2024年03月03日

上巳暮雪

比良山脈・コヤマノ岳付近の、夕陽を反す林間の雪や樹氷

寒波再来と奥越行代替に

今日の冒頭写真は、雪積る山上林間とその枝先に生じる樹氷。

夕方撮ったものだが、本来この時期なら、山上であっても、その時間は昼の日射しで消えている筈。しかし、確り残っていた。即ち、昼間の気温が低かったのである。

今日は京都市街で12度を超す気温となったが、標高1200m近い山上では、その恩恵は少なかった。


雪が溶けた比良山脈・イン谷口の駐車場

今日は今季最後の雪山探訪として、朝から隣県滋賀に向かった。場所は月初と同じく、同県西部で、京都市街北東郊外に接する比良山脈。

その訳は、先週寒波が来て同山にまた雪が積もったらしいことや、先月の連休中に予定していた奥越登山を中止した不満等に因った。

しかし、元より雪が少ないことに因る期待の低さや、往路の峠凍結等を警戒して、登山口に着いたのは昼前であった。

そして登り始めたのは昼過ぎ。さっと登り、さっと雪上を歩き帰るつもりだったが、冬山に慣れない人は決してこんな横着を真似ないように……。

とまれ、写真の如く、麓の駐車場にほぼ雪は無し。張り切って朝早く来なくて良かった、と、ある意味安堵も(笑)。


残雪ある金糞峠への登山道
登山道を進み、暫くして雪が現れたが、アイゼン(靴底氷雪爪)装着する程でもなし


残雪が溶けた比良山脈東斜面の難所「青ガレ」
比良山脈・湖西側(東斜面)の著名難所「青ガレ」も殆ど雪無し。ここは雪で岩が隠された方が通過しやすいので、ある意味迷惑(笑)


比良山脈・金糞峠直下の谷なかの少ない残雪
そして、標高を上げると、谷なかの道にも少しは雪が増えたが、雪山と呼べるものではなかった


残雪少ない金糞峠から見えた晴空下の青い琵琶湖
やがて比良主稜線にある峠の一つ、金糞峠(かなくそ・とうげ)に到着。峠の切れ込みから晴空下の青い琵琶湖も見えたが、雪が目的なので、心弾まず。ここで引き返すことさえ考える


比良山脈・金糞峠西直下の意外な量の残雪
金糞峠にて少し休憩し、先程先行者が降りた峠裏を覗いてみると、なんと、そこから先には結構な雪があった。気を取り直し、もう少し先の、標高の高い山上を視察することにした


意外と雪深い、比良山脈・コヤマノ岳山頂
金糞峠向こうの雪深い谷なかを進み、その後尾根に上り、只管高度を上げ、比良第2位の高所・コヤマノ岳(1181m)に至る。330m程の高度差は前回は何ともなく一気に登れたが、今回は息が足らず、苦しかった。何やら右肺の一部に穴でも開いているような感じ。ワクチンの副反応で苦しんだ奥黒部行同様の症状である。まさか、コロナにでもなったか……


コヤマノ岳から見た冠雪する釈迦岳や、その彼方の琵琶湖等々
雪山越しに琵琶湖等が見える眺め良きコヤマノ岳頂にて遅い昼食を摂ることに。時間も遅く、ある程度雪を楽しめたので、ここで引き返すことを考えたが、心配して声掛けしたマレー華人の若い男女に触発され(峠下で抜いたが昼食中追いつかれた)、というか、やはり少し心配して、この先に近くにある山脈最高峰・武奈ヶ岳(1214m)まで進むことにした


コヤマノ岳近くから見えた雪の武奈ヶ岳山頂
昼食休憩後、コヤマノ岳を後にすると、すぐに武奈ヶ岳頂の姿が現れた。その山上には、先程会ったマレー華人二人の姿も


冠雪する武奈ヶ岳山頂と山名標識
途中、下ってきたマレー組と挨拶を交わし、やがて武奈ヶ岳山頂着。時間は3時半。本日最後の訪問者となったのか、誰もおらず、また、来なかった


武奈ヶ岳山頂からみたコヤマノ岳や蓬莱山等の雪景色
登山口側の山脈東面では想像し難かったが、武奈ヶ岳山頂から見る比良の深部や高所は、全くの冬山景であった。途中で止めなくてよかった。来た甲斐があった


雪が降る3月初めの金糞峠下の谷
まさかの雪降る金糞峠下の谷道

嬉しい交流と降雪の下山

武奈ヶ岳山頂では休憩せず、少し眺め、そして撮影してすぐに来た道を戻る。コヤマノ岳山頂下で早くもマレー組に追いつき(漢語で速い!と驚かれる。笑)、暫く共に話しつつ下った。

それによると、彼らは京都の大学に留学してる学生だという。登山歴は少ないらしく、雪山も初めてだが、東南アジアでは得られない経験に感動すること頻り。

また、普段から日本の色んな場所や山に行っているらしく、四季のある日本の素晴らしさを堪能しているとのこと。我々の身近な地域の自然と、その奥深さを理解してくれて、こちらも大変嬉しかった。

実に素晴らしい若者たち。これからも貴重な経験を重ねて、有意義な滞在生活を送ってほしいと切に願い、金糞峠から先を急がせてもらった。

独りで降る峠下の谷みちに、意外の雪が降る。やはり、まだ寒かったのだ。標高を下げると、やがてそれは冷たい雨と化したが、今季最後かもしれない雪の余韻に浸りつつ下山したのである。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山会
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