2020年11月14日

秋山見分

鹿ケ谷の「如意越」道から覗く旧藤井彦四郎邸「和中庵」の和洋の館や庭木の紅葉

久々の裏山探査

月初の野営会や週末の荒天により暫く様子を探れなかった自宅裏・東山山中(大文字山・安祥寺山)の発見古代遺構だが、今日その機会を得た。

とはいえ、諸々の用が済んだ午後遅い時間の、ごく短時間である。それでも、清々しい秋の晴天と季節外れの暖かさに恵まれ、良い気晴らし、運動を兼ねることが出来た。


上掲写真 今日の登山口・鹿ケ谷(ししがたに)の「如意越(京江古道)」道から覗く旧藤井彦四郎邸「和中庵」の和洋の館や庭木の紅葉。街場の紅葉もいよいよ本番に入り始めた。因みに現在隣接するノートルダム女学院が管理する和中庵洋館は、端麗瀟洒な同学舎とも調和する昭和初期築のスパニッシュコロニアル様式。解体の話も聞いたが残されて何より。


街樹や山が色づき明るい色を見せ始めた鹿ケ谷「如意越」の道と、道の右の和中庵や左の霊巌寺の土塀
一路大文字山の懐、登山口へと向かう如意越の道。街樹も山も急速に色づき、明るい色を見せ始めた。なお、道の右が和中庵・ノートルダム女学院側、左の土塀が「谷の御所」として著名な尼門跡寺院・霊巌寺である。


安祥寺山北尾根遺構傍の林野庁作業林道の路肩に生じた亀裂

山中の古代遺構へ
保護すべき遺物は


登山口から山に入り、山道を進む。今日は暖かいので初めから上着を仕舞いシャツ1枚でゆく。

下山後用もあるので、短時間で済ませるべく最短の道程を通り、休息無しで一気に遺構に達した。時間は1時間もかからず。鍛錬の為もあり荷はあえて重くしていたが、気候的に負荷も少ないため特に苦もなく辿り着いた。

強いて言えば、途中の藪道でマダニの子に集られたくらいか。他の虫は死に絶えるか冬眠の頃だが、ダニだけは早春と晩秋の今を狙っている。まあ承知の上で除去したので問題はないが、昨今流行りの超軽装トレランスタイルとかなら危ないか。まあ、素人目に道がない藪なんか入らないか。

さて、発見遺構ではまた崖面や林道路面・路肩などを観察するが、今回は特に目ぼしいものはなかった。谷を下った西谷遺跡でも同様。勿論、こまかな遺物は無数にある。

前回来た時からまたかなり風雨が強い日もあったが、以前同行したこの山域の古代寺院専門家K先生と氏が指導する女子大組の調査がまた入ったのであろうか。とまれ、保護すべき露出遺物・貴重遺物がなければ、私の今日の役目は終りである。

ただ、遺物とは異なり別の懸念は発見した。写真の、遺構の端を破壊するように昨年通された林野庁の作業林道路肩の亀裂である。つまり崩落の危険である。写真の場所の対面路肩にはまさに遺構崖面及び遺構本体の平坦地があるので、そこにも被害が及ぶ恐れがあった。

以前も指摘し、その後シートで養生されたのは道奥(南側)の区間だが、やはり速成簡易な施工のため方々で起こり得る状況である。恐らくまた養生が施されるとは思うが、抜本策の有無を案じた。


大文字山山頂からみた、夕陽に照らされる京都市街などの眺め

山の秋を眺めつつ下山

山中での役目も果たし、また稜線に登り返して帰路に就く。帰りは次の用の為、大文字山山頂経由で銀閣寺門前(今出川通)に降りることにした。

写真は途中通過した大文字山山頂からの眺め。陽が傾き始め、光が長く射す夕刻的光景となっていた。遠く朧に浮かぶ大阪のビル群や、夕陽に輝き伸びる東海道線の鉄路等も見えた。


大文字山山腹の「五山送り火」の火床からみた京都市街北部や夕陽に照らされる山の紅葉
続いては大文字山山頂を西へ下った山腹にある「五山送り火」の火床からみた、京都市街北部や夕陽に照らされる山の紅葉やススキ野原


夕陽に照らされる大文字山山腹の天然林黄葉
更に山道を下ると天然林の黄葉とも出会う。但し、夕陽の所為で赤味が強くはなっているが……


夕陽に照らされる銀閣寺門前の紅葉

そして下山。写真は銀閣寺門前の紅葉。こちらも、当然夕陽に照らされ少々オーバーな色合い。観光客も増えてきて感染要注意の状況である。

さて、山行時間は1時間半強で、高低差400m程の登降であった(最高所は大文字山頂の466m)。こうして、短時間ながら無事遺構見分の役目も果たし、良き運動にもなったのである。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 調査・研究
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