
梅雨だけでない季節進行の早さ
先日、賀茂川(鴨川)の増水と共に観測史上最早の梅雨入りに触れたが、同じく例年より早い自然現象が身近で確認された。
それは、琵琶湖疏水分線、即ち「哲学の道」沿いの蛍の出現である。地元の保全組織「哲学の道保勝会」によると、平年より1週間程早い13日辺りから飛び始めたとのこと(5月25日京都新聞報道)。
まあ、これだけ梅雨も早まり、季節の進みも早いので、その出現が早まっても不思議ではないか。実は、新聞報道前の23日夜の帰宅時に玄関横に1匹が光っているのを発見し、出現の早さを直接実感していた。
その後、近所のことなので、何度か哲学の道を覗き、その飛翔を見ていた。そうして今日、また水辺と違う場所にて、思わず個人的遭遇を果たすこととなった。
上掲写真 哲学の道(右手)横の、琵琶湖疏水分線上を飛翔する蛍。暗くて判り辛いかもしれないが、右奥に疏水に架かる橋と欄干があり、その下から画像左下に向かって疏水の溝と水面が続く。2021年5月25日撮影。

玄関前の遭遇に続き……
個人的遭遇とは裏庭に現れたこの蛍である。当初は雑草の中で断続的に光を放っていたが、折角なので撮影のため土間口まで移動してもらった。
蛍自体は珍しいものではないが、比較的明るい条件でその灯りを見ることは個人的に珍しいことであった。
撮影後、また速やかに葉の方へ移動してもらった。恐らくは、以前の玄関前蛍と同じく、疏水から屋並等を伝い迷い込んだのであろうが、自然に任せることにした。
因みに、哲学の道のゲンジボタルは市街地に住む貴重な存在として京都市の天然記念物に指定されている。先日から網を持って捕獲しようとする家族を幾らか見たが、止めるべき行為であり、罰則を受ける恐れもある。

ほのかな灯りを点し暗がりを飛翔する数多のゲンジボタル(5月28日撮影)。今年はその数もかなり多い。去年からのコロナ自粛により生育環境が良化したためか。個人的には90年代までの多さが復活したように感じられた。とまれ、うちに迷い込んだ蛍もそうした影響なのかもしれない