2007年09月03日

残暑水浴

清澄な琵琶湖の湖水と白砂ある湖西近江舞子の雄松浜

9月ながら、今年初めての水浴(遊泳)をおこなった。新聞等に発表していた文章等に因り、よく老人と間違えられるような私ではあるが、実はこの様な若らかごとも毎年おこなっている。

平成の若年寄、藤氏 in グアム(!?)

本来なら盆辺りの盛夏日に行きたかったのだが、大きな改変を要する急ぎの原稿等があったため叶わなかった。よって、朝こそ秋涼だが昼の気温は35度との予報が発せられた今日を最終好機とみて、昼で仕事を切上げ、急遽行くことにしたのである。向かったのは、ご存知南洋の楽園グアム。最寄の関西空港から約4時間で辿り着く別天地である……。

さて、上掲の写真と共に上述を信じた人はどれ程であろうか。実はグアムには行っていない。そもそも諸般の都合上行けるわけなく、仮に行けたとしても日が暮れて泳げまい。行ったのは琵琶湖岸で、写真もその代表的水泳場「近江舞子」のものである。京滋在住者ならともかく、淡水湖琵琶湖に存在する白砂青松の浜や、そこでの遊泳の楽しみを知る人は案外少ない。わざわざグアムなぞ持ち出して惑わしたのは、そんな、琵琶湖の魅力を知らない人達に強く訴える為であった。何卒諒とされたい。


近江舞子雄松浜の澄んだ琵琶湖の湖水
こちらの写真の方が、グアムとするには良かったかもしれない…

知ってもらいたい、琵琶湖の魅力と価値

その汚染が叫ばれて随分久しい琵琶湖であるが、遊泳叶うこの様な場所がまだ少し残されている。温帯域にあって水面標高が85メートル程しかなく、しかも人口密集地に接する湖で遊泳が叶う場所は世界的にも珍しいとみられる。これは大陸各地を実見した私の経験からも言える。つまり、ここでの遊泳や浜遊びは大変贅沢なことなのである。そういった意味では、グアムより価値ある所といえよう。

以前関東に住んでいた時、「少時の夏は専ら琵琶湖で泳いで過ごした」と人に話すと、随分奇異な眼で見られたことが多かった。その時の人々の様に、琵琶湖に馴染ない人にも、少しでもその魅力と価値を知って頂きたいと思う。そして、琵琶湖の健やかな存続と、そこでの楽しい余暇実施の継続を切に願う次第である。


近江舞子雄松浜からみた比良山脈釈迦岳付近
毎年多くの湖水浴客で賑わう白砂青松の景勝地「舞子浜」。背後に見える山並はこのサイトでは御馴染の比良連峰(釈迦岳付近)。実はこの辺りの水質保持に大きな役割を果している。今年の水は平年に比して水温が高い割に良質であった。例年なら夕方頃少々水草臭い浮塵ある水が寄せられるのだが今回は見られなかった。意外にもここ数年で最良のコンディションであった。

琵琶湖の健やかな存続と、そこでの楽しみの継続を願う

数値上では汚染は改善方向にあるとされる琵琶湖であるが、臭いや色といった個人的な体感判定では悪化の一途を辿っている。以前良く言われた、「北部に行くほど水がいい」との話も、宅地造成や河川改修、圃場整理等の進展により幻想となった。もはや体感的に納得出来る水質域は、清水を供する山岳近くのみとなってしまった観がある。比良からの伏流等を受ける舞子も、まさにその一部である。

しかし、この様な状況と化しても人間社会による自然損壊の動きは止まない。比良と浜の間に湖西道路が通った「蓬莱」や「松ノ浦」において如実に水質が低下したのはその代表例である。無論、道路だけが原因ではなかろう。しかし、重要な因子であることには違いない。

もうそろそろ、何とかしてもらえないだろうか。将来にわたって在るべき良地と、そこでの楽しみを次代に伝えず壊すことは、「犯罪」以外の何ものでもなかろう。


近江舞子雄松浜裏の内湖(小松沼)に映る打見山から堂満岳までの比良山脈
舞子(比良)夕景

帰路、浜の後方にある比良をねらってみた。淡く色づく夕雲と共に、内湖(小松沼。潟湖)に映る「逆さ比良」が実に美麗かつ優雅である。左側にある鈍角のピークが以前山会でいった打見山(1110メートル)、右側にある鋭角のピークは堂満岳(1057m)である。太古から続いたであろうこの様な景色も、末永く存続してほしいところである。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 湖会
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