2023年05月12日
古跡伐荒
雨前の懸案解消へ
爽やかだが季節外れの暑さが続く、黄金週間明けの週末。明日からの雨天を前に予定を入れ替え、午前から近山へ出かけた。
目的は、以前発見した山中遺跡の遺物保護。比較的重要・稀少と思われる遺物の散逸や破損を防ぐため、一旦代理回収するためであった。
その後は、以前行ったように、京都市文化財保護課に連絡して引き取ってもらうか、現地に戻す(引取り判定を得なかった場合)予定であった。
勿論、鍛錬を兼ねたものでもあったが、遺物については以前から気掛かりとなっており、梅雨等の豪雨影響が生じる前に急ぐ必要があった。
上掲写真 京都東山山塊の新緑が眩しい、鹿ケ谷上部の如意越口。
登山口から1時間程を経て東山(大文字山・如意ケ嶽)深くに進むと、何やら注意貼りが……。この先での伐採作業中の注意を促すものであった
注意標示が現れて暫くし、いつになく樹林向こうが明るい、という異変に気づく。ん?
状況一変!
遅参悔やむ
更に進むと、なんと写真の如き、広大な伐採地が現れた。しかもそこは、今日の目的地たる、幻の古代寺院・如意寺本堂地区跡と重なっていた
そして伐採地内に進むと、このような感じに。作業は台風倒木の整理が目的のようだが、残存草木を含めた一切が伐られ、以前の倒木原とは異なる荒廃ぶりを晒していた。また、倒木等は除去されることなく丸太状で積まれて遺構表面を覆い、その過程に因るのか、地表や古道もかなり荒れていた。重要な遺跡地区なのに、こんな手荒な施工で大丈夫なのか。そして、地区を東西に貫く古道には、何故か強固な網柵が左右に張られ、伐採地縁の同様と相俟って、施工地内への進入が完全に遮断されていた
何やら嫌な予感がしていたが、やはり的中した。発見した遺物露出地も荒れ、救出予定だった緑釉皿も破損していたのである。仕方なく、小さくなった残存片を何とか回収した。もっと早く回収しなかったことが悔やまれる。その他、写真の如く無数の散乱陶片が確認出来たが、丸太が積まれ、地形自体も変化したように思われたため、最早発掘等の調査は行い難いと思われた。実は、こういうことが無いよう、発見してすぐ保護課担当氏に遺物の写真付で通報したが、またもや無視されていたという事情があった。いい加減だけならいざ知らず、遂に実害に至ったため怒り心頭である
如意寺本堂地区の公的機関未調査地で発見した古い緑釉陶器片(上)と倒木整理作業後のその姿(下)。元は原形に近い姿だったのに、残念無念!
ともかくこの状況と遺物について別途保護課に連絡するしかない。その際には、担当氏の怠慢と失態も通報したいと思う。しかし、この皆伐行為には利点もあった。それは写真に見えるように、堂跡平坦地が判別し易くなり、本堂地区全体の様子が観察し易くなったことである。また、遠く大阪・奈良県界の金剛山まで見渡せる好眺望地であることも明らかとなった
驚きと無念さを胸に山を下る。途中大文字山山頂を経て、この様な好眺望を得たが、いまいち気分は晴れず。そういえば、ついでに昨年同様新茶も摘みたかったが、それも叶わなかった
走るより歩きが速い?
その後、かの「五山送り火」の火床を経て銀閣寺へと下るが、先行の超軽装トレラン女子組を抜くことに。水だけを背負い走る女子に比べ、鍛錬のためフル装備の重荷で歩く私の方が、かなり早く麓に達した。
平坦な巻道では当然走る方が早く、一度は追いつかれかけたが、その後の急な下りでは速度が出ず、結局差が開いたようである。まあ、こちらが比較的大股だったということもあるが、意外であった。
ともれ、大文字山のような老若男女が行き交う山道で用もないのに走るのは危険である。ましてや徒歩に劣るようでは、根本意味のない行為のように思われた。
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