
塗会延期。調合実験実施
町家・古民家の補修に必要な古色塗りの、実見・体験の場を兼ねた塗会。
今日は、前回生じた未了部分を完了させるために再開催する予定であったが、告知が遅くなった所為で参加者が少なく、また個人的な都合等も有ったため延期扱いとなった。
夕方から行う蕎麦小会は予定通り開催の手筈だったので、それまでの合間に、今回の課題でもある、顔料調合問題の解決を図ることとしたのである。
色々な調合を試し、その都度木片に塗布して結果を見るつもりであったが、「どうせなら」と、施工部分に行うことにした。写真は、その為に欄間ガラスの裏に追加した白木の柱。白木と言っても、家から出てきた日焼けした古材の再利用である。
まあ、元は貧弱な丸棒が添えられているだけであったので、いつか修繕したいと思っていた場所でもあった。正に一石二鳥といえば大袈裟か。
今日の表題は長くて読み難いが、「塗会改め蕎麦・蛍会」と読んで頂ければ有難い。

「調色の基本」通りには
さて、ベンガラ(弁柄・紅殻)と松煙(アイボリーブラック・ボーンブラック)の調合作業。先ずは、求める焦げ茶色を出すため、調色の基本、黒2、赤1で行ってみた。写真は、正にその配合に則って準備し、煮亜麻仁油(ボイル油)の注入を待つところ。
しかし、これでは前回同様の、赤勝る色になってしまった。仕方ないので、小匙で定めた量の黒(松煙)を順次投入し、様子を見ていく。だが、中々改善が図れない。ベンガラの赤みは、相当強いようである。

完成した古色塗料。結果、赤1、黒25以上という予想外の割合で、望みの色が得られた

出来た試験塗料を、先に施した欄間柱に塗布してみた。一応、望み通りの色具合である。秋ぐらいに再開催する予定の塗会では、この配合を使い、以前の失敗箇所共々、塗ってしまおうかと思う

蕎麦小会
さて、夕方からは、人が来て蕎麦小会に。国産良質の蕎麦粉・つなぎ粉等を使って手打蕎麦作りを行う。写真は初体験のGさん。西陣在住の英国人で、日本好き、京都好きさんである。

蕎麦切り前の折り作業。やり方や仕草に、人それぞれの性格が出て興味深い

仕上がりは不揃いになったりするが、まあ、それもご愛嬌

「蛍会」経て終了
夜は蛍を見に賀茂の河原へ。しかし見当たらず、結局は下鴨神社の「糺の森」まで行って漸く見つける。不味いものしかなくて申し訳ないが、写真は草葉の上でフワリ漂うその様である。
気温が低めのためか、動きは一応に不活発なように見られた。賀茂川(鴨川)で1匹も見なかったのもその所為であろうか。
とまれ、皆さんお疲れ様。また塗会の告知が遅れて申し訳ない限り。次回は抜かりなく行う予定なので、どうかご容赦を……。