こうして、折角の清流の涼も、また京の暑さに潰えたのである笑)。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 網会
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