
京都北山最奥へ
今朝は珍しく早起きし、まだ暗い内に出先から帰宅。そして、7時過ぎに友人が迎えに現れ、その車輌に同乗して一路北へと向かった。
行先は京都北山・丹波高地最奥の地、美山。現京都府と福井県の府県境で、旧丹波と若狭の国界に当る山域であった。今日は友人に誘われ、珍しくそこを歩くこととなったのである。
若丹国界の稜線は、かの近畿最後の秘境・芦生(あしゅう)演習林に隣接する山域で、個人的な未踏地であった。
以前より行きたいと思っていたが、交通不便のため叶わず、今回友人の茸探しに同行する形で、初めて入山することとなったのである。
生憎朝まで雨が残る天候であったが、その後あがるとの予報を頼りに、約2時間の車行を始めた。果たして無事入山は叶うや否や。
上掲写真 美山町田歌(たうた)集落に佇む、今や美山の名物的な茅葺民家。雨は止んだが、周囲の山や耕地共々濡れそぼり、初冬らしからぬ量感ある姿を見せていた。

さて、出発後、市街を抜け、京盆地北の貴船口・鞍馬を経て城丹尾根の峠を越える。
それは盆地北縁の稜線で、その後その北裏の花脊(はなせ)や広河原地区の各山間集落を抜け、美山との境にある佐々里峠(標高735m)に至った。
途中雪はなかったが、写真の如く、この峠の北裏には路面に少し雪が現れ、車輌が滑った跡も見られた。幸い同乗車の護謨輪(タイヤ)は既に冬用に変えているらしく、難なく通行。
未明の雨でかなり融けたようだが、油断ならぬ場所であった。因みに、明日15日から春の任意日まで、豪雪地のこの峠は通行止めとなるので、正にギリギリの通り抜けであった。
京都市街東部から芦生方面に行くにはこの道程が一番の近道なので助かった。ここが閉鎖されると、遥々右京区方面から回り込まなければならない(但しそこの方が道が良いので条件により時間差は少なくなる)。

落葉散る雨上がりの五波峠。右端の路端に峠名を記した石碑がある
五波峠より境界尾根歩く
佐々里峠を下り、同名集落を過ぎて由良川(ゆらがわ)畔の芦生に入る。
これまでは大阪湾、即ち太平洋に下る大堰川(桂川)水系だったが日本海水系へと変わり、奥地に来たことを実感。
そして、美山町に入り、田歌集落から峠道を進み、写真の五波峠(ごなみとうげ)に達した。稜線とは見え難いなだらかな場所だが、下る向こう側はもう旧若狭国名田庄(なたしょう)、即ち福井県嶺南地区であった。

五波峠で下車して稜線道を歩く。気温は6度程、写真の如く北斜面等には薄っすら雪も残っていた。情報では、先週既に冠雪していたらしいので、その名残りか。
標高600mの峠から、その西方にある八ヶ峰(はちがみね)という同800mの山頂を目指す。距離は3km程、高低差も小さいので穏やかな登行である。
ただ、天気が怪しく、今にも降り出しそうな空模様であった。一応雨装備は完備していたが、気温が低いので降り出すと少々辛い条件となる。
また一面の濡れ落葉を進むので滑り易く、足下が悪いのも難点であった。

不毛の冬枯れにて
足下に気をつけながら山道を進むと茸(きのこ)に詳しい友人が早速可食のものを見つけた。ただ、それは小さく数も僅かであった。
既に雪が降ったこともあり、見渡せば山中は完全な冬枯れ状態。個人的には不毛の様に見えたが、その後、友人が朽ちかけた倒木の中から、写真の平茸(ヒラタケ)を発見した。

そして倒木を裏返すと、なんと子供の掌程もある大型の平茸が大量に。表面には先行者に採られた跡もあったが、その後育ったものや、見つからなかった場所のものが数多く見られた

友人曰く、これは木耳(きくらげ)の仲間だという

これは栗茸(くりたけ)とのこと。人為的に置かれた登山道の階(きざはし)の木材に生えたもの。よく踏まれずに残ったものである

経験者も違う偽頂を越え
1時間程進むと空が晴れてきた。一気に森も明るくなったが、写真の通り冬枯れの様子は変わらず。

栗茸があった坂の次にまた少々急な登坂が現れ、その頂に達す。すると、この道の経験者たる友人が「やれ、到着」との声を発したので、すぐさま否定し、先へ進む。そこは八ヶ峰南東手前の一頂であり、所謂「偽頂(偽ピーク)」だった為である。まあ、偽頂は皆間違え易いので仕方なし

正解の頂は、次の登坂後のここである。頂部の松の木が目印で、先に遠方から観察し、図上で特定していた

八ヶ峰山頂
そして、登坂を上りきり、八ヶ峰山頂に着いた。積雪多い北地の高所に松が植わる珍しい峰である。
眺望も良く、ほぼ全周が見渡せた。流石は美山五山で、関西百名山(毎度記すがこういう区分けに興味は無いが……)の一つ。

八ヶ峰山頂標識と頂からの眺め。丁度山頂手前から空も晴れて何より

八ヶ峰山頂からは日本海・若狭湾方面も見えた。これは北西方向の高浜方面。中央に舞鶴と高浜に跨る名峰・青葉山(あおばさん・若狭富士。標高693m)が双耳峰の姿を見せていた。その左手前に続く紅白の鉄塔は写真右奥の小浜湾・大飯原発からの電力線支柱と見られた

京都北山山中の温泉施設
森なかでの昼食と帰路の寄り道
丁度昼時となったので、陽が差し見晴らしも良い八ヶ峰頂で昼食にしたかったが、風が強く寒いため、偽頂方面に下った森なかで休むことにした。
食後は来た道を戻り、五波峠まで帰還。午後からまた曇天となったが、結局懸念された雨に遭うこともなく無事下山出来た。
その後、帰路回り道をして美山の道の駅に寄り、次いで友人が知る山中の温泉施設に寄って入浴した。冷えた身体には有り難い限り。
そして、また京北の道の駅に寄ったりしつつ京盆地に帰還したのである。
お疲れ様、茸知識含め、色々と有難う!
