2026年02月08日

湖西荒雪

強力寒波の吹雪により忽ち雪に塗れる滋賀マキノ山中の雑木の幹

最下段に追記あり(「続きを読む」をクリックで表示)

警報級予報での山行

既に数日前から荒天・大雪の予報が出ていたが、誘われていたため朝から山へ向かう。

身内からも、こんな日の山行を反対されたが、装備・対策を万全にし、危険少ない場所に無理せず行ける処まで、と説得し出掛けた。

確かに、自分独りなら中止必至の状況だったが、初心者及びそれに近い集いだったこともあり、先導・引率者的に出向くことにした。

果たして、その結果や如何(いかん)。


上掲写真 強まる風雪に、忽ち霊芝共々雪に塗れる山の雑木。


先週の寒波の多量の雪が残る、大寒波到来日朝のマキノスキー場や背後の雪山

まさかの寒波危険地へ

京都市街東部から車行ひたに北上して着いたのは、隣県滋賀北西のマキノという地。

江若国界即ち福井・滋賀県境という、今寒波で最も危うい場所の一つであった。何故ならば、山の後背が日本海・若狭湾となっており、最近話題の寒波源JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が直撃する場所だったからである。

行き先は友人に任せていたが、まさかここを選ぶとは思わなかった。正に、知らぬが佛の怖いもの知らずか(笑)。まあ、今朝はどこも降雪は無く、すんなり現地入り出来た、という事情もあった。

予報では未明から京都市街でも降雪の筈だったが、それが外れたのである。まあ、それでも山のことなので、また寒波到来日なので油断は禁物。

さて、先週の寒波の影響で田や山に雪はあれど路上にはない滋賀北部に入り、先ずはとある山麓集落の登山口を目指したが、途中から道が雪で埋もれていたため断念。やはり除雪の役割は偉大である。

仕方なく、写真のスキー場に移動し、眼前に見える当初目標とした山を別路から目指すこととした。


寒波到来日朝のマキノスキー場から見た、只ならぬ雰囲気で霞む大谷山山頂付近の野坂山地稜線
スキー場背後の連山を拡大。所謂、野坂山地及び高島トレイルと呼ばれる場所。中央の白い稜線付近が、本日目指す大谷山(814 m)であった。うーん、いつもなら特段難なき山と思われたが、今日は完全な雪山風情で、しかも見るからに只ならぬ雰囲気で霞んでいる


大谷山への出発直後にマキノスキー場のゲレンデで遭った地吹雪

出発早々の天候変化

山を見た直後から経験的・直感的に危うさを感じていたが、登山届を投函し、一先ず行けるところまで行く方針で出発した。

ところが、出発直後のゲレンデ歩きの段階で、写真の様な地吹雪に早々見舞われる。鼻がもげそうな寒さと強風で、急ぎ厠棟の風裏に逃れ、目出帽を装着した。

それがない同行者は顔が真っ赤になっているが、手拭でも巻いて対策してもらう外なし。


大谷山への出発後にマキノスキー場のゲレンデで降り始めた雪

先ずはゲレンデの上部まで進み、その後の林間に入って写真正面の小山の左肩を進み、頂部後方に続く主稜線への急登へ向かうが、この通り、雪も強まってきた。

私は装備的・体力的に問題ないが、準初心者的な同行者が更に過酷な稜線に出ることは、この時点でほぼ不可能だと判断。とにかく、本人が納得、または断念するまで見守ることにした。

因みに、今日の提案者たる雪山初心者は故障に因り直前に不参加になっていた。これはある意味双方に幸いになったのかもしれない。


寒波の雪と怪しい雪煙に覆われる、マキノスキー場から寒風・大谷山へと続く登山道

林間に入り、強まる登坂を進むと、風こそマシになったが、気温が一段下がったように感じられた。

同行者の歩みが遅かったので、まだそれ程高度は上げていなかったが、簡易計では-5度に達していた。

やはり、昨日の予報が遅れ、今まさに寒波に呑まれ始めていると実感。怪しい雪煙で周囲の眺望が全くない灌木の林を進む。

足下には先週の寒波等による積雪が数十cmあったが、その後の温暖で緩み、それを人が踏み固めていた為ワカン(輪かんじき)は要らず、アイゼン(氷雪靴爪)のみで歩けた。

なお、林間に入った直後に、連続して二人の先行者が下ってきたのと出会う。話しかけられた内容では、やはり荒天で登頂を断念したとのこと。

我々も、あとどれくらいで切り上げるか、という感じとなったか。


寒波による雪が降りしきる、マキノスキー場から寒風・大谷山への山道

限界点に

雪の登坂と降雪に難儀する同行者を先導し、新雪で消えつつあるルートを踏み示して進む。進んでは待ち、場合により戻って道を外したり異常がないかを確認しつつ。

そして、途中、本人の限界を訊き、主稜線下の小頂までで引き返すことに。やがて、写真のそこに着いたが、更に降雪が強くなっていた。

気温は-7度程まで下がっている。まだ標高600m弱なので、同900m近い稜線では-10度超える可能性が高いだろう。

吹き曝しの稜線は平時でも風が強いので、今日なぞの体感温度はかなりのものになりそうである。そうなると、自分の今日の装備でもギリギリの状況となる。やはり、これで撤収が正解のようである。

少々名残り惜しいが、今日は致し方なし。


マキノスキー場上部と前山を結ぶ峠からみた、大谷山方面の雪の稜線

遅い昼食と美しい眺望

さて、小頂から下山を始め、その途中、休憩適地を探す。

昼を大きく回っていた為だが、さすがに時間がかかり過ぎ。同行者には準備時間の短縮を含め、体力や対処技術・知識の向上を願いたいと思う。

そして、結局小山からゲレンデに下りる峠裏が、最も風を避けられる為そこにて遅い昼食休息をとった。丁度雪が止んでくれたのは幸いであった。

写真は、雪が止み、漸く視界が開け始めた主稜線方面の眺め。中央奥に主稜線の雪原が覗く。


マキノスキー場上部と前山を結ぶ峠からみた、風で雪が舞い上がる大谷山方面の稜線
休憩地峠から見た大谷山方面の主稜線には幾つもの雪煙が見えた。やはり荒れているようである。いや、先程までそれも見えない程だったので、これでも小康状態とみるべきだろう


マキノスキー場上部と前山を結ぶ峠から見えた、美しい麓の雪景色
休憩地峠の麓側も、何時の間にか眺望が開け、美しい麓の雪景色が覗いていた


マキノスキー場上部と前山を結ぶ峠から見えた、メタセコイア並木の雪景色
昨今人気のマキノのメタセコイア並木(中央)もこの通り。朝そこを通った際、結構人がいたが、この雪景色が目当てだったのかもしれない


マキノスキー場上部と前山を結ぶ登山道から見えた、湖岸の雪景色と荒れる琵琶湖
昼食を終えゲレンデへの下りを進む。途中この様に琵琶湖方面も見え始めた。湖岸も一気に雪が載ったようである。因みに、写真では判らないが、肉眼では湖面が波立っている荒れた様が見えた


マキノスキー場上部と前山を結ぶ道に新たに積って足跡を消す雪
つい先程通った許かりの我々の足跡さえ、帰路このように雪に消されていた。短時間で足された雪量は10cm以上か。ルート取りが出来ない者、これに適する勘が働かないものは、たとえ低山でも雪山に入ってはいけない


マキノスキー場から見た、寒波でまた荒れ始めた大谷山方面の山上
眺望が開けたことで同行者は「雪も終りでは」と語ったが、私はそれを否定し「今日は繰り返すのでは」と答えた。それは空の重さや琵琶湖に吹き込む雪の状態等から、ここのみ一時的に止んでいると判断したからである。そして、案の定、ゲレンデに下降する頃に、また山上が荒れ始めた


マキノスキー場の雪原に立つマキノ高原の地図標識と再び荒れ始めた背後の野坂山地
再び荒れる山を背にする山行終点のマキノスキー場

山より危うし?

やがて無事下山出来たが、同乗してきた車輌には10cm程雪が積もっていた。一先ず雪を払い、ワイパーを立てスキー場の温泉に入った。

珍しく水筒やストック(山杖)のベルトが凍る程の寒さだったので、温泉での寛ぎは有難かったが、その後、難儀に遭遇する。

それは、帰路の車行で天候が荒れ始めたことである。恰も北海道の地吹雪のような雪風に先ずは曝され驚く。また、自動車道に入っても前が見えない程の吹雪に困惑。

前照灯を強くしても乱反射して見え辛くなるばかりか、分離帯や路肩さえ曖昧となった。そしてワイパーに雪が詰まり、何度も下車して除去。

同乗の車輌は冬タイヤ装備の四駆車だったが、このまま降り続くと道自体が通行止めになりそうであった。当初は往路と同じく大原経由の山間路で帰る予定だったが、危険なため大津市街を経る経路に変更。

しかし、それでも雪は止まず、京都市街に入ってからも積雪は続いた。

そして、最後は京盆地手前の峠でパトカーに道を塞がれUターン、後で知ったところ、上下両車線で同時多重事故が起きたらしく、完全通行止めとなった、とのこと。

仕方なく、遠回りし、そして何とか帰宅することが出来た。

こうして、山より帰路の車行が最も危険なものとなった。あと少し帰りが遅ければ帰京出来なかったかもしれない。やはり寒波の外出は危うい。

それを含め、今日は様々な経験を積むことが出来た。困難な運転に無事耐えてくれた同行者にも感謝。お疲れ様でした。

最後に雪玉

そういえば、今日は衆議院選挙の日。

近畿中部の京都でさえこんな状況だったので、元からの寒冷地や豪雪地での更なる投票難儀が予想された。

斯言う私は、今日の山行のため事前に期日前投票を済ませていたが、平日にもかかわらず人が多かったことを思い出した。皆この事態を警戒していたのか。

因みに同行者は投票所終了10分前に投票を断念。今回の気象苦労に身心萎えたようである。全く以て迷惑な解散選挙である。

投票には行けた私も、選挙公報未配の為(「時間なきため今回未配」の情報も届かず)、最高裁判事判断が出来なかった。衆院候補者・政党は事前調査するも判事調査はすっかり失念していた為である。

忙しない短日選挙とこんな日の投票日設定に、さぞや国中で恨まれていると思いきや、開票開始後の速報で自民大勝を聞き耳を疑う。皆、雪まで喰わされ、そしてまた騙され更なる30年を失うのか――。

固定政権が身内から改革出来ないのは、江戸幕府の例を挙げるまでもなく歴史が証明している。せめて新首相がフルシチョフ(旧ソ書記長)ばりに安倍批判でもしてくれれば、まだ望みはあるかもしれないが、現状無理であろう。

国際的・経済的世間知らずの左派に与するわけではないが、折角無事帰宅した最後に雪玉を投げつけられた気にさせられたのである。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山会
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