
今日こそは
先週、空振りに終った奥山の観桜。その山桜大樹の開花と満開時期を特定すべく、今日も奥貴船に出掛けてみた。
京都市街では桜諸種の花期も終いとなったが、果たして山上は如何(いか)に。
上掲写真 新緑眩しい貴船神社石段下の鳥居口。途中に立ち寄り一写。

時折落石散る峠道を車輌にて慎重に上り、山上の集落に至る。そこでは青空に咲く満開の桜に迎えられた。幸先良く、気分も高まる

集落外れに植えられた桜も満開に。先程の山桜系とは異なり、これは街場で馴染深い染井吉野かと思うが、高所の環境を思うと貴重である。しかし、北海道中部の札幌での桜満開(蝦夷山桜)が2日前の発表だったので、近場のここの方が遅いとは驚きであった。近山山中のここは家の北方僅か十数キロ、かたや札幌は一千キロ以上離れた遠隔北地のためである

さて、山に入ると他の樹々の芽吹きも確認された。やはり桜開花は平地同様、春のトリガー(引き金)なのか

そして、目当ての桜大樹はこの通り。遂に開花確認。月初の視察を含めると、正に三度目の正直となった。ただ、その割合は満開的なものには見えなかった。まだその途上か、または既に散り始めたか……

しかし、樹下に花弁はなかったので、満開への途上のように感じられた。ただ、樹の大きさに比して花弁が小さかったので、既にこれで満開との可能性も生じた。何れにせよ、開花期は特定出来たので、来年以降は容易に観察できそうである

桜大樹の花弁を望遠撮影し、更に拡大したもの。やはり葉が多く、大きさも大きいので、咲き具合としてはかなり進行している可能性が高まった。機会あれば来年また観察し解明を図りたい。とまれ、誰もいない奥山で暫し稀少な桜花を眺めた

桜の近くにはこんな樹の開花も

恐らくは李(すもも)だと思うのだが、如何に。その後、近くの小屋に人がいたので桜大樹の開花時期や咲き具合を尋ねると、やはり今頃が時期だと言い、咲き具合もあれくらいで満開ではないかと言う。これまで盛大に咲いた様を見たことがないらしく、やはりあれが盛りなのかと思った

折角なので、今回もまた山上に上る。高所である稜線下の橅(ぶな)や栗の林にも、遂に薄っすらとした新芽の緑が現れていた。漸く奥山にも春来る、という様か

そしてまた、山上から更に見晴らしの良い峰まで移動

近くの山の高所にも満開らしき桜の姿が見られた(中央下)

更に山上では、馬酔木(アセビ)の花も確かな春到来をしらせていた。彼方に見える比良山脈最高峰・武奈ヶ岳(中央上。標高1214m)にも、もう残雪は視認出来なかった

山上にて軽食休憩後、下山開始。その途上、樹々の狭間からこれまで気付かなかった桜樹を発見。これも花期ならではの出会い。土崖伝いに近づいてみると、中々の樹勢を誇る壮木であった

人知れず咲く桜の、対面急斜に倒木が成した露台地より、正面から花を観察。正に満開に違いない状況で、暫し贅沢な観桜をすることが出来た。十分花見に耐えうる量感で、先程の大樹とは樹種が異なるように思われた。あちらの方はかなり珍しい種か個体かもしれない
下山後は、また麓集落の知人宅に寄り、長らくの四方山話に。そして、市街に帰還したのである。