2017年12月24日

名廊閉店

最終日のギャラリー「アートスペース虹」と店前の告知板

名残の閉廊

クリスマス前夜であり、2017年もいよいよ終盤となった今日。

京都市街東部のとあるギャラリーが、36年に及ぶその歴史を閉じることとなった。ギャラリーの名は「アートスペース虹」。

市街外れの、東山山麓は三条通沿いにある店である。然程広くはなく、外観等も比較的地味な印象の店だが、多くの気鋭作家により様々な展示が行われ、確固たる存在感を示してきた。

私自身ここでの展示や支援展等は行ったことはないが、友人・知人が多く関わり、また展示を行ってきたので、馴染みの場所ではあった。それ故に、突然の閉廊は感慨深いのがあった。

友人から報せを受け、なるべく早くに出向くつもりが、結局最終日となった。しかも夕方――。折しも降り始めた小雨が、名残の雨にも感じられたのである。


上掲写真: ギャラリー「アートスペース虹」前に置かれた最後の展覧会「非在の庭」の案内板。展覧会の際に毎回目にしたものなので、これも名残惜しく感じられた。


最終日のアートスペース虹の展示(西面)
最終日のアートスペース虹の作品展示(西面一部)

最後を飾るに相応しい展示

展示最終日、そして閉廊日とあって、さすがにギャラリー内は人で混みあう状況となっていた。

開かれていた展覧会は、「総集編」「最終章」との銘が打たれたもので、ギャラリー縁(ゆかり)の作家100人以上の作品を集合したものであった。

スペースの関係上、作品は小品に限られていたが、テレビでも顔や作品を見かけるような作家を始めとする力作で溢れていたので、大変見応えのあるものとなっていた。

友人・知人以外の展示では、他画廊を含め、これまで参観した展示のなかで最も良いものと思われたのである。故に、単位面積当たりでの滞在時間も最長となった。

正に、36年の歴史の最後を飾るに相応しい展示であった。


最終日のアートスペース虹の作品展示(東面)
最終日のアートスペース虹の展示(東面一部)

画廊主のKさんとはこれまで何度も話をしたりしていたが、直接の関わりがなかったので、一先ず参観者として振舞っていた。

しかし、せめて労いの言葉をかけようと思っていたが、来客が多く、結局叶わなかった。申し訳ない限り……。


最終日のアートスペース虹の外観
多くの参観者で賑わう最終日のアートスペース虹とその外観

地域に根差し作り手に愛されて

参観後仕事に戻ったが、このあと閉廊の記念会が開かれたらしく、参加した友人によると、大変な盛況ぶりだったという。

地元に根差し、作り手に愛された尊い場所だったのであろう。美術バブル期に京都に乗り込み、数年で撤退した東京の大手ギャラリーの浮ついたような振る舞いとは対照的に感じられた。

とまれ、小規模ながら長年多くの人材を自主的に育ててきた文化の拠点が一つ消えることとなった。これは京都、延いては日本の文化にとっても損失といえよう。いや、文化だけでなく、街の活気や多様性にも影響する地域の大事、日本の大事ともいえる。

ただただ、残念な限り。しかし、色々な事情により至った結果ではあるので、もはや致し方あるまい。また、どこかでその志や活動を引き継いでくれる人や場所の登場を期待したいと思う。

最後となったが、Kさん始めとする関係者の皆さん、長い間お疲れ様でした。数々の感動や発見、驚きとの出会いに感謝します。

posted by 藤氏 晴嵐 (Seiran Touji) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 催事(友人其他)