2020年08月16日
盆末涼漁
猛暑盆末に漁と涼を求めて
連日38度前後の猛烈な暑さが続く。
梅雨の長雨で降り尽したかのようにその後殆ど雨もなく方々熱せられたまま。その所為か夜もあまり気温が下がらず逃げ場のない暑さに苛まれる。
先日の8月11日には京都市街で最低気温が29.4度までしか下がらないという、観測史上最も暑い熱帯夜にも見舞われた。
元より昼間は殺人的とさえ形容される暑さと日射があり、普段空調機器を使わないよう心掛けている、または使わないでいられる備えのある私でさえ、それが無いと倒れるのではないか危惧される程であった。
最近、よく耳目に触れるようになった、「実は温暖化で一番被害を受けているのは、いつか沈むかもしれない南の島ではなく、風水害や猛暑等の気象災害が多発している日本ではないか」との話。
氷河期の仕組みすら未解明の状況で、温室効果ガスによる全球的温暖化進行という説には俄に与することは出来ないが、近年の高温化傾向は否めず、この先の状況を心配せざるを得ない。
「涼しい朝の内に夏休みの宿題を」と、その昔よく言われたものだが、昨今の夏は、もはや朝から何事もし難い危険な状況と化している。
さて、盆も最終日となったが、今日も京都市街は38度の炎暑予報であった。既に朝から高温であり、墓参等々で早々に疲労することとなった。
このまま市街にいても、更に暑くなるだけなので、実はこのあと友人の魚獲りに同行することとなっていた。写真は列車や車を乗り継いで到着したその現場。滋賀県北西部の山間河川である。
友人の話によると、最近この区間の漁業権が消失し、全県的な禁漁期間を除き、自由な遊漁活動が可能になったという。今日は、初めてとなるその場所で投網遊漁を試すことにしたのである。
ただ、この猛暑中、今季まだ水浴をしていない私には、山間清流での納涼という、別の期待もあった。
コロナ影響で水辺に集まる人々
途中、意外の渋滞や交通量の多さもあり、昼を少々過ぎてからの現地入りとなった。車の車種や鑑札の府県名から、帰省より、ドライブや琵琶湖でのレジャー目的が多いように思われた。
新型肺炎再流行により遠出を控えた家族連れ等が水辺に集中している懸念を伝えるニュース内容は、ここ滋賀にも当てはまっていたようであった。
また、琵琶湖に限らず、途中通過した山間水辺の河原や野営場も満員御礼的大盛況であった。確かにこうなると、屋外でも密集等の危険が生じる。
そういえば、英国等の海外でもキャンプ場に人が集中するという問題が生じ、実際アメリカでは大規模なクラスターも発生したという。ただ、我々が行った場所は、琵琶湖から遠く離れた山間の小河川なので、その影響は殆ど見られぬ、実に長閑なものであった。
現地で漁場を探し、やがて前掲の河原に定めることに。今日狙う鮎が好む適度な流れと深からぬ水深に苔つく石が多い、中々良さげな場所である。
実は、今日は、自由遊漁が解禁されたこの河川区間での初めての投網漁という名目のほか、いつも湖岸や河口・大きな川で獲れていた稚鮎とは異なる、大型の成魚が獲れるかどうか、という試験的目的もあった。
写真は、川に入り、第一投の準備を整える友人。果たして、その結果や如何……。
身体を捩じり、後方から前方へと網を射出
空中で見事網が広がり、狙い通りの場所・範囲に着水。そして、その第一投から漁獲があり、手応えを得たが、残念ながら期待した大物は入らず
大物狙いの結果は
その後も場所を変えつつ色々と試す。網は2つ用意されていたが、今回私は殆ど行わず、専ら魚影探査や網から魚籠(ビク)への魚の移し替え等の補佐を務めた。
山間とはいえ高気温であったが、程よい冷たさを持つ水質の良い川水や水面を渡る風が涼しかった。また、水着を着ていたので、時折深みに身を浸すなどして日頃の暑熱を冷ましたりもした。
肝心の漁獲としては、残念ながら期待した良い型のものは殆ど獲れないという結果に終った。
鮎の魚影は見込通り濃い場所であったが、大きなものが多い訳ではなかったのである。また、全体的に体の細い、つまり痩せたものが目についた。
長さとしては12cm前後が多く、一番大きなもので16cm。つまり、これまでの漁場との違いは見られないものとなったのである。流れや栄養等の関係で身が痩せ、また、先行の釣り人等に獲られてしまったのであろうか。
まあ、自然のこと故致し方あるまい。友人は大変残念そうであったが、私は綺麗な川で涼めたので満足であった。
写真は、クーラーボックスに入れるため袋に移し替えられた今日の漁獲。少ないように見えるが、今日は時間も短く、また数を獲ることが目的ではない試験漁のため、善し悪し計れず。
クーラーに魚を仕舞い、今日の遊漁を終了。離れがたい冷涼の川辺を去り、家路に就いたのである。
なお、友人は、別れ際、特に大きな鮎を選んで魚を分けてくれた。彼の最終目的である鮎の塩焼き(大きな鮎こそ塩焼きに最適で食べがいがある)は、私だけが頂くこととなったのである。感謝!その他色々と有難う。
そして、最後――。
目論み通り、京の炎暑を避け日没後帰宅したら、部屋がとんでもなく暑くて堪らない!(陽射しや外気の遮断対策はしたが空調は入れず)
こうして、折角の清流の涼も、また京の暑さに潰えたのである笑)。
2017年07月15日
梅雨網会
今夏初の網と湖
色んな蝉の初鳴きも過ぎたので、梅雨という語に少々違和感も感じるが、一応梅雨明け前なので、表題にその語が入った。
7月になってから梅雨本番となり、天候が安定しないが、今日は珍しく一日晴れ予報となった。そんな今朝、友人の稚鮎(小鮎)獲りに付き添い、滋賀・琵琶湖に出かけることとなった。
場所は湖西湖岸と安曇川下流の遊漁可能域。まあ魚も気になるが、気温も高温となったので、水辺が恋しくなっていた。その為、友人に頼みこみ、仕事が一段落したこの日に連れて行ってもらうことにしていた。
今年は、琵琶湖や周辺河川の稚鮎は春から不漁気味らしいが、どうなることやら。まあ、水辺の憩いと涼みが叶うので、不漁でも悔いなし、という心積もりはあった。
なお、今回は特に告知なしの少人数だったが、一応臨時の「鮎会」という記事分類とした。
上掲写真: 河口付近の遠浅の湖岸を湖水に浸かりながらみる。京都より数度気温が低めの湖西だが、今日は陽射しが強く暑かった。しかし、水のお蔭で随分マシである。これだけでも、来た甲斐があった。
待ち合わせ場所の湖西線蓬莱駅と湖岸後背に連なる比良山脈(左)
友人が前夜夜勤だった為、今朝は遅めの11時に湖西沿いの蓬莱駅で待ち合わせとなった。私も前夜遅くまで友人と飲み語らっており、帰宅が午前1時半過ぎだったので、都合良い時間となった。
しかし、今日は一日晴天予報。為に気温上昇も報じられていたので、暑さには注意が必要であった。
美麗な水辺広がる遠浅の浜での投網漁
意外に空く3連休の湖岸
蓬莱駅から友人の車に同乗して、更に北の湖岸を進む。漁場としては蓬莱も有名な場所であったが、今日は折角なので、普段行き難い遠方、初めての場所を目指すこととした。
そして、北上暫くして琵琶湖岸の美麗の浜に到着。ここは周囲に家がなく、水泳場からも外れた場所なので、普段から人が少なく格好の網場となっていた。
それにしても、意外な空きぶり。連休初日で列車の人出や車の量も多かったが、3連休なので、皆帰省等の遠出に向かっているのか。
とまれ、早速着替え等の準備をして「日曜漁労」ならぬ土曜漁労の開始。とはいえ、久々の湖岸に喜ぶ私は、暫し漁を友に任せて水遊び……。
砂州で塞がれた湖岸の河口。山の水が湖に流れ込み浜と遠浅の砂場を形成
鮎は川を遡る習性がある為、河口があることが湖岸での漁場条件である。それは小さな流れ込み程度でも構わない。幸いここは大小の河口を選べた。
また、投網漁では浅い浜となっていることも条件。深いと網が底に達するまでに魚に逃げられ、湖底に網が引っかかった際も回収が難くなる。
偶然の産物ならぬ、漁獲のブラックバス
存分に初泳ぎが叶い、漸く投網漁に参戦。
2年前に行った際(6月と7月)は友人任せだったので、最初に教えてもらった投げ方等が出来なくなっており、2011年以来の手ほどきを受けてからとなった。
当然、上手く投げられる筈もなく、暫くは練習を繰り返し、漸く数匹ずつ獲れだすといった有様であった。そもそも、時間の所為か、魚も少なくなってきており、その間にまた泳いだりもした。
泳いでいると、少なくなった魚影を追って少し深みに網を投じていた友人から何か獲れたとの声があがる。近寄ると、何と大きなブラックバスであった。
後で測ったところ、全長は29センチ。ほぼ尺物か。ルアー釣りの対象としては大きくはないのであろうが、稚鮎を追う目には十分大物に感じられた。再放流は禁止されているので、友人はこれを今夜食用すると発言。
鯰会以来外道系の食用に興味をなくしていた私は、ただ聞き流すのみ(笑)。
安曇川での漁獲。弱って浮いた鮎が目立つが、その下には黒い背を向けた元気な鮎も
人影ない安曇川での初挑戦
湖岸での漁獲に区切りをつけ、更に北上し、湖西最大河川である安曇川(あどがわ)へ向かう。
漁場に詳しい友人も今回初めての場所である。ただ、友釣りに利用される河川は有料や禁漁箇所が多いので注意が必要であった。勿論、事前の下調べは十分なされていたので問題はない。
比較的早く遊漁自由で川遊びにも便利な場所を見つけたが、不思議な程人影がなかった。川辺のグランドで球技等をする人は見えたが、暑中格好の川遊びの姿は遠く上下流を見渡しても見られなかった。
とまれ、湖岸とはまた違った広景ある河原にて2時間程投網を行う。今度は泳ぐ場所はないので、私も本腰入れても漁労である。湖岸での練習の甲斐もあり、なんとか網を広げて投げることが可能となり、一度に数匹以上獲れるようになった。
稚鮎は湖岸より少し大きめか。量も時間の割には多く獲れたように思われた(湖岸では私の漁獲が殆どなかった為の推測量)。
「バスフライ」にも初挑戦。その味は?
16時半頃現地を後にしたが、その後渋滞に巻き込まれた。本来は往路と同じく最寄り駅から帰宅する予定であったが、友人宅に寄る段取りになっていることを知り、急遽湖東のそこへ向かう。
渋滞で結構時間がかかったが、何とか到着し、手分けして夕食の準備、獲れた魚の下準備を行った。そして出来たのが、写真の料理。手前がブラックバスのフライ料理「バスフライ」、奥が稚鮎の天麩羅である。
獲れたて揚げたての稚鮎が美味であるのは言うまでもないが、なんと恐るおそる口にしたブラックバスも想定外の美味であった。臭みはなく、身の弾力や厚みにも優れた馳走と化したのである。
友人曰く、水が綺麗な場所に生息していた結果かもしれないとのこと。水質に劣る南湖なら同様ではないのではないかと。まあ、本来は鱸(スズキ)と同類なので、塩焼き以外は結構食べられるものなのかもしれない。
しかし、悪名高きブラックバスの名で食材化するのは困難か。それは、数十年来県が食用消費を呼び掛け、料理として供する店もありながら定着しない一因とも思われた。バスフライではなく、「川鱸(かわすずき)」の天麩羅やフライとした方が人気が高まるかもしれないが如何であろうか。
とまれ、今日は初泳ぎに久々の投網も楽しめ、馳走と友人一家の歓待も受けられた。大いに感謝したい。しかし、夜祇園祭の宵々山観覧に誘われていた別の友人との合流が時間の関係で果たせなくなった。こちらは申し訳ない限り。
また後祭か何かの機会で埋め合わせしたいと思う。
2015年07月12日
江東網会
今年2回目の網会
今日、午前から滋賀へ。
琵琶湖東部の川で小鮎獲りを行う為である。来客等の都合で、予定の時間より押してしまったが、何とか現地近くの友人宅に集合して、目的の川へと向かった。
投網を使って鮎を捕獲するという、先月6日に次いで今年2回目の網会。今回も、特に多勢に声を掛けず、内々の少人数で行った。
上掲写真: 湖東地方の清流、芹川にて網にかかった外道のアマゴ。ヤマメと共に「渓流の女王」とも呼ばれる姿麗しき魚
水遊びにも適う水環境の犬上川
先ずは犬上川
友人宅より車に乗り換えて最初に向かったのは犬上川。滋賀県中部東の内陸部に位置する。個人的には初めて入る川。水質やその他の環境も良く、水遊びにも適している。
雲が多かったが、折しも35度予想が発せられていた高気温日。足をつけて身体を冷やしつつ漁を行うには、ちょうど良い環境であった。
川中の浅瀬に石を並べて島を作り、荷物を置きつつ、ひたすら投網に興じる。大漁とまではいかないが、漁獲は、まあまあ。
犬上川にまして水質美麗な芹川
付近の川でも魚影試す
犬上川で目標の漁獲を得、また川中で昼食等も済ませる。友人宅にて下処理と調理をしなければならないので、早めに川を離れる。
とはいえ、まだ予定時間より早く、折角なので、付近の川にも立ち寄り、魚影を試すことにした。そして向かったのが、犬上川の上(北)を並流する芹川であった。
こちらは、犬上川に比して規模が小さくなり、水質も更に良い。足を入れると、声が出そうなくらいな冷たさであった。
そんな好環境がかえって仇となったか、漁獲はいまいちであった。網には渓流漁であるアマゴもかかり、鮎との生活圏の違いが感じられた。
今日の漁獲。がんばれば更に獲れたが、これくらいで止めた。最大の獲物は全長15cm程
撤収。友人宅にて馳走
芹川の他、帰り道がてら愛知川等にも立ち寄ったが、漁獲はいまいち。友人曰く、「前は獲れたので、時期的に漁場が上流へと移動しているのか」と。
そして、友人宅に帰還。風呂を借りている間に、友人が手早く今日の獲物等を調理してくれ、そのまま馳走となった。
小鮎の天麩羅他、色んな料理が並ぶ豪勢な食卓
塩焼きの鮎も
小鮎は主に天麩羅に、形の大きいものは塩焼きとした。当然ながら、新鮮・美味。
今日は、私が未知であった湖東中部の各河川へ、水遊びがてら連れて行ってもらったような企画。私自身は川に浸かれるが嬉しくて、殆ど漁獲には貢献していない(笑)。
それなのに、友人宅にてその家族共々から歓待を受けることとなった。感謝!
2015年06月06日
湖西求魚
湖西に鮎の漁場求む
今日、鮎捕りにゆく友人に同行して琵琶湖まで出向く。
投網での漁獲を目指すので記事分類が「網会」となっているが、以前の様に人を募った訳ではなく、個人的なもの、気紛れ的挙行であった。
昼過ぎ、列車で湖西のとある駅まで行き、車行の友人と落ち合う。そこからは、友人に同乗して漁場へと向かう。
今日の目的は漁獲そのものより、漁場の開拓にあった。湖西地方に馴染みが薄い、湖東住まいの友人の投網場探しに付き合う、いわば「求魚行」であった。
上掲写真: 場所も天候も素晴らしい湖西の浜で、網一投を放つ友人。
雲残る、湖西に沿う連山、比良山脈
午前中は雨が残り、天候に不安が残ったが、一先ず決行することに。しかし、現場に着いた頃より天候は休息に回復し始めた。
この、人の出を躊躇わさすような天候が、漁場・道路の混雑を減ずる効果を齎したのは、幸いであった。
湖西では琵琶湖に限らず、そこにそそぐ河川内でも投網を試みた
ただし、川によれば禁漁の決りが定められているので、注意が必要。
川などでは、投網だけでなく、タモ網(手持ちの網)を使って岸部を探ったりも
写真はその際獲れた、どじょうやカジカにどんこ。岸部の草なかを探ったからであろうが、川で生きたどじょうなどを見るのは、実に中学生以来であった。
湖岸は天気が回復して素晴らしい眺めに。ここ最近の、友人お気に入りの漁場でもある
少し試しては、次々に漁場を変えていく。初めは既知の場所も多かったが、その中でも色々と試したりした。
美麗の湖岸にそそぐ小川を行き来する、稚鮎(小鮎)の群れ
元々、この時期、稚鮎は川を遡上する為に、湖岸や河口に集まってきているのである。
良く広がり、理想的な形を描いて着底する投網。浅く、水も澄んでいて漁場としても理想的
浜に引き寄せられた投網。見え難いが、結構鮎が獲れている
こちらは、特に漁場の新規開拓を目論む、湖西北部での漁
1投目は上手くいったが、2投目からは何故かかからなくなった。日が傾いてきた影響もあるのかもしれない。
稚鮎は、鯉などと違い、朝や夕方はあまり獲れないことが多い。
それにしても、鮎はやはりその姿が美しい。そして香も良い
夕闇せまる比良、打見山(1108m)の影と、空を染める夕紅
調理重複
大ボケで終る
ほぼ予定していた調査域での試漁を終え、また、日没も迎えた為、撤収することとなった。
獲れた鮎を分けてもらい、落ち合った駅にて友人と別れる。しかし、列車に乗り遅れて待ったりしたので、帰るのが結構遅くなってしまった。
本来なら、鮎さばいてをすぐに下処理しなければならないが、手ごねハンバーグ作りの予定と重複していることに気がついた。
本来は鮎を優先すべきだが、先方も材料が限界だったので、仕方なく明日に回すこととなった。砂が多い浜の鮎は下処理が欠かせず、早めに行うのが良いが、結構時間もかかるので致し方なかった。
折角良い鮎が獲れたのに、とんだ大ボケにて一日を閉めることとなったのである(笑)。
2011年06月05日
2011網会
投網会再び。果して今年は……
丁度今頃の、去年の梅雨入り初めに行った投網会。京都の隣、滋賀県は湖東にある、漁業権が消失した河川での稀有な行事であったが、外国人を含む幾人かの希望により今年も開かれることとなった。
去年は、珍しい鮎大漁の「当り年」であったが、果して今年は如何であろうか。驚くほど簡単に獲れた前回の記憶から、逆に今年は不漁に違いないとの予想を抱いて半ば諦めていたが、とまれ出掛けてみることにした。
上掲写真: 近江湖東のランドマーク的存在である近江富士「三上山(432m)」を、同じく湖東の水辺より見る。今日は、数日前から雨の予報が出ていたが、前夜から突如曇りに訂正となった。去年のように晴れてはいないが、暑くなく、漁に影響する水量も十分だったので、先ずまずの条件といえた。
湖東入り。荒地に難儀しつつ水辺へ
去年に同じく、現地在住のI氏の案内で現場へと向かうことに。京都からの参加者一同は、最寄り駅にて下車し、氏の訪れを待つ。共に参加する子供も、「期待のクーラーボックス」傍らで暫しお休み。
やがてI氏と合流し、現場の川へ。去年と同じ場所である。ただ、今年は梅雨入りが早く、降水も多かった所為か、水量が多い為、対岸から水場に接近することとなった。
これから、写真奥に見える彼方の水面(みなも)まで、河原に広がる草深い荒地を進んで辿り着かなければならない。
投網+釣りの漁開始
刺草や泥濘に難儀しながら漸く水辺に到着。子に至るまで長靴を履いていた皆の用意に感心しつつ、ひとりサンダル履きで来た愚かを後悔(笑)。そして、早速漁を開始。
水量の多さと共に流れも早く、去年の様に水面に魚影を見ることも叶わなかったが、意外にも網を入れると多くの鮎が入った。写真は、手分けして網に掛かった魚を生簀(いけす)に入れる参加者。
今回は同時に「釣り」も試みられた。投網が2セットしかないという事情もあったが、実は、手持ち無沙汰になり勝ちな子供への対策に、という期待もあった
写真は、正にその期待に沿って竿を渡されていたSちゃん(推定6才)が、初物を釣り上げようとしているところ。
Sちゃんが釣り上げた(本人曰く「勝手に掛かっていた」)、型のよい稚鮎。Sちゃんが飽きた後、私も試したが、餌がなくとも釣れるぐらいだったので、去年程ではないが、魚影は結構濃いように思われた
贅沢美味な賞味会
そのまま、皆でのんびり魚を獲ったり、水辺に遊んだりしたが、やがて撤収することに。時は昼過ぎだったので、正味2時間程の滞在か。
写真は、その漁獲全量である。去年の半量以下だと思うが、特に多く獲ろうと努めた訳ではないので、悪い成果ではない。魚種は殆どが稚鮎であったが、釣果の一部には諸子(モロコ)、その他にはオイカワ(画像下部の赤みがかった大きな魚)も見られた。
因みに、今年も、去年塩焼きにして美味だった「ハス」という大ぶりの魚を狙って刺網漁を試みたが、強い水流に因り、上手く設置出来ず、断念した。
さて、その後、昨年に同じくI氏宅にお邪魔し、早速獲れた魚の賞味会に。しかし、その前に諸々の準備をしなければならない。皆手分けしてそれにとりかかる。私と留学生ら4人は玄関庭にて魚の下処理に精を出した。昨年は量が多く、長時に及ぶ難作業だったが、今年は慣れもあって、短時間で終らせることが出来た。
そして、写真の如く、天麩羅や塩焼きに調理。庭の山椒葉を使った「塩山椒」等で食す。昨年に増して、美味に感じられた。その他、I氏の家庭菜園産の野菜料理等も頂くという贅沢。
賞味会の途中には、昨年に続く恒例(?)の新茶製茶も。この茶葉も、当地産の「摘みたて」という贅沢なものであった
最後は名物蛍で終了
最後は、I氏の案内で、有名な「守山の蛍」を見ながら帰路に就くことに。昔から湧水の多い守山市街を流れる小川にそれを尋ねつつ、最寄り駅まで歩く。今年はまだ少ないとのことであったが、それでも方々でその姿と出会えた。
写真は、その内の1匹の灯りを捉えて拡大したもの。夜の暗さと、その動きにより、本来は簡易な装備での撮影は難しいが、なんとか1つだけ成功した。その後、I氏一家の見送りを受けつつ、駅から列車にて帰京、解散となった。
金(キーン)のサンダル?
ところで、I氏宅にて、河原の荒地で汚れたサンダルを洗い干していた間、氏のサンダルを借りることとなった。それはまだ箱入りの新品だったが、サイズが合わないことを理由に結局貰い受け、そのまま履いて帰ることとなった。ところが、このサンダル。帰宅後気になって調べたら、アメリカ某有名ブランドの上品であった。正に泥沼から金のサンダルか!?
「仕事関連からもらった粗品なので、つまらぬものに違いない」と断言していた氏に、今ならまだ間に合うことをお知らせしたい。まあ、もう既に履いて帰った後ではあるが、一応正直に申告しておく次第である(笑)。
とまれ、皆さんお疲れ様。色々と有難う!
2010年06月06日
江東網会
鯰会以来の漁獲行事
梅雨入り前に少々河原で水遊び――。そんな気分、または実行した人も多かったと思われる6月最初の日曜日。はや夏と紛うばかりの天候にも後押しされ、我々一行も水場へと向かった。
場所は滋賀県湖東の某河岸。現地在住のI氏勧誘による、投網での漁獲に挑む、という集まりであった。実は、以前とある場所にて捨てられようとしていた新古品の投網が、私の進言で釣り好きのI氏に譲られたという経緯があった。それ以来I氏は、魚種に適った新しい網まで購入して日々使用研究を重ね、今日、それの経験機会を皆に提供してくれたのである。
ところで、1つ気になるのが、漁具である投網の使用制限のことである。河川といえども、日本の場合は大方の場所に漁業権が設定されている。つまり専業者以外の人間が無闇に漁具を使用出来ないのである。しかし、今回の場所は、I氏によると河川の付替えに因り漁業権が消失したという珍しい箇所の為、その心配はなかった。
とまれ鯰会以来の江東(近江湖東)での漁獲行事。参加人数は諸氏の事情により予定より少なくなったが、捕獲対象がその美味を知る小鮎(稚鮎)だったので、期待は高まった。
上掲写真; 投網に掛かった鮎の外し作業。逃れようとする魚が、網目に頭を突っ込むので外し難い。実は投げることより、これに時間がかかる。まあ、足を水に浸しながらの作業も悪くはないが。
今回の指導員たるI氏の手本的第一投。網が空中で綺麗に広がって、お見事!
画像では見え難いが、水面下には相当な数の魚影が。殆どが、この時期琵琶湖から川を遡行する小鮎。I氏によると、今年は例年にない「当り年」らしい
今日初めて投網を持った人(私も然り)も、一投でこんなに捕獲
刺網漁にも挑戦
投網以外にも、実験的に刺網(さしあみ)も設置。川を横断するように張り渡す。さて、何が掛かるやら。
暫くすると刺網に鮎が掛かった。目の大きな網なので、もはや稚魚とは言い難い程の大きさの鮎であった。この後、オイカワに似た少々大型のハスという魚も掛かった
刺網は、捕獲数こそ少ないが、自動的に掛かるので効率はいい。
「香魚」鮎
捕獲した鮎。小鮎とは言い難い立派な姿である。「香魚」と呼ばれるだけあって、他魚のような生臭さがないのもいい。
本日の成果。正午過ぎには撤収したので3時間程のものか。気を入れれば、更に獲れたが、必要分までとした
獲れたての食事会
午後からは、一同I氏宅にお邪魔して、捕獲した魚を用いた食事会を。だが、その前に当然、下拵えや調理しなければならないので、皆で手分けして行う。
数が多いので、魚の解体にかなりの時間が掛かった。作業を始めてから2時間程して漸く食卓に。写真の通り、揚げたての鮎を頂いたのであった。勿論、期待通りの味。
こちらは、鮎とは違い全く期待していなかったハスの塩焼き。臭みがないその美味に少々驚く。特に小振りな雌(?)の方が良好であった
食事後暫し歓談し、夕刻引き揚げた。皆、持帰り分の鮎を手にして、である。中々贅沢な1日であった。皆さん「美味しい1日」を有難う。そして、今回は鯰様ならぬ「鮎様」に合掌……。