
夜半の寒に耐え野営の朝来る
コロナ騒動で春の開催が中止になり、実に1年以上ぶりに再開された恒例の野営会。今時珍しい、現地の水や薪を利用する原初的キャンプの集いだが、今日はその2日目・最終日となった。
前日共々天気は良かったが、夜半かなり気温が下がり、持参の装備では、なんとか寝られたという限界的状況となった。昨晩1時頃の天幕内温度は5度強。恐らく、明け方は更に冷えたのではないかと思われた。
他の参加者も起床後口々に寒さを訴えたが、まあこれも経験であろう。元来10度は切らないと告げていたので申し訳なかったが、この程度までの寒さは春秋有り得るので、これを機に各自対策を探ってもらいたいと思う。
上掲写真 滋賀県東南「湖南アルプス」の山間野営地に訪れた朝と、夜の寒さと夜露を防いだ天幕。

朝食マフィンと維吾爾刀の関係
さて、起床後はいつもの如く、竈の火熾しと朝食作り。写真はその様子。
昨年偶々安く買えたマフィン(円形白パン)に野菜やソーセージを挟んだものが好評だったので、今回も同様を試みた。
但し、今回肉は豚の厚切り肉。言わば「焼肉マフィン」「焼肉バーガー」であった。なお、レタスは参加者持参の自家製。
肉切り用に置かれた煌びやかな小刀は、私が四半世紀愛用するウイグルナイフ(維吾爾刀・ピチャック。著名産地イェンギサール(英吉沙)製)。
羊を常食しつつ野菜や果物も多用する中央アジア・オアシス定住民の、繊細かつ頑強な刃物は、同様の調理や作業を要する野営にも適している。

昨年から採用している竈と薪用の覆い天幕。横着して下部のロープを切らず左右連続した1本で済ませたため、綺麗に張れていないが……
コロナ下の野営終了
得た経験と課題
朝食後は、また寝る人や、新たな副食作りに挑戦する人も。私もまたギターを弾いたり、お茶で寛いだり……。
そして、少し遅めの昼食のあと徐々に片付けを始め、16時過ぎに下山したのであった。
今回はコロナ警戒下という特異な状況での開催となり、少人数ながら色々とデーターというか経験を得た。
一例を記すと、野営地内でのマスク着用やこまめな手洗いに非協力的な参加者がおり、そのため加熱完了後の食材に接近させないようにし、会話時もなるべくこちらから離れる対策をした。
本人が言うように外なので神経質になる必要はないかもしれないが、飛沫は間違いない感染源である。常時の着用が嫌なら話す時だけ口を覆えばいいだけのこと。次回からは、より強力に要請・注意するつもりである。
また、最も基本的な装備である便所紙を忘れて用便に窮していた参加者がいたが、これも防疫的観点から貸し借りは避けるべきなので、注意してもらいたい。特にこの参加者の場合はこれで3度目となるので、以後は何らかのペナルティーを考慮せざるを得ない。
あと、防疫とは関係ないが、風が強まった際、個人で管理すべき火から離れ、無関心でいた参加者がいた。事前に山火事の危険性や怖さを教示していたが、結果他の参加者や環境を危うくする状況を見せられた。以後は指導を強くし、場合によっては火を触らせないことも検討せざるを得ない。
以上、最後に少々厳しい指摘をしたが、非常時に於ける開催、また息の長い開催が続けるられるよう、協力を願いたいと思う。
それでは皆さん、色々と有難う、お疲れ様でした!
なお「2020秋野営会」初日の記事はこちら。