
メインシステム更新
先月末、とある事故に因り、主として使用しているPCとその周辺機器が致命的損害を受けた。突然の出来事に呆然とするばかりであったが、公私共々、日々用いているものなので復旧と再構築を行わなければならない。
そんな訳で、先月末からその作業に追われる。データの救出やら新しい機器の選定・購入等々である。更に私の場合は、利便性や費用抑制を追求する主義・都合により、出来合いのPCやシステムを選ばず、部品単位で自ら組み上げる、といったことを行う為(所謂「自作PC」)、余計に手間がかかる。
既製品には少ない(?)、ソフト・ハードの相性や設定等の問題も克服し、今月上旬までに漸くその入替えを終える。しかし、まだ何かと不足があり、街のPCショップや電機店に自転車を走らせることも、しばしばであった。そして、今日も朝からその関連で少々出動。その途中、走り下る賀茂河畔の対岸に目にしたのが、写真の景であった。
興味尽きない古垣との遭遇
場所は、伝統的な「川床」料理店が並ぶ中京区の河畔。その只中に、古い石垣が露出している。河岸に石垣があるのは何も珍しいことではないが、私が目を惹かれたのは、その古さと場所であった。
その積み方というか姿が、近世の古画に描かれているものと似ていると感じられたのである。また、近世由来と見られる石垣は三条大橋袂等にも見られるが、この様な民家下のものの露出は珍しく思われたのであった。大方の河岸民家の下はコンクリや建材で覆われており、そもそもが建屋の鉄筋高層化により基礎変更されている場合も多かった為である。
元よりの洪水常襲地なので積み直しが考えられ、一瞥のみで古いものとは断定は出来ないが、補修や改修跡に、建屋地階と接する出入・排水の備えなどが窺われ、家や暮しとの関りが見えて興味深い。また、三条大橋袂のものなどの、明らかに公儀施工と判る大規模なものより、却って希少価値が高いようにも感じられた。
川と民家を隔てる境界であるが、当然堤防としての役割も重要であったに違いない。民家の基礎兼堤防の様なものか。そう考えるとかなり特殊なものとなるが、所有権や維持管理はどうなっているのであろうか。その辺りについても、興味が尽きないものとの遭遇となった。

古垣周辺景。前述した通り、他の家屋下は隠蔽されていて石垣の存在は確認出来ない
京都の危機の象徴?
廃棄・再構築されませんように
この様に、偶然にも興味深いものとの遭遇となったが、上物である貴重な河岸町家が消失した結果現れたものなので、喜べない。しかも、間口幅から推察すると2軒分である。思えば、背後に巨大ホテル聳える上の写真は、その様と併せて古都、京都の危機を象徴するようなものである。
残念ながら貴重な町家がまた無くなってしまったが、せめてこの石垣だけでも機械物ように安易に廃棄・再構築されないように願いたい。