
突然の季節画期
10月中旬というのに連日30度前後の夏日・真夏日が続いていた京都市街。
ところが、今日いきなり昼でも20度に届かない寒気に呑まれることとなった。先月末行った高地行の気分も抜けず、まだまだ夏山的高山行も可能な気すらしていたが、遂に気温低下、即ち秋到来を実感することとなった。
そんな、季節の画期となった今夕。高地行で壊れたカメラの代品試験を兼ねて自宅近隣を歩いた。劇場や美術館等がある文化地区・岡崎(左京区。市街東部)では、久々の参拝増加に誘われ、平安神宮にも立ち寄る。
写真は、そこでの一写。本殿横の殿舎等を試験撮影していたら、自分の陰が途轍もなく伸びていることに気づき、面白味を感じて撮った。
これも、諸物密集気味で狭い京都市街に於いて、例外的に空隙広い境内を持つ平安神宮ならではのことか……。

などと思いながら、美麗な緑釉鴟尾(しび)を見上げると、上空に微かな虹を見つけた。そういえば、寒気の所為か、先程から雲間の日射と微雨が混在する複雑な天候が続いており、それが虹の出現を促したようである

初め微かだった虹は、見る間に明瞭かつ長大となり、この通り境内を跨ぐ光輪の如き姿となった。それに気づいた他の参拝客らも、歓声と共に次々撮影等に興じる
大虹や過去との奇遇に感じ入る
あとで知ったところ、この虹は境内の規模を遥かに超え、京盆地東の市街を南北に跨ぐ巨大なものだったという。その特異さから、地元紙・京都新聞も本社屋上からその姿を撮影し記事にして紹介した。
また、これもあとで知ったことによる余談だが、虹下の殿舎「神楽殿」は結婚式場となっているらしく、以前から同じ役割だとすると、その昔、両親が挙式した場所となる。
即ち、既に母の胎内にいたという自分も関係した場所であった。虹のことは偶然にしろ、その美しさ・珍しさ共々、生まれ育った地元ならではの奇遇に、少なからず感じ入ることとなった。