
参観、加藤智哉「星のみちしるべ」展
厚い雲下から冷たい雨が降り始めた午後。急遽友人の個展へ向かうこととなった。開催前に通知を貰っていたにも拘らず、師走の忙しさに埋もれ、気づけば今日が最終日。祝日とは無関係の身で、やらねばならぬこともあったが、親しい仲、そして何よりその才能を買う人であったので、とまれ向かうこととした。
個展開催主で、画家である友人の名は加藤智哉君。三重県出身で、芸術大学を卒業後、京都を拠点に活動している。控えめ、かつ、はにかみの多い人物で、作風もそれを映すが、その制作思想や態度に揺らぎはなく強靭である。そんな彼とは数年前仕事場で知り合い、以来互いの家が近いこともあり、交流が続いていた。そればかりか、既に小生主宰の「山会」に参加し(巻き込まれ?)ていたりもした(笑)。
心憎い許りに感心させられる表現世界
さて、個展会場では、毎回変わらぬ彼の表現世界が、そのスペース一面に構築されていた。外を満たす寒気と陰雨を忽ちに忘れさせる、あたたかで優しい空間。鏤められた大小様々な作品も、またそれを体現する。一見、無軌道・無計画に見えながらも、その構図や色遣いに抜かりはない。計算を見せないという緻密な計算がそれを生んだのか、はたまた計算しないという天与の計算がそれを生んだのであろうか――。実に心憎い許りに感心させられたのは毎度の如くであった。
上掲写真: 「星のみちしるべ展」会場一景。大小様々な作品が鏤められる個展準備には3日が費やされたという。会場空間を作品で埋め、1つの「世界」を構築するという方法・見せ方は、加藤君独特の手法。その労力の効もあってか、会場は実に多くの鑑賞客で賑わっていた。

同じく「星のみちしるべ展」会場にて
作家(右端)を囲む友人・知己。殆どが山会メンバーではないか(含赤ちゃん。笑)。観覧後すぐに帰ろうと思っていたが、現場で落ち合った友人らと、隣のカフェにて談話することとなった。そんな悠長なことをしている場合ではないのであったが……。うーん、加藤展の大らかさに呑まれたことにしよう(笑)。
※12/23 作家より撮影とWEB掲載許可済。