
一週早い奥山観桜
何処かの名勝庭園の整然とした石組みから流れ伝うが如き写真の沢――。
しかしこれは人工ならぬ山中の天然渓流であった。正に自然の美・妙といえるが、庭園的に見えるのは近年深刻な鹿の下草食害の所為ともいえた。
場所は京盆地北縁外に広がる「京都北山」山中。旧丹波国に由来する丹波高地の名でも知られる、最高所1000mに満たないなだらかな山地だが、その気候は寒冷・多雪で、北陸的ともいえた。
京都市街では既に桜の花期は過ぎたが、今日はそこに比して約一月も遅い、北山の桜を観に出掛けた。
実は、そこの花期は例年4月下旬頃なのだが、今年は裏山の山桜観察から、一週程早いとみて前倒し実行した。

先ず目指したのは、この大樹。斜面に立つ壮木で、樹齢は200年程か。丁度、花が咲いているようだが、さて如何に

近づいて見ると、やはり満開であった。正に目論見通り、早めに来てよかった。生憎の曇天は残念だが仕方なし

折角なので山上にも向かう。その直下にはこの様に雪で倒された草原が広がっていた。また、方々の枝先から新芽が出ていたが、まだ冬が終った直後の様子でもあった。さすがは京都市内別格の多雪・冷涼地

山上では丁度昼時だったので食事をし、周囲を観察。樹間に見えた比良山脈南部の高峰・蓬莱山(1174m)も本来まだ残雪が見える筈だが、この通り雪は見えず、こちらも季節推移が早いように思われた

少し雨が降り始めた山上を下り、次の桜へ。こちらも花が咲いているようだが、どの程度か……

道を外れ、足下の悪い斜面を伝い樹の対面へ出ると、この通り満開であった。岩上という厳しい環境に自生する桜の生命力に感心し、暫し観賞する

その後林道に下り、その途中にある桜も観察。あまり花が無さそうに見えるが実際はほぼ満開であった。これも岩上に自生しているので、それこそ栄養の関係で花が少ないのか

そして麓の里を経て帰路へ。麓の桜は一部は散り始めていたが、この様に盛りの樹もあった。今日は短時間の花見山行ながら目論見通り盛況の花が見られてよかった。また来年も楽しみにしたい
