
半端な冬の一日に蕎麦?
小正月や成人式、況しては節分でもない今日1月22日。日曜であることぐらいしか特に冠すことのない半端な冬の一日(いちじつ)であったが、少々特別なことを行う。その名も「忘年新年会」。
元は、単に山会だの何だのを企画する「みんちり(民俗地理倶楽部)」がらみの新年会であったが、どうせなら趣向を凝らそう、との思いつきから、年末頂いた蕎麦粉を皆で打って食べてもらうことにした。
その為に、態々設定したのが今日という日。実は明日23日は旧暦元旦。つまり、何もないと思われたこの日は、本来の大晦日であり、新暦元旦以降、蕎麦を食す企画には最適の日であった。
しかし、そうなると新年会の名目のみでは違和が生じる。そこで、旧暦年末と新暦新年が合さる今日に相応しい忘年新年会となったのであった。
上掲写真: 自ら伸し、そして切り揃えた蕎麦を湯掻く上海漢人のIさん。手打ち蕎麦初体験の、快活でしかも気遣いにも長けた留学生。本来、旧正月を迎えるこの晩に今尚それを重視する漢人の足労を得ることは難しい。Iさんは都合により偶然参加が可能となった。正に貴重な画像か(笑)。

湯掻き作業中のIさんの手前で、蕎麦を伸すAさん。Aさんも手打ち蕎麦初体験。これまで行った蕎麦打ちの話に興味を持ち、みんちり未体験ながら自ら志願してきたという人であった

慎重に、そして真剣に蕎麦を切るIさん
専門の道具は殆どないが、皆それぞれ真剣に、そして楽しく取り組む。

1人仕上げる毎に卓上にその数を増してゆく完成蕎麦と、種物用食品

本日の最優秀賞、Aさん作の蕎麦
皆の完成を待ったため少し乾いてしまったが、初めてとは思えない出来である。さすがは料理得意の人。
それぞれ自作を賞味
新年会、旧元日前夜祭として楽しむ
さて、参加全員の蕎麦完成を見た後、皆でそれぞれ自作を賞味する。材料や下拵えの良さにも助けられ、私のような下手から上手な人まで、共にその味わいを楽しめたのであった。
因みに、今回は「返し(かえし。蕎麦つゆ)」も鰹節等を使用して手作りした。基本作業はAさんに担当してもらったが、最後に行う醤油つゆと出し汁の混合を私が誤った為、塩辛さが立つようになってしまった。誠に申し訳ない限りである。大いに反省し、次回への戒めとしたい。
蕎麦の後は、蕎麦湯や差入れの日本酒等を頂きながら、その他の食品をつまみに歓談。少し変わった趣の新年会として、そして気象的・体感的に春の始まりともいえる旧元日の前夜祭として、楽しく過ごしたのであった。