
桜同様茶も……
桜の期が過ぎ、はや5月直前に。気づけば同2日の八十八夜もすぐそこに。
今日は以前共に近山へ行き、現地の野生茶を紹介した友人の希望で、山茶摘みに出かけることとなった。
山中とはいえ奥山ではなく、標高の低い場所なので、その時機が問題となっていたが、事前に私が、条件が近い近所の茶樹を参考にし、八十八夜前の今日決行することになったのである。
上掲写真 京都市東郊の寺院庭に芽吹く新茶葉。4月21日撮影。この様子をみて今年は桜と同じく1週程生育が早いとみて、急ぎ山へと向かった。

同じく21日に視察した寺院庭の茶樹。すぐに摘んでくれとばかりに新茶葉を伸ばしていたが、例年これらの茶は摘まれず剪定により処分される。恐らく昔は寺の貴重な自家用茶として摘まれていただろうが、より良い茶が簡単に手に入る時代となったので、生垣のみの役割になったのであろう

さて、朝現地入りし、1時間程野茶を採取して帰宅。友人は午後から仕事だったので別れ、それぞれ別所で製茶することとなった。
写真は拙宅縁側での様子。1時間程茶葉を広げて風に当て、水分を飛ばす萎凋という工程で、これにより香りを増加させる。

萎凋作業中の新茶葉。所謂「一芯三葉」と呼ばれる摘み様である。今回の茶は恒例の奥山の茶と同じく現代主流の「やぶきた」種以前の古種と思われる。その根拠は、古い地形図や周辺で行われた施工記録等の検討で、明治11(1878)年以前に廃滅した茶園に関連する種の可能性があった。つまり「江戸時代の茶」といえるような稀少性が窺われた

簡易製茶を経て完成し、京焼の器に入れられた手工野生新茶
手強さ変わらず?
そして、例年通り電子レンジによる蒸しと手揉みを繰り返す簡易製茶を経て新茶を完成させた。簡易法ながら家に良い香りが広がり、気分も良し。
その夜、親類宅で早速飲んでみたが、やはり奥山の茶と同様、熱湯で時間をかけねば味が出難い手強い茶であった。
これは近代改良以前の古種による為か、手揉み等の技術が足りない為かは今のところ不明である。まあ、新茶らしい、良い香りと良い味を頂けたので一先ずは有難かった。
