
驚きの春前寒波再来
なんと、3月下旬にもかかわらず、京都市街から冠雪が見えるような寒波が再来した。
昨年冬前に発表された長期予報が訂正され、4月初旬まで平年並みかそれ以下と報じられていたが、それ以上の事態となったので少々驚かされた。
恰(あたか)も大寒頃の気候に戻ったような状況。まあ、本来は花見の頃でも雪が舞うことはあったので、一時的に昔に戻ったようなだけか。
今度こそ、今季最後の近場の雪かと思い、急遽また市街北の北山(丹波高地)を覗いてみることにした。
上掲写真 立木に吹雪の跡残る、3月下旬の京盆地北の雪景。一旦消えかけた積雪が、再度の寒波により盛大に復活していた。

北山への車道は先週より氷雪で険悪なものとなり、苦労して峠越えを行い、なんとか林道始点に

林道始点から歩き始めたが、最初こそ少なかった積雪も直に増えてワカン(輪かんじき)なしでは進み難くなった

沢に架かる林道橋も、この通り雪に埋もれて端が判らない状態。水面まで通じる穴もあったので大変危険であった

林道歩きを終え、本格的山道区間に入ると更に積雪が増し、また沢が埋もれるような状況となっていた。近くの集落の情報によると寒波が再来した火曜から水曜にかけての晩に一気に積ったようである。気温が低いため未だ殆ど崩落を見ないので、雪崩に用心して進む

山頂下の急斜谷もこの通り真冬景に。近年の京都市内(一応ここも右京区内)としては、少々信じ難い光景であった

山頂へと続く急斜を進み、下部を振り返る。ワカンやアイゼン(靴底氷雪爪)を装着するも、深いところで50cmを超える新雪に喘ぎつつ登る。場所によりピッケル(手摺となる氷雪斧)が欲しいことも。まさに、春を前にした異状の雪塗れに

やがて標高911mの山頂着。祝日ながら、今日は先行者の足跡無し

今日も、同じく少し北方の雲取北峰山頂(標高約915m)まで進み、そこで最初で最後の休息に。完全な冬山景が広がるが、さすがに陽射しは厳冬期と異なる春の力があり、比較的寒からず

雲取北峰山頂を覆う、まさかの3月下旬の新雪越しに見える、彼方の武奈ヶ岳(標高約1214m。滋賀西部・比良山脈最高峰)。比良山脈も盛大に積雪が復活したようである
有意義かつ貴重な山行に
休息後、自身の足跡を踏みつつ、また元来た道を下山。
前回と代り映えしない道程となったが、個人的には3月下旬の近場新雪を堪能できた有意義かつ貴重な山行となった。