2009年10月21日
敦煌休日
油断ならぬ全市無期限停電
今日は1日休み。遠出はせず、部屋で寛ぎ、市内近場の散策ぐらいに止めることに。だが、そうはいっても旅先なので、比較的早くに目覚めてしまう。西の方(かた)、敦煌の朝は遅い。7時過ぎはまだ暗く、8時頃に漸く明るくなる。今日は7時半頃床を出たのであるが、部屋内の洗面室に入って電灯がつかないことに気づいた。湯沸瓶やテレビの反応もない。
フロントへ行き訊いてみると、敦煌全市停電とのこと。復旧の時間を問うも、解らないという。よって部屋での茶は諦め、早々に外へ出ることにした。昨晩中に仕事をしておいてよかった。実はネットで記事等を遣り取りする仕事が少々あり、飲んだ後、しかも疲れていたが、無理をして済ませておいたのである。持込みのPCは電池で作業できるが、肝心のネット通信(ADSL)は停電では利用不可となる。いやはや危機一髪、便利になったとはいえ、油断はならぬものである。
写真は、朝食に行った宿近くの「蘭州牛肉面店」店前に置かれた発電機。素早い対応ぶりからすると、珍しい事態ではなさそうである。
朝食後、付近を散策していると、通り対面側に人だかりが。どうやら、駐車禁止の取締りのようである。前輪が金具で固定されたタクシーが停まるのは食堂前なので、ドライバーの食事中の出来事か。いやはや、朝からご苦労さんである。
のんびりと路地や町外れ辺りを散策したあと、午後からは中心部にある「敦煌博物館」へ。昨日の運転手は「良くないところだ」と言っていたが、地元の草分け的場所なので念のため見学することにした。
結論から言うと、設備は良くなかったが、所蔵品は悪くなかった。何より、私の調査対象である古代防御システムに関する品物が充実していたところが良かった。しかも無料。
写真は漢代の土器。遺構現場の破片によく見る型である。
「苣」と呼ばれる、狼煙通信用の松明的なもの。大中小3種の展示があった。写真は小苣(下)と中苣(上)
これは「転射」と呼ばれる一種の自在銃眼。防壁の開口部に付けられ、中央の溝から弩(石弓。ボーガン)を出し、身の安全を図りつつ外敵を射撃する。溝がある丸太は左右可動式である。実に先進的な装置
これまで白黒写真や模造品した見たことがなかったが、思わず現物を見ることができたのは嬉しい限り。
これは敦煌近郊の防御施設の1つ、「酥油土烽燧」から出土した漢代の木簡。文書簡で、「牘」と呼ばれる幅が広い型。防衛システムを運営する為の重要な品・手段であった
夕方、市場にて特産果実等を買う。乾燥地帯の名物、瓜類は今回是非食べたかった。市場では、主に西瓜と白蘭瓜とかの哈密瓜が売られていたが、今の時期は写真の白蘭瓜が旨いとの話を店人から聞き、それを購入。早速宿で食すと、その言に偽りは無かったのであった。
さて、停電は夜灯りがつく頃に漸く解消されたのである。
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