
投網会再び。果して今年は……
丁度今頃の、去年の梅雨入り初めに行った投網会。京都の隣、滋賀県は湖東にある、漁業権が消失した河川での稀有な行事であったが、外国人を含む幾人かの希望により今年も開かれることとなった。
去年は、珍しい鮎大漁の「当り年」であったが、果して今年は如何であろうか。驚くほど簡単に獲れた前回の記憶から、逆に今年は不漁に違いないとの予想を抱いて半ば諦めていたが、とまれ出掛けてみることにした。
上掲写真: 近江湖東のランドマーク的存在である近江富士「三上山(432m)」を、同じく湖東の水辺より見る。今日は、数日前から雨の予報が出ていたが、前夜から突如曇りに訂正となった。去年のように晴れてはいないが、暑くなく、漁に影響する水量も十分だったので、先ずまずの条件といえた。

湖東入り。荒地に難儀しつつ水辺へ
去年に同じく、現地在住のI氏の案内で現場へと向かうことに。京都からの参加者一同は、最寄り駅にて下車し、氏の訪れを待つ。共に参加する子供も、「期待のクーラーボックス」傍らで暫しお休み。

やがてI氏と合流し、現場の川へ。去年と同じ場所である。ただ、今年は梅雨入りが早く、降水も多かった所為か、水量が多い為、対岸から水場に接近することとなった。
これから、写真奥に見える彼方の水面(みなも)まで、河原に広がる草深い荒地を進んで辿り着かなければならない。

投網+釣りの漁開始
刺草や泥濘に難儀しながら漸く水辺に到着。子に至るまで長靴を履いていた皆の用意に感心しつつ、ひとりサンダル履きで来た愚かを後悔(笑)。そして、早速漁を開始。
水量の多さと共に流れも早く、去年の様に水面に魚影を見ることも叶わなかったが、意外にも網を入れると多くの鮎が入った。写真は、手分けして網に掛かった魚を生簀(いけす)に入れる参加者。

今回は同時に「釣り」も試みられた。投網が2セットしかないという事情もあったが、実は、手持ち無沙汰になり勝ちな子供への対策に、という期待もあった
写真は、正にその期待に沿って竿を渡されていたSちゃん(推定6才)が、初物を釣り上げようとしているところ。

Sちゃんが釣り上げた(本人曰く「勝手に掛かっていた」)、型のよい稚鮎。Sちゃんが飽きた後、私も試したが、餌がなくとも釣れるぐらいだったので、去年程ではないが、魚影は結構濃いように思われた

贅沢美味な賞味会
そのまま、皆でのんびり魚を獲ったり、水辺に遊んだりしたが、やがて撤収することに。時は昼過ぎだったので、正味2時間程の滞在か。
写真は、その漁獲全量である。去年の半量以下だと思うが、特に多く獲ろうと努めた訳ではないので、悪い成果ではない。魚種は殆どが稚鮎であったが、釣果の一部には諸子(モロコ)、その他にはオイカワ(画像下部の赤みがかった大きな魚)も見られた。
因みに、今年も、去年塩焼きにして美味だった「ハス」という大ぶりの魚を狙って刺網漁を試みたが、強い水流に因り、上手く設置出来ず、断念した。

さて、その後、昨年に同じくI氏宅にお邪魔し、早速獲れた魚の賞味会に。しかし、その前に諸々の準備をしなければならない。皆手分けしてそれにとりかかる。私と留学生ら4人は玄関庭にて魚の下処理に精を出した。昨年は量が多く、長時に及ぶ難作業だったが、今年は慣れもあって、短時間で終らせることが出来た。
そして、写真の如く、天麩羅や塩焼きに調理。庭の山椒葉を使った「塩山椒」等で食す。昨年に増して、美味に感じられた。その他、I氏の家庭菜園産の野菜料理等も頂くという贅沢。

賞味会の途中には、昨年に続く恒例(?)の新茶製茶も。この茶葉も、当地産の「摘みたて」という贅沢なものであった

最後は名物蛍で終了
最後は、I氏の案内で、有名な「守山の蛍」を見ながら帰路に就くことに。昔から湧水の多い守山市街を流れる小川にそれを尋ねつつ、最寄り駅まで歩く。今年はまだ少ないとのことであったが、それでも方々でその姿と出会えた。
写真は、その内の1匹の灯りを捉えて拡大したもの。夜の暗さと、その動きにより、本来は簡易な装備での撮影は難しいが、なんとか1つだけ成功した。その後、I氏一家の見送りを受けつつ、駅から列車にて帰京、解散となった。
金(キーン)のサンダル?
ところで、I氏宅にて、河原の荒地で汚れたサンダルを洗い干していた間、氏のサンダルを借りることとなった。それはまだ箱入りの新品だったが、サイズが合わないことを理由に結局貰い受け、そのまま履いて帰ることとなった。ところが、このサンダル。帰宅後気になって調べたら、アメリカ某有名ブランドの上品であった。正に泥沼から金のサンダルか!?
「仕事関連からもらった粗品なので、つまらぬものに違いない」と断言していた氏に、今ならまだ間に合うことをお知らせしたい。まあ、もう既に履いて帰った後ではあるが、一応正直に申告しておく次第である(笑)。
とまれ、皆さんお疲れ様。色々と有難う!