2021年12月12日
醐山子供会
初の子供山会開催
今日は朝から子供山会の引率で醍醐(だいご)へ。
醍醐は京都市東部の山科盆地南にある場所で、地下鉄も通っているので、京都市街中心からも比較的近場といえる。
醍醐といえば、その由来となった醍醐寺。今回はその背後にある醍醐山(454m)に登る。「山」といっても、山上に醍醐寺の飛地伽藍「上醍醐」があるので、ほぼその参道を上りゆくような道程である。
今回はいつもの山会(やまかい)ではなく子供主体の山行。以前から子連れ可能な企画の要望があったが、今日初めて実験的に行うこととなった。
参加者は3世帯で、1歳半弱の幼児から小学1年まで3人の児童を含む。整備された参道をゆく低山行とはいえ、果たして上手くいくのやら……。
上掲写真 醍醐寺(下醍醐)の総門から東西に伸びる境内主路「桜馬場」の果てに建つ西大門(仁王門)と、その背後に覗く醍醐山。
朝、地下鉄駅で集合し、同醍醐駅に到着。そこから下醍醐の伽藍を経て上醍醐への登り口に向かう。
その距離は2km程なので、子供らの具合を見ながらゆっくり進む。一応小学生以外には背負子の用意があったが、興奮の為か、意外と乗らず(笑)。
以前は、この時期(拝観閑散期)なら西大門から真っすぐ境内を抜ける近道が採れたが、今は通年有料化したため境内を迂回する形で進む。しかし、写真の通り、そこで見た紅葉は意外と美麗なものであった。
下醍醐境内脇を山側の奥へ進むと、やがて上醍醐への入口となる寺院「女人堂」が現れた。ここで入山料を払い(小学生以下無料)、いよいよ山間に入る。上醍醐入山も以前は無料だったが、変更されたようである。女人堂は上醍醐女人禁制時代の名残り。往時は女人の結界であったが、今は無賃入山者の関門的存在となっていた
女人堂から上醍醐へと続く参道。上醍醐への山間路は最初比較的傾斜の緩い道が1km程続くため、子供も特段文句を言わず
しかし、修験時代の行場とみられるこの「不動の滝」を境に、道は無数のつづらを成して一気に高度を上げる。その前に、皆に休息を促しそれに備えてもらう。付近には丁度椅子のある小屋などがあり、正に適地であった
休憩後は一同つづらの急登に挑む。1歳児を背負うお父さんも頑張りどころ。まあ、そこまで幼い子は背負わざるを得ないが、その他の子は意外と頑張っている。実は今回最大の難所のここでむずかり進退窮まることを危惧していたが、杞憂に終った
上醍醐伽藍域へ続く参道と上醍醐寺務所の門
上醍醐到達
高低差100m以上のつづらの急登を越すと比較的なだらかで真っすぐな登りとなり、やがて標高約400mの峠を越えて上醍醐伽藍に入った。
国宝の中世建築「清瀧宮(せいりゅうぐう)拝殿」等を観覧しつつ、小休止がてら、この名水「醍醐水」の祠へ立ち寄る。醍醐水は醍醐寺を開いた理源大師聖宝が発見した霊泉で、大師が最初に庵を営んだ場所という
醍醐水の祠傍には取水用の蛇口があり、補給用等の水を頂く。皆、入山料とは別にお賽銭を入れるなど、中々殊勝な心掛け……
醍醐水脇の石段を上った先には、近年落雷で焼けた「准胝(じゅんてい)観音堂」跡の開けた場所があり、その脇には、子育地蔵尊なる微笑ましい姿の石佛があった。子供らもその姿に感じ入ったのか、自発的に手を合わせ始めるが、神道風の柏手になっていたのはご愛敬(笑)
空地での昼食を済ませたあと、一先ず上醍醐の他の伽藍も参観。これは平安末期築の上醍醐最古の佛堂で、国宝の「薬師堂」。大陸風の剛健を感じさせる貴重な佇まいである
薬師堂の次は豊臣秀頼再建の重要文化財「開山堂」等を経てこの「五大堂」へ。昭和の再建らしいが、中の佛画等が平安密教の雰囲気を良く伝えていた。毎年2月23日に行われ、大鏡餅の持ち上げ大会で著名な「五大力さん」法要と関連する佛堂だが、催事は主に下醍醐の金堂で行われている
五大堂前の苔上(自然発生のもので立入制限のない場所)に寝そべる子ら
山頂代替で無事終了
本来は五大堂脇から近くの醍醐山山頂への登頂を予定していたが、倒木伐採を理由に道が封鎖されていたため叶わなかった。
かなり以前から伐採中のままになっているらしく、また五大堂裏からの道も全て柵等で塞がれているので、他の山域とも繋がる山頂自体への出入りを寺が望んでいないように思われた。
これも以前は問題なく山伝いにこれた筈。真意は不明だが残念な限り。せめて昼だけでも通行可能にしてもらいたいと思った。
仕方なく、今回はこの五大堂参観を以て登頂の代替とすることにした。ここの標高は445m程なので、醍醐山山頂に比して僅か10m程の不足となる。
さて、五大堂からは元来た道を下山。下りも特に問題なし。今日は温暖で、12月ながら比較的快適に過ごすことが出来た。
子らの頑張りや皆さんの努力・協力に感謝!
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