
緊急宣言再出下
野営の厳重試行
案の定の、新型コロナ緊急事態宣言の再発出。これで3度目となるが、2度目が解除されてから僅か一月余の事態であった。
前回の宣言は感染者が減りきらない時点で解除が行われ、方々から懸念の声が上がったが、やはりそれが的中することとなった。大いに人が動く花見期を前に、脈絡に乏しい宣言解除が齎した報いは実に素早かった。
しかも、今回は全国で大阪が最も感染が多い場所となり、これまでの東京を中心とした拡散重心が関西にも分派するという新たな状況となった。
そういう訳で、今年も4月末から5月初旬の間、即ち「黄金週間」は、昨年に続き自粛が呼びかけられるようになった。
非強権体制下で早くに事態を鎮めた国や地域もあるのに、1年以上経って同様の繰り返しとは失政と言うほかなく情けない限り。春の内で最も良い気候のこの時期にまた不自由を強いられるなど実に迷惑千万な事態である。
故に、逼迫する医療態勢等にも鑑み、予定していた野営会を延期することも考えたが、参加者が極めて少ないこと、自家用車を活用した近隣間の「ドアツーフィールド」で殆ど他人と接しないこと、フィールド内でも感染対策を徹底できることなどから、予定通り実施することとした。
この調子では、まだまだコロナ騒動も収まりそうにない。また、収まっても類似の出来事がまた起こり得るだろう。今回の野営会は、そんな状況下でも安全に実施でき、身心の健康等にも益する為の試行ともなった。
但し、本来は連休前半を予定していたが、荒天と友人婚儀の延期により(これも気の毒な「コロナ鎮静失敗被害」)、急遽今日の決行となった。
上掲写真 前日までの荒天が改まり、申し分ない天候となった、滋賀県南部・湖南アルプス山中の沢や山林。人界の憂いや騒動を他所に、いつもと変わらぬ新緑の爽景を見せていた。

緊急事態宣言下にも拘らず遊山車輌で埋る湖南アルプス麓の林道
初めて見る盛況
良からぬ予感も
非常時のため公共機関を使わず、滋賀県在住者の車の迎えを受けて出発し、程なく現地山麓に着いた。いつもより早めに出て時間的にもかなり早く着いたが、驚くことに麓の駐車余地が全て埋まっていた。
川沿いの林道たるそこは例年バーベキュー場所として混む場所ではあったが、空がないほどの状況は初めてであった。仕方なく駐車場を探すことに暫し時間を費やし、その後偶々空いた場所に何とか停めることが出来た。
緊急事態宣言により、近場に人出が集中したのであろうか。暫く荒天が続いた後の久々の晴天ということもあろう。しかし、よく見ると、車の鑑札には大阪等の他府県も多く、中には関東ナンバーも幾つかみられた。
こうなると自分達の緊張感も揺らぎ、自粛の効果にも疑いを感じざるを得なくなる。また、まだ気温が上っていないのに早くも堰堤で泳ぐ家族やそのテント傍の落ち葉上に放置された焚火、ネットで得た低解像度の地図を示しながら現在地を訊いてくるハイカー等に、懸念や危険を感じた。
特に最後の例は2組もあり、安全が危惧された。基本的に、場所の特定が容易な車道で現在地を訊いてくるような人は山に入ってはいけない。都市に近く、低山とされるここでも、行方不明や遭難死は珍しくないのである。
これも、コロナ禍が引き寄せた事象か。賑やかなのは結構だが、何やら嫌な予感がしてきた……。

初の別所設営
麓での予感は山上にて的中することとなった。途中の登山路は然程人は多くなかったが、いつもの野営地に2組も先客がいたのである。
ゴールデンウイークとはいえ、これまで他人と被ったことがなく、同じ場所で長く続けてきて初めてのことであった。これもコロナ禍の影響か。以前我々が野営していたのを目撃し、真似たのかもしれない。
地下に埋めていた炉が掘り返され、妙な改変を受けていたことは気になったが、自分の土地でもないため、仕方なく別の場所を探すことにした。
写真は、その新天地で新たに構築した炉。調理用の竃であるが、今回は縄張(凡その規模や通気の方向)だけ私が決め、製作はI氏に担当してもらった。結果は、底に助燃用の空隙を備えた中々良い炉となった。
その他、平地が少ないため、テント場の整地等に手間取ったが、なんとか他の設備も整え新野営地を完成させた。一段落後、少量持ち込んだビールで一応祝杯。勿論屋外とはいえ会話はマスク着用、離れての賞味である。また、荷物になったが、除菌スプレーも備えて都度の消毒も心掛けた。

夜の食事・晩酌も問題なく
その後、写真の如く炉の上に夜露・朝露除けの屋根を設けるなどし、夕食の支度に入った。調理前に消毒し、マスクのまま準備をして調理を完了。
献立は、鮟鱇(あんこう)と鶏その他の鍋と、焼肉・焼野菜に白飯であった。勿論、食す際は、遠く離れて立ち食いか、「あっち向いてホイ」の余所見食いである(笑)。
夜は差入れの稀少焼酎等で晩酌もしたが、皆の理解と協力もあり、防疫的に何ら問題なく楽しむことが出来た。
「2021春野営会」2日目の記事はこちら。