2021年09月05日

暑秋水夢

飛石上から撮影した2021年9月5日夕方の賀茂川(鴨川)の流れ

雨後の、らしからぬ秋空

京都市街では9月に入ってまた天気が悪い日が続き、5日目となった今日、漸く晴れ間を見た。

とはいえ、写真の如く、夕方になっても雲が多めで、すっきりとした天候回復を感じるにはまだ時間がかかりそうな気配である。しかも、気温だけまた真夏日に戻り、秋を感じることも儘ならぬ状況であった。

まあ、天気が悪いのは秋雨時期故に仕方ないが、せめて気温だけでも下がって欲しいものである。などと思いつつ、夕方涼を求め賀茂河畔を歩く。

新型肺炎の流行第5波に因り遠出が憚られる所為か、写真では判り難いが、河畔には実に多くの人の姿があった。なかには、人が集中しがちな橋のたもとや飛石辺りで、家族連れなどが「密」になるような様子も見られた。

外故に、暑さ故に油断し易いのか……。

そこには、水着姿の子供の姿さえ。同情はするが、時期が時期だけに、また、遊泳に適した水質が保証された場ではないため、少々憂慮を感じた。


上掲写真 夕方の京都市街只中を滔々と流れゆく賀茂川(鴨川)の水。川面を横切る飛石上より上流を向き撮影。上空には秋らしい鱗雲(鰯雲・羊雲)が見えるが、今日の最高気温は真夏日気温の32度。湿度もあり、夕方でもかなりの暑さを維持していたため、見た目との相違が感じられた。


賀茂川河岸の白川放水路の暗渠から吐き出された大量の白川砂

賀茂川に銘砂の浜?

しかし、今年の夏も暑かったが、それ以上に、よく雨が降ったという印象の強い時季であった。そんなことを考えつつ上流に向かい歩いていると、ふと対岸の「浜辺」が目に入った。

それは、写真の如く、河岸の暗渠から吐き出された大量の白砂であった。実は、この暗渠は自宅近くの京都市街東部を南流する「白川」の洪水を防ぐために銀閣寺西麓付近の同川から地下経由で通された放水路であった。

白川は、元来その南部で琵琶湖疏水と混ざりつつ賀茂川にも放たれるが、この放水路は増水時に山から近い場所で逸早く一部の水を賀茂川に自動放流し、下流の溢水を防ぐ役割を有していた。

完成は平成20(2008)年で、当初からその存在を知っていたが、これほどの土砂堆積は見たことがなかった。それほど、今夏は雨が降り、また洪水の危機があった、ということなのか……。


賀茂川河岸に口を開ける白川放水路付近に形成された白川砂の長浜
賀茂川河岸に口を開ける白川放水路付近に形成された白川砂の浜

今夏の多雨で賀茂川に堆積した大量の白砂。撤去が必要な邪魔者に感じられるかもしれないが、実はその正体は、彼の天下の花崗岩銘石「白川石」に関連する「白川砂」であった。

白川石の細片たる白川砂は、同石と同じく白川上流の山間に産する特産品で、古来より京文化を支えた重要な産物である。つまり、京都の著名社寺の敷石や枯山水庭園等に使われる、あの白砂そのものであった。

しかし、そんな伝統文化と関係深い存在ながら、現在では白川石同様現地での採取が禁じられているため、大変貴重な存在でもあった。

賀茂川水浴場化計画

本来なら庭砂に持って帰りたいくらいだが、奇しくもこんな貴重で清げな浜が出現したのなら、これを活かせば良いのではないかと思った。

子供を始めとする、市民のための公認水遊び場として、である。実は15年程前から賀茂川の水浴地化を考えていた。水質を水浴場並に改良し、水泳を含む水遊びや避暑のための場を河川全体に創出するのである。

即ち、現状殆ど眺め憩うだけの存在から、その流れ自体を積極的に使う、河川利用の転換であった。

それは、高温が問題になる昨今の状況への対策にもなろうし、燃料・電力を使って遠出することも減らせよう。何より、毎年街なかに水浴場(場所により水泳場)が開かれるのは、想像するだけでも楽し気である。

また、150万都市の只中を流れる川で安心して水浴が出来れば、世界的にも珍しく、京都の魅力・評判を更に向上させるものになるのではないか。

実現は難しいように思われるかもしれないが、この辺りを含む賀茂川北部流域では下水道普及がかなり進んでおり、例えば「丸太町通以北」等の指定地を決め、その区間の整備を強化すれば比較的迅速・低予算で水浴場水質を確保できると思われる(今後の雨水分離施工の進展等も追い風に)。

付属施設等も同様で、指定区間に脱衣所付トイレを少し増やしたり、既存トイレに脱衣所を足すなどすれば良いと思われる。また、毎朝水質・水量・天候等を確認し、現地には旗や電光掲示、遠方にはインターネット上で水浴の可不可や注意を示すなど、その運営も比較的簡易に行えよう。

しかし一番の問題は賀茂川を取り巻く二重行政かもしれない(笑)。実は、賀茂川は河川敷を京都府、堤上の道路やトイレを京都市が管理しているからである(一級河川なので場合により国が絡む「多重行政」の可能性も)。

とまれ、自分が生きている間に何とか実現して欲しいと思う試みである。

以上、眼前に突如現れた異状に対し何やら色々と記したが、これも季節外れの暑さ故と思って頂ければ、是幸い……(但し水浴場計画は真剣)。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 逍遥雑記
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