
鯰会以来の漁獲行事
梅雨入り前に少々河原で水遊び――。そんな気分、または実行した人も多かったと思われる6月最初の日曜日。はや夏と紛うばかりの天候にも後押しされ、我々一行も水場へと向かった。
場所は滋賀県湖東の某河岸。現地在住のI氏勧誘による、投網での漁獲に挑む、という集まりであった。実は、以前とある場所にて捨てられようとしていた新古品の投網が、私の進言で釣り好きのI氏に譲られたという経緯があった。それ以来I氏は、魚種に適った新しい網まで購入して日々使用研究を重ね、今日、それの経験機会を皆に提供してくれたのである。
ところで、1つ気になるのが、漁具である投網の使用制限のことである。河川といえども、日本の場合は大方の場所に漁業権が設定されている。つまり専業者以外の人間が無闇に漁具を使用出来ないのである。しかし、今回の場所は、I氏によると河川の付替えに因り漁業権が消失したという珍しい箇所の為、その心配はなかった。
とまれ鯰会以来の江東(近江湖東)での漁獲行事。参加人数は諸氏の事情により予定より少なくなったが、捕獲対象がその美味を知る小鮎(稚鮎)だったので、期待は高まった。
上掲写真; 投網に掛かった鮎の外し作業。逃れようとする魚が、網目に頭を突っ込むので外し難い。実は投げることより、これに時間がかかる。まあ、足を水に浸しながらの作業も悪くはないが。

今回の指導員たるI氏の手本的第一投。網が空中で綺麗に広がって、お見事!

画像では見え難いが、水面下には相当な数の魚影が。殆どが、この時期琵琶湖から川を遡行する小鮎。I氏によると、今年は例年にない「当り年」らしい

今日初めて投網を持った人(私も然り)も、一投でこんなに捕獲

刺網漁にも挑戦
投網以外にも、実験的に刺網(さしあみ)も設置。川を横断するように張り渡す。さて、何が掛かるやら。

暫くすると刺網に鮎が掛かった。目の大きな網なので、もはや稚魚とは言い難い程の大きさの鮎であった。この後、オイカワに似た少々大型のハスという魚も掛かった
刺網は、捕獲数こそ少ないが、自動的に掛かるので効率はいい。

「香魚」鮎
捕獲した鮎。小鮎とは言い難い立派な姿である。「香魚」と呼ばれるだけあって、他魚のような生臭さがないのもいい。

本日の成果。正午過ぎには撤収したので3時間程のものか。気を入れれば、更に獲れたが、必要分までとした

獲れたての食事会
午後からは、一同I氏宅にお邪魔して、捕獲した魚を用いた食事会を。だが、その前に当然、下拵えや調理しなければならないので、皆で手分けして行う。
数が多いので、魚の解体にかなりの時間が掛かった。作業を始めてから2時間程して漸く食卓に。写真の通り、揚げたての鮎を頂いたのであった。勿論、期待通りの味。

こちらは、鮎とは違い全く期待していなかったハスの塩焼き。臭みがないその美味に少々驚く。特に小振りな雌(?)の方が良好であった
食事後暫し歓談し、夕刻引き揚げた。皆、持帰り分の鮎を手にして、である。中々贅沢な1日であった。皆さん「美味しい1日」を有難う。そして、今回は鯰様ならぬ「鮎様」に合掌……。