
不意の大雪
前夜、特段冷えると思えば、深夜から雪が積もり始めた。
本来なら暗闇に沈む庭底が白光する様に感じ入ったが、夜のみの奇特かと思い特に気に留めなかった。ここ京都市街では、雪が積もっても、すぐに消え去ることが多いためである。
しかし、今朝は違った。明るくなり始めた朝7時過ぎには更に雪が厚くなっており、剰(あまつさ)え、大粒の雪さえ降り続いていたのである。
目測ではその積雪は15cm程もあった。北国や山間の人にとっては大した量ではないが、ここでは「大雪」とされる状況である。
先週も降雪の注意が報じられたあと雪が積もったが、その時は市東部の自宅辺りでは薄っすら程度しかなかった(市中心部は8cmを計測)。
今回はあまり大雪への警戒を聞かなかったので、何やら不意を喰らった気分となったのである。
上掲写真 雪の重みで竹垣に倒れかかる庭の南天。降雪が止み、少し雪が融けた午前10時半頃撮影。それでも、ここら辺では多量といえた。

寒さの底「大寒」らしき一日
報道によると、今朝8時前に大雪警報が出されたらしい。夜中からかなり降っていた筈なので、これでは後出しじゃんけんのようである。
朝目覚めて忽然と大雪状況が現れたなら、通勤・通学の人らもさぞや混乱したであろう。気象台や報道も、もう少し早く、そして精度よく知らせてほしいものである。
とまれ、今回は積雪14cmと発表され、5年ぶりの10cm超の「大雪」となった。ちょうど暦の上(二十四節気)では昨日20日は年中で最も寒いとされる「大寒」であり、それを裏付けるような状況となったのである。
まあ、「今季は寒く、雪も多い」とした、昨秋の長期予報が当ったともいえるが……。
折角なので、諸々の区切りがついた午後、近所の丘上から5年ぶりの大雪の様子を見ることにした。しかし、完全に出遅れてしまった。なんと、昼までほぼ残っていた雪が、正午過ぎから一気に融け始めた為である。
気温は結局このあと6度までしか上がらず、すぐに融ける状況ではなかったが、やはり、これも京盆地特有の事情によるのか……。
写真は大文字山及びその山麓の様子。家々の屋根の上に雪が載り、五山送り火の火床(山の中央上部、三角に禿げた場所)に白く雪がついているが、今朝は更に有ったとみられる。

こちらは高台より北方を見たもの。未だ多量の雪を擁す筈の奥の北山(丹波高地)は、未だ雪が降っているのか、白けて全く見えなかった

高台上に立つ真如堂(真正極楽寺)の三重塔もこの通り
寒さの底、大寒――。
大雪はすぐに減じたとはいえ、今日は、久々に本来的な京の冬風情を感じた一日となった。