2021年12月19日
雲取新雪
京都初積雪翌朝
京都地方気象台によると、ここ京都市街で初雪が観測されたのは今月1日夜。平年より10日、昨年より14日早いという、19年ぶりの早さであった。
そして、昨日18日の朝、南下してきた寒波の所為で市内各所で降雪が確認された。市街東部の自宅ではその前夜に積雪を確認出来たが、夜の内に融け、付近の山々にその白さが残った。
今年の初雪は12月1日だったが、同17・18日は今季初の積雪「初積雪」とすべきか……。
とまれ、予てより近場での雪山個人鍛錬の再開の機会を窺っていたが、遂にその時がきた。ただ、昨日は時折雨が降るなど天候が悪かったため中止し、今朝向かうことにした。
上掲写真 貴船奥地・京都北山(丹波高地)の林道上に落ちる、北山杉梢の積雪。陽が出て穏やかな天候だったが、山中は昼でも氷点下の寒さのため落雪も水に成らず粉雪の状態であった。そして、それが更に陽光を受けて風に舞うと、恰も「ダイヤモンドダスト」の如き美しい姿となった。
雪の北山へ
さて、向かったのは京都市街北部に連なる北山山地。早朝は市街でも凍結の恐れがあったので、明るくなってから車輌で進んだが、それでも岩倉等の北郊路上には若干氷雪が見られるなどした為、慎重に進んだ。
そして、賀茂川(鴨川)源流域の一つ「貴船」を経て峠道に進む。しかし、早くも路面が危うくなり、峠下のかなりの地点で車行を断念せざるを得なくなった。
まあ、貴船の麓でも氷点下の気温だったので、ここまでこれただけマシか。そして、その後、路面の雪を避けつつ、歩いて奥へと進んだ。
やがて辿り着いたのが写真の芹生峠(せりょう・せりう。標高約700m)。京盆地北縁の一部で、旧山城・丹波国界となる「城丹尾根」上にある丹波山地の入口であった。
なお、市街側となる表側(南)の路面積雪は少ないが、裏側(北)はスケート場の如き様が続いていたのは、いつもの通り……。
そして峠から慎重に歩みを進めること約1kmにて芹生集落着(標高約620m〜)。周囲の山々共々すっかり雪に埋もれている。この集落入口の舗装路上にて派手に転倒。前もってストック(山杖)2本を用意し、滑り止めを備えた雪靴を履いていたにも拘らず。しかも全くの平坦地。山道でもまず転ぶことはないが、簡易計が-5度を切っていたので、低温と関連か。因みに、かなり警戒して臨んだ帰路も、やはり中央の古民家付近で転倒(笑)
芹生集落上手にある旧芹生小中学分校もこの通り。積雪は15cm程か
芹生集落を過ぎ、林道化した道を更に北の奥地へと向かうが、間もなく車の轍も消え、先行するのは獣の足跡のみとなった。積雪は少しづつ増す
更に進み、ここで林道と別れ、道なき雪の山中に入った。人は無論、もはや獣の跡も無し
道なき山中では更に雪が増え、積雪は30cm程に。ただ、根雪のない新雪により底つきして比較的歩き易いため、ワカン(かんじき)は付けず
山頂へと向かい傾斜が強まり、また沢上の斜面を巻くためアイゼン(靴底氷雪爪)を装着。危険な場所はないが、ピッケル(斧頭雪杖)が欲しい場面があったので、訓練兼ねて持参すればよかった、と後悔
やがて山頂直下の急斜に至る。左側に以前無かった倒木群があり、上部からの流下が窺われた。しかし、日陰の為ひたすら寒い。いつもなら途中で外す羊毛帽も気にならぬ程。簡易計をみると-7度辺りを示している。ただ身体から近い場所に提げているので実際はもう少し低いか。纏いつく雪もその所為で身を濡らすことはなかった。近畿では珍しい優良な雪質である
意外の山頂
急な雪面を、時に自在に、時に夏道の跡を辿りつつ登り、やがて陽当たりの良い写真の山頂に到着。京盆地北方・城丹尾根付近の最高峰「雲取山(911m。但し雲取北峰の方が少し高い可能性あり)」である。
このサイトではお馴染みの場所であるが、やはり、時季の最初はここに来たかった。しかし、芹生峠下での歩行開始から人は疎か車にも遭遇しなかったが、意外にも山頂には先着パーティーがいた。
恐らくは、麓までバス便があり登山口からの時間も少ない花脊別所(はなせべっしょ。鞍馬の北奥)からの往復であろう。一番乗りにはならず残念だが、片道6kmの長程歩行となったため仕方あるまい。
なお、山頂付近の積雪は40cm程。経験的にこの北が更に雪深くなることを知っていたが、今日は既にここまで来るのに時間を費やした為これ以上の進出は控えた。
京都・雲取山山頂直下から見た京都北山・丹波高地の雪景色
山頂にて貰い物の苺大福と茶で小休止し、元来た道を戻る。本来はもっと早くに下山して当初誘われていた友人一家の外出に合流するつもりだったが、前述の道路事情等の所為で所要時間が増し、叶わなかった。
一応、それが予想可能となった貴船にて先に電話を入れて説明していたが、残念なこととなった。その代わりと言うのもなんだが、今季初の記念的新雪行を済ますことが出来たのは、個人的に一先ずの幸いであった。
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