
雪山再行企画
3月も半ばとなったが、日曜辺りからまた雪を伴う寒波が来たこともあり、山へ行くこととなった。
今回は自ら希望するも故障で先月8日の雪山に来られなかった初心者のための再行的山行で、友人が企画したものに誘われ同行する形であった。
朝7時過ぎに集い、また友人の車で山へと向かう。行先は近場の京都北山。それは、京盆地北縁向こうの山地・丹波高地で、最も近場の雪山。恐らく、そこでの雪は今季最後かと思われたことも選定の理由となった。
長居する寒波の影響で今朝も2度程の寒さだったが、写真の如く一旦京都市街を北上する車窓から北山の冠雪が見えたので一同驚きの声を上げた。
10日火曜に一度冠雪したが、すぐに融けたので、昨夜か今朝一気に降ったようである。折しも今日は雪山目当てなので雪が増えることは喜ばしい。さて、現地の状況や如何(いかん)。
上掲写真 京都北山へと京都市街を北上し、麓の岩倉地区へ抜ける陸橋上から見えた京都北山の冠雪。ちょうどこれから越す花脊峠(はなせ峠。同759m)がその右肩にある天狗杉(山名。中央奥の最高所。標高837m)辺り。まだ吹雪いているように見えたが、如何(いか)に。

降雪に対する最初の驚きとは別に、意外と峠を含め山間路に雪は無かった。勿論、峠では車道以外の場所に10cm以上の積雪もあったが、それ以外では、この通り北山深部でも火曜以前の雪が路端に残る程度であった。やはり3月の陽は強く、一旦陽が射すと厳冬期より早く融雪するのか

車を停めて準備。風が強く、まばらな冷雨もあり寒い。気温は氷点以上だが、体感的に真冬であった。ただ、出発して山内を進むもこの通り雪は無し。標高400m超の場所だが、この先もあまり雪の気配は感じられない

雪を求め山上へ
暫く林道を歩き、やがてこのような立派な木橋が現れた。出発地付近にある市の施設が整備したものか。ただ、上部の床板が腐食していたため通行に注意した(補強板があるもこれも劣化気味)。
橋の傍にはその昔、堰を造って材木を下流に送る「流し」場だったとの説明板があった。個人的には沢の内外に古く大きなコンクリの残骸が散乱していたことが気になったが、それに関連したものかは解らなかった。

木橋を渡ると斜面を上る純粋な山道に。ただ、古道というより、このように植林地に続く山仕事道のような感じであった

北山では変哲ない植林地斜面をつづらでひたすら登るが、標高600mを過ぎて漸く雪が現れた。但し、薄く積った新雪状で、潜り止めや滑り止めの道具を出す必要もなし

その後、山上に出ると、この様に古い林道上にまとまった雪が現れた。積雪10cm程で、雪山の雰囲気は出たが、ワカン(輪かんじき)を履く程のものでもなかった

暫く山上の林道を進み、やがてまた完全な山道の斜面に。雪はあるも、この通り、大したことなし

山上稜線にて
林道上手の山道斜面は短く、程なくして見晴らしの良い稜線に出た。
早速、お馴染み滋賀西部比良山脈の最高峰・武奈ヶ岳(写真中央。標高1214m)も現れた。やはり今週補給されたのか、結構な雪を纏っている。

こちらは北山の一峰で、京都府第2位の高峰・峰床山(同970m)。山上にも雪が少ないので、どうも北山には今回寒波の雪は少ないのかと思われた

稜線道を進むと、何やら東屋(あずまや。中央右上)が。これも麓施設が整備したものらしく、付近は「こもれびの森」と名付けられていた

休憩所という東屋裏には、この様に北山南部の好眺望があった

こもれびの森休憩所からの眺望にはこのサイトお馴染みの雲取山(同900m超)の冠雪する姿があった。中央の白い部分が私の定番休息地で北山屈指の眺望を誇る雲取北峰の雪原である。雪山目当てなら、今日はこちらを目指した方が良かったかもしれないが、自身の企画ではないので仕方なし

目的地山頂
ちょうど昼時となったので、休憩所で昼食を、との話も出たが、風が強く寒かったため一先ず山頂まで進む。雪は写真の如く有ったり無かったり。

そして程なくして山頂着。山名は「チセロ山」、標高は871mの北山中東部の一峰で、個人的に未踏の山であった。但し今日最も高い場所となったが、雪は薄っすらあるのみで、残念ながら雪山とは言えない状況であった

チセロ山山頂のケルン越しに見えた比良山脈南部の高峰・蓬莱山(同1174m)。頂部にスキー場がある山で、やはり北山より雪山らしい状況か

下山のまさか
今日はチセロ山が目的地ということで、あとは下山となったが、その前に休憩所裏の風が少なく、陽当たりの良い場所で昼食休憩をとった。
その後、来た道とは別の一本北の谷筋である峰定寺(ぶじょうじ)方面に下りることになったが、写真の如く、なんとここで雪が深くなり、また急斜の下りなので難儀することとなった。
北向きの尾根筋の所為かと思われたが、足下が危ういため私はチェーンアイゼン(靴底鉄鎖爪)、その他は急遽ワカンやスノーシュー(西洋かんじき)を着用することとなった。やはり山は油断禁物である。

雪の急斜は二所程あり、いきなり慣れないワカンを履かされた初心者女士が足を痛めたが何とか進む。私は先頭に回り進路取りを行う。
新雪なので私のチェーンアイゼンも雪玉が盛大に生じて失敗。対応できる10本爪アイゼンも持参していたが、面倒なので出さなかった。
チェーンではなく6本爪軽アイゼンにすべきだったか。現場の状況は来ないと判らず、しかし荷物も増やせないので悩ましい問題であった。
ただ、道筋には写真の如く台杉等の巨木が数多現れ興味深かった。峰定寺の寺領か何かで大樹が守られているのか。

やがて巨木の尾根道に雪は失せ皆対策具を外す。往路と異なり下部まで執拗に雪が残る道であった。足を痛めた女士が心配だが進む他なし。
谷に下降する最後の急斜道では根返りした倒木で道が途絶していたため、補佐しつつ巻いて通過。降りた谷筋はこの様に方々で崩落を見る場所だったので、地盤が脆いのかもしれない。
雪を含め、これも山の油断ならぬ事といえた。

ご不満あるも終了
そして程なく麓へ下る林道端に達し写真の大杉を仰ぎ見ることとなった。
所謂「花脊の三本杉」と呼ばれるもので、江戸中期の名所図会にも紹介された霊木である。根が合した3本の大樹からなり、樹齢は1200年程とされ、平安期創建の峰定寺の神木ともいう。
近年その中の1本が62m超の高さであることが判明し、樹高日本一にもなったため全国にも知られるようになった。ともかく、その見事な姿に感心。
友人が遠回りのこの帰路を選んだのは、これを観るためであった。私も以前から気になりながら見たことがなかったので幸いであった。
ただ、初心者女士は、負傷のみならず夕方からの業務遅延も濃厚となった為、少々おかんむりであった。
大杉参観後は林道を下り、その後現れた峰定寺前の車道を延々と下り、車輌まで戻った。結局、断続的な小雨は止まず、寒いままであった。
その後また山間路を辿り、峠を越えて京都市街に帰還。雪山希望の女士が本来のそれを確り味わえなかったことを憐れみ「また次回と」言うと、企画者の友人を睨(め)ねつつ「次は貴方の企画で」と返された(笑)。
まあ、色々お気の毒さまもあったが、なんとか終れて皆さんお疲れ様!
